「フィッシュマンズ」
わたしの好きな人は、みんなフィッシュマンズが好きだ。
ミュージシャンの福岡晃子さん、佐藤千亜妃さん、作家の西加奈子さんも、みんなフィッシュマンズの影響を受けている。
世代だからというのもあるんだろうけど、好きなアーティストの記事を読んでいると、みんな口を揃えて、同じ名前を出す。
インタビューでも、レビューでも、ブログでも。もう私、仕組まれてるのかな?なんて思うほどに。
不思議なことに、いつも最後に辿りつくのは、「フィッシュマンズ」だった。
ああ、またフィッシュマンズだ!という夜を何度か繰り返しては、気付いたらライブ映像をよく見るようになっていた。
そんなわけで、「好きなひとが聴いているから」という単純な理由で聴きはじめたフィッシュマンズ。
10代の頃は、ただただ、心地良くて聴いていたけれど、歳を重ねれば重ねるほど、自分の心にフィットするから不思議だ。
眠れない夜に、どうしようもない、救いようのない夜に。フィッシュマンズは丁度良い絶望の海を漂わせてくれる。
夜の隙間にするりと落ちてしまったときに、唯一その中を泳がせてくれる存在、それが私にとってのフィッシュマンズだ。
佐藤さん。私が物心ついた頃には、もう会えない人になっていた。
一生会えない人の歌を聴くというのは不思議なもので、それでも、曲を聴いていると佐藤さんがすぐそこにいるような気がする。
今も、そこで息をして、歌っているような気がする。
でも、きっとこれは、佐藤さんに会ったことがないから言える言葉なのだと思う。
佐藤さんが生きていたら、今頃、どんな表情で、何を想って歌っていたのでしょうか。
フィッシュマンズは夏の夜がよく似合う。
途方もなく、暗いけれど、明るい。
夏の夜をゆらゆら漂っているみたいな、
そんな、フィッシュマンズの、歌が好きだ。
"悲しい時に 浮かぶのは いつでも君の 顔だったよ
悲しい時に 笑うのは いつでも君の ことだったよ"
今日も君のことを思い浮かべながら、
たくさんの人がこの曲を聴くんだろう。
色褪せない「君」がいる限りは、
ずっと思い出を重ねたまんま、
この歌を口ずさむんだろうな。
"素敵な君はBaby いかれた僕のBaby "
ひとりぼっちで夏の夜の真ん中を泳ぐ。
そんなときは、フィッシュマンズがいてくれて良かったと、心から思う。
side note
フィッシュマンズと私のこと。短い文ですが、つらつらと、思うままに書きました。
みんなにとって、フィシュマンズはどんな存在でしょうか。そして、どんな思い出がありますか。聞かせてくれたら嬉しいです。
(コメントでも何でもウェルカムです。ゆるりと待ってます。)
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