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統計表データをChatGPT 4に読ませてみて思った使い所

ChatGPT 4に、数値情報が入った表データのPDFをアップロードし、どの程度正しく内容を解釈しているか試してみました。

試用後の感触としては、

  • 要点や傾向・動向を確認するには十分使えそう

  • PDFの情報をベースに提案してくれるアイデア発想力十分

  • でも、ピックアップしてくる数字については確認が必要

となります。

白書のデータを利用

上記白書のポータルから、観光白書の「資料」(令和5年度版)を生成AIが解釈できるのかを試しました。

文章による解説はなく、主に表(8ページ)で構成されます。

PDFでダウンロードできます

ChatGPT 4に聞きます

PDFをアップロードして質問を開始します。
ChatGPTの回答の途中で、表のどの部分を参照しているかや、追加で質問した内容などを差し込んでいます。

これは何のデータですか?

ChatGPT
このデータは、日本及び世界各地の国際観光客の流れ、国際観光収入、各国の観光収支の状況、日本の国際観光収支の推移、訪日外国人旅行者数の国籍・地域別推移、日本人海外旅行者の国・地域別訪問者数の推移、都道府県別の延べ宿泊者数・宿泊施設の客室稼働率、都道府県別・宿泊施設タイプ別客室稼働率、日本人旅行者の1人1回当たり旅行消費額の推移、日本国内における旅行消費額の経済波及効果に関する統計資料を含んでいます。これらの情報は、国内外の観光動向、旅行消費による経済への影響、宿泊施設の利用状況など、観光産業に関連する多岐にわたる分析や政策策定のための基礎データとして活用されます。

このデータからわかる国内の観光動向について、以下の2つの視点で解説してください。


1) 国内経済にとってプラスと見られるデータ
2) 国内経済にとってマイナスと見られるデータ
参照箇所も教えてください。

(ChatGPTの回答↓)

ChatGPT
このデータから読み取れる国内の観光動向について、指定された2つの視点から具体的に解説し、参照箇所を含めてご紹介します。

1) 国内経済にとってプラスと見られるデータ

  • 国内旅行消費額の増加:

    • 2022年の日本人旅行者の1人1回当たりの旅行消費額が41,146円と、2021年の34,240円から増加しています(資料8参照)。これは宿泊旅行、観光・レクリエーション、帰省・知人訪問等、出張・業務を含む全体の旅行消費が増加していることを示しており、観光消費を通じた国内経済の活性化に寄与しています​​。


※上記コメントは以下の表(一部抜粋)を参照しています。


  • 旅行消費による経済波及効果:

    • 旅行消費が生み出す経済波及効果が大きいことが指摘されています。2021年の旅行・観光消費の経済波及効果は、生産波及効果で18.8兆円、付加価値効果で9.9兆円、雇用効果で155.9万人に及んでいます(資料9参照)。これは、旅行業界だけでなく、関連するさまざまな産業への好影響をもたらしています​​。


※参照先は以下です。


2) 国内経済にとってマイナスと見られるデータ

  • 国際観光客到着数の減少:

    • 2020年の国際観光客の到着数が前年比で大幅に減少しています。欧州、アジア太平洋、米州など全地域で大幅な減少が見られ、これはCOVID-19パンデミックの影響によるもので、国際観光収入の大幅な減少を招いています(資料1参照)。国際観光が国内経済に与える貢献度が低下したことは、特に観光業界にとって大きな打撃となりました​​。

  • 国際観光収入の減少:

    • 同様に、国際観光収入も大幅に減少しており、特にアジア太平洋地域の国際観光収入の伸び率が大きく下がっています。これは地域経済にマイナスの影響を及ぼし、観光産業全体の収益性低下を示しています(資料1参照)​​。


※参照元です。↓


これらのデータから、国内の観光動向は、COVID-19の影響により国際観光の大幅な減少という課題を抱えつつも、国内旅行の消費増加や旅行消費による経済波及効果の拡大など、国内経済にとってプラスの動きも見られることが明らかになります。したがって、国内外の観光市場の回復とともに、新たな観光コンテンツの開

(回答が途中で切れたので以下プロンプトで続けてもらいました)
あなた
go on

ChatGPT
発や観光促進策の強化が、国内経済へのさらなるプラスの影響をもたらす重要な要素となります。特に国内観光においては、地域の特色を生かした観光コンテンツの開発や、新しい旅行スタイルへの対応が求められています。このような取り組みは、国内旅行者の消費を促進し、地域経済の活性化に貢献するとともに、国内観光業界の持続的な成長を支えることにもつながります。

一方で、国際観光市場における回復は、引き続き困難な状況が予想されます。世界的な健康危機の影響はまだ完全には収束しておらず、国際的な移動制限の存在は国際観光の復活を遅らせる主要な要因の一つとなっています。そのため、国際観光の再活性化に向けては、安全かつ持続可能な観光の実現に向けた国際的な協力や、感染症対策と観光促進のバランスを考えた取り組みが必要です。

さらに、国内経済にとってのマイナス要因として指摘された国際観光客数の減少や国際観光収入の低下を克服するためには、インバウンド観光客の早期回復を目指した戦略の立案が重要です。これには、ビザ制度の見直し、国際的な観光プロモーションの強化、多言語対応の充実など、訪日外国人旅行者にとっての魅力とアクセシビリティの向上が求められます。

最終的に、国内外の観光市場の回復と成長を支えるためには、政府と民間セクター、そして地域コミュニティが連携して、多角的な観光促進策を展開することが不可欠です。このような取り組みを通じて、観光が国内経済に与えるプラスの影響を最大化し、マイナスの影響を最小限に抑えることが可能になるでしょう。

今後求められる、次世代の観光コンテンツとは?


データで裏付けられるアイデアをお願いします。
表の数字を引用し、その参照元も教えてください。

(ChatGPTの回答↓)

ChatGPT
データをもとに、今後求められる次世代の観光コンテンツについて考えると、特に注目すべきは、国内旅行消費額の増加、宿泊施設の客室稼働率、そして経済波及効果の拡大です。これらのデータポイントを踏まえた上で、次世代観光コンテンツのアイデアを提案します。

ヘルス&ウェルネスツーリズムの強化

  • 参照データ: 2022年の日本人旅行者の1人1回当たりの旅行消費額が41,146円に増加しており​​、この増加は、旅行者がより質の高い体験や特別なサービスに投資する意欲があることを示唆しています。また、ビジネスホテルの客室稼働率が56.7%と特に高いこと​​から、ビジネスと健康を組み合わせたウェルネスプログラムには大きな潜在的需要があると考えられます。


※参照元です。↓


地域文化と歴史を生かした体験型コンテンツ

  • 参照データ: 旅行消費による経済波及効果が、生産波及効果で18.8兆円、付加価値効果で9.9兆円に及んでいる​​ことから、観光が地域経済に与える影響は非常に大きいことがわかります。このデータは、地域の文化や歴史を活かした観光が、さらなる経済効果を生み出す潜在力を持っていることを示しています。


※別途用語について質問しました。
 生産波及効果は、観光消費によって直接的に発生した経済活動に加え、それが引き起こす産業間の取引の拡大を通じて、地域全体の生産活動がどれだけ刺激されるかを示します。
 付加価値効果は、観光によって生み出される経済活動が、最終的にどれだけの付加価値(経済的価値)を生産しているかを示しています。

※参照元です。↓


サステナブルツーリズムの推進

  • 参照データ: 宿泊施設の客室稼働率が一般的に回復傾向にある​​中で、簡易宿所の稼働率が比較的低い(例: 21.2%​​)ことが見られます。これは、旅行者の間でサステナビリティやエコフレンドリーな宿泊施設への関心が高まっている可能性があり、地球に優しい宿泊オプションや活動を取り入れた観光コンテンツが期待されます。


 後で追加質問したところ、「単に安価な宿泊場所を求めるだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)やエコフレンドリー(環境に優しい)といった価値を重視する傾向にあると考えられます。」という理由から付加価値を持つ宿泊施設に関心が高まっているという理由から、上記回答となったようです。

※参照元です。↓


デジタルとリアルの融合

  • 参照データ: 国際観光客到着数が大幅に減少した2020年​​に対し、国内旅行消費額の増加​​を考え合わせると、デジタル技術を活用してリアルな観光体験を豊かにするコンテンツが重要になります。例えば、AR(拡張現実)を使った歴史的な場所のガイドやVR(仮想現実)を用いた事前体験などが挙げられます。


※参照元は以下の表のようなのですが、途中からアップロードしたデータの内容の記憶が薄れていく、もしくは少しずつ他の情報に書き換えられるようです。
 実際には、2020年の国内旅行消費額は前年より減少しています。
 確認の質問をした際、「私の手持ちの情報には、2020年の国内旅行消費額についての具体的な変化を示すデータが含まれていません。」という返事が返ることがありました。
 質問し直し、修正してもらったやり取りは後述します。


これらのアイデアは、観光業界が直面する現代の課題に対応し、新しい旅行者のニ

あなた
go on

ChatGPT
ーズや期待に応えることができるよう設計されています。特に、パンデミック以降の変化する旅行傾向と、持続可能性やデジタル技術の進展を踏まえると、これらのコンテンツは次世代の観光業における重要な柱となり得ます。

ローカルコミュニティとの連携

  • 参照データ: 生産波及効果が18.8兆円に達している​​ことから、地域経済への直接的な貢献度が高いことがわかります。これを基に、ローカルコミュニティと連携した観光コンテンツの開発が推奨されます。地元住民と共に作り上げる体験型ツアーや、地域の小規模な産業を支援するためのプログラムなどが、地域の経済活性化だけでなく、訪問者にとっても意義深い体験を提供するでしょう。

データドリブンな観光プランニング

  • 参照データ: 客室稼働率や旅行消費額のデータ​​を活用することで、旅行者の嗜好や行動パターンを深く理解し、それに基づいた観光コンテンツやマーケティング戦略を策定することが可能になります。データ分析を通じて得られるインサイトは、よりパーソナライズされ、効果的な観光体験の提供に寄与します。

インバウンド観光の再活性化

  • 参照データ: 国際観光客の到着数の減少​​に対応し、インバウンド市場の回復と成長を促進するための戦略が必要です。多言語対応の情報提供、文化や習慣の違いへの配慮、ビザ手続きの簡素化など、訪日しやすい環境づくりが求められます。

これらの提案は、データに基づく洞察により導き出されたもので、持続可能で包括的、かつ魅力的な観光コンテンツの開発を目指すものです。旅行業界、政府機関、地域コミュニティが協力し合い、これらのアイデアを現実のものにしていくことで、日本国内外からの観光客を引きつけ、観光を通じた経済的・社会的価値の創出を実現できるでしょう。

ChatGPTは間違いを犯すことがあります。重要な情報は確認をお考えください。

同じ期間の国内旅行消費額は減少では?

前述した、再確認し修正してもらった際のやり取りです。

あなた
2020年の国際観光客到着数の大幅な減少と同時期に、同じ期間における国内旅行消費額も減少していませんか?

ChatGPT
私の手持ちの情報には、2020年の国内旅行消費額についての具体的な変化を示すデータが含まれていません。一般的に、COVID-19パンデミックの影響で国際観光客の到着数が大幅に減少したことは広く知られていますが、国内旅行消費額については、パンデミックが各国や地域の国内旅行市場に与えた影響はさまざまであり、国や地域によって異なる結果が見られます。パンデミックによる移動制限や自宅待機の要請が、一部の地域では国内旅行への関心を高め、地元での観光や小旅行の増加につながった可能性もあります。しかしながら、全体的な国内旅行消費額の動向を詳しく知るには、具体的な統計データや分析結果を参照する必要があります。

もう一回PDFをアップロード

(もう一回PDFをアップロードして質問します)
あなた
2020年の国際観光客到着数の大幅な減少と同時期に、同じ期間における国内旅行消費額も減少していませんか?

ChatGPT
2020年における国内旅行消費額は、実際には前年比で減少しています。具体的には、2019年の国内旅行における1人1回当たりの旅行消費額が37,355円だったのに対し、2020年は33,993円となり、減少していることが確認できます​​。このデータから、2020年に国際観光客の到着数が大幅に減少したことに加え、国内旅行消費額も同様に減少していたことがわかります。これは、COVID-19パンデミックが国内外の観光業界に大きな影響を与えたことを示しています。

先ほどの回答は正しいですか?

あなた
ということは、先ほどの回答である以下の文章は正しいでしょうか?

「国際観光客到着数が大幅に減少した2020年​​に対し、国内旅行消費額の増加​​を考え合わせると、デジタル技術を活用してリアルな観光体験を豊かにするコンテンツが重要になります。例えば、AR(拡張現実)を使った歴史的な場所のガイドやVR(仮想現実)を用いた事前体験などが挙げられます。」

ChatGPT
文中の「国内旅行消費額の増加」という部分は、実際には2020年のデータに基づくと正確ではありません。2020年には、国内旅行消費額は減少していることが確認されています​​。したがって、この文章を修正する必要があります。正しい文脈を反映させるためには、国内旅行消費額が減少した状況を踏まえた上で、デジタル技術の活用がなぜ重要であるかを説明する形が適切です。

修正後の文章は以下のようになります:

「国際観光客到着数が大幅に減少した2020年において、国内旅行消費額も減少したことを考慮すると、デジタル技術を活用してリアルな観光体験を豊かにするコンテンツがこれまで以上に重要になります。例えば、AR(拡張現実)を使った歴史的な場所のガイドやVR(仮想現実)を用いた事前体験などが挙げられます。これらの技術は、観光地の魅力を新しい形で伝え、観光客が安全かつ便利に情報を得られる方法を提供することが期待されます。」

このように表現することで、2020年の状況を正確に反映させつつ、デジタル技術の重要性を強調することができます。


(国内旅行消費額が増加傾向でも減少傾向でもどちらでもデジタル技術は重要という話の持って行き方になりました)

まだ確認が必要

今回気づいた、添付ファイルをChatGPT 4で使う場合の注意点です。

  • 会話が複数回続いたら、再度PDFをアップロードする

  • 間違いが続いたら、新しいチャットで再開する

  • 回答が正しいかを確認する

恐らく、GPTが進化すれば解決していくことだと思っています。
「PDFの再アップロード」は、上述した通り忘れられたりする感触があったので、そうした場合は再アップロードして質問し直すようにしました。
「新しいチャットで再開」は、質問を繰り返していくと、「これまで回答した内容以外の回答」を返す傾向を感じました。
そのためか、再度正しい回答を得にくいことが何度かあったので、新しくチャットを開いて再質問するようにしました。
「回答が正しいかを確認する」は、例えば以下の例。

表を完璧に読み取れるわけではない

下記の資料5は2ページに渡る表ですが、1ページ目だけを参照しているようでした。
1ページ目だけであれば、正解です。
「193ページ」という回答でしたが、正しくは「194ページ」でした。
また、正しい回答は2ページ目にありました(195ページの米国:696,727)。


あなた
資料5 日本人海外旅行者の国・地域別訪問者数の推移(受入国(地域)統計)
の表は2ページで構成されています。
2020年に地域別訪問者数が一番多い国はどこですか? 参照元のページ数も教えてください。

ChatGPT
2020年に日本人海外旅行者の国・地域別訪問者数が最も多かった国は「韓国」で、訪問者数は430,742人でした​​。この情報は資料5「日本人海外旅行者の国・地域別訪問者数の推移(受入国(地域)統計)」から得られ、参照元のページ数は193ページです。


また、以下のようなケースも。


あなた
資料6 都道府県別の延べ宿泊者数・宿泊施設の客室稼働率(2022年(令和4年)) を参照し、客室稼働率が高いトップ3の都道府県と、その客室稼働率を教えてください。

ChatGPT
2022年の都道府県別客室稼働率でトップ3の都道府県は以下の通りです​​:

  1. 山口県: 56.5%

  2. 青森県: 53.7%

  3. 島根県: 53.1%

これらの都道府県は、2022年(令和4年)における客室稼働率が高いトップ3となっています。


こちらの表は1ページで収まっていますが、正解は以下でした。

  1. 山口県: 56.5%

  2. 埼玉県: 54.5%

  3. 青森県: 53.7%

(島根県の53.1%は4番目でした)

プロンプトの工夫によって改善される感触も得ました。
ChatGPTの進化と合わされば、今後かなり使えるツールになると考えています。

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