ひとつにはなれない

息を吸っているうちに夏を迎え受け入れ、息を吐く頃には八月が通り過ぎて、鋭い陽射したちは大きく手を振っていた
空白が胃を腸を肺を心を蝕んでいくのを感じていたが不思議と痛みはない
その感覚に怯えて生きていることは紛れもない事実だった
本当のことを伝えているはずなのに嘘をついたような後悔に追われ、息が詰まり、吐き気を催す
短い期間でかなりやつれてしまったらしく、お気に入りの指輪のサイズが合わなくなってしまった
安物の指輪に願いをかけて救われる時をいつまでも待っているなんて偽物に笑われてしまうだろう
時間になればお腹が空くし、夜になれば眠くなる
何一つ変わることなく不規則ながらにリズムを刻み続けていく
慈愛を知らないことも、無機質でありたいと思うことも、愛することや愛されることを忘れたことも
全て引き連れて進んでゆく
今こうして誰の得にもならない乱雑な文章を並べていることがなによりも変わらないということを示している
瞬きをしている間に秋が過ぎ去り、冬を迎えるのだろう
体の隅々まで満ちるように大きく息を吸った