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海底に住む変な生き物

アカグツは、アンコウ目アカグツ科に属する海水魚で、東北地方から鹿児島湾の日本各地、東シナ海、南シナ海、インド洋に分布する。全長は30センチ余りで、50~500メートルの海底に生息し、ヒレを使って歩くように移動する。両眼の間のくぼみには獲物を誘引する擬餌状体があり、ルアーのような役割をする。名前の由来は、「アカ(赤)+クク(カエルの古語)」からの転訛といわれる。

オニイソメ(bobbit worm)は、環形動物門多毛綱遊在目イソメ科に属する海産動物で、本州中部以南、西太平洋、インド洋、大西洋に分布する。体長は大きなもので1.5メートル、体幅は約3センチになる。海底に長い体を隠して5本の感触手を広げ、獲物を感知すると攻撃する。大きく強力なアゴを持ち、俊敏な動きで魚やタコなどに飛びかかり土の中へと引きずり込む。神経毒を持ついわれ、生態はよく分かっていない。

ジャイアントチューブワーム(giant tube worms)は、アメリカのウッズホール海洋研究所が運用している潜水調査船アルビン号が、1977~1979年に行ったガラパゴス地溝帯の調査で発見した。棲管をつくってその中にすむ有鬚動物の巨大種で、ガラパゴス諸島近海の水深約2500メートルに生息する。ワームのコロニーは、深海底の硫黄を含んだ熱水が流れ出る場所で繁殖する。ワームは捕食せず、体内に住み硫黄をエネルギーに変換するバクテリアから栄養を得る。腹を空かせたカニなどが近づくと、エラをチューブにすばやく引っ込める。火山活動の変化で熱水が出なくなるとワームのコロニーは死滅するが、受精卵が成長し浮遊幼生となり新たな熱水噴出孔に定着して繁殖する。成長は非常に早く、1年半で約1メートルの長さに達する。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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