もう、いらないのです。なにも。そう、なにも。だからお願い…

 わたしだって天才に憧れた。天才になれると思ってた。だってみんなと考え方も感じ方もずっと違っていたから。きっと特別なんだと思っていた。そうやって信じきっていた。
 この世のくだらない事象全てがわたしを認めて、わたしがわたしを好きになれるその日が来ることを考えていたし、そうなると思っていた。いつかのまま愛され続けると思っていた。
 けれど結末はどうだ?結末すら迎えられずにいるではないか。自分で敷いたくだらないレールの上を怯えながら渡り、脱線すれば自暴自棄になり、他者へ再生を望む。それで、何が天才になりたいだ。そんな中途半端な肉塊が…図々しい。地獄を見ただとほざくが、それだって本物か?ただの妄想ではないか?そもそも、そのもの自体誰の記憶だ?正真正銘紛れもなくお前のものだと言えるのか?虚像の中、ただのうのうと、ひどく長い時間を過ごしてきてしまったようだ。

 時折現れる女々しいわたしは一体誰なんだろう。一つの言葉でひどく傷ついてしまう。弱い、よわい、ヨワイ、よわい……。吐息のように小さな声で「無表情だと言われても、私だって人間なんです。あやかりたい時だって、縋りたい時だってあります。大きな恐怖心やフラッシュバックに苦しめられる人生なんて望んではいないのです。誰か、助けて欲しいんです。」そういうあなたは誰なのかしら。空虚にぶら下がるほど何かを失ったわけでもないくせに、何を偉そうに述べているの?私はわたしを切り捨てて先の未来だけを奪っていくわ

 プラスチックの心で得た喜びはどこに行き渡っていくのか。愛されても愛されても何も感じることはないじゃない。その愛は誰のために振り撒かれたものなのかわかっているの?誰があなたのために送った愛なのかわかっているの?だからあなたは出来損ないにしかなれない不良品でしかない。もう救い用がないのよ、壊れたあなたには。

終焉を待つか、自死を望むか、選択肢はふたつにひたつ。さぁ、あなたは?