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80歳以上のほぼ100%が白内障

2022年9月19日、上皇さまが東京・文京区の東京大学医学部付属病院で左眼の白内障の手術を受けられた。25日には、右眼の白内障と緑内障の手術を受けられる。

白内障は、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気で、その手術は、水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、眼内レンズを入れるという方法で行われる。眼内レンズは直径6ミリ程で、目の中でレンズを固定するためのループが付いているものやプレート形状のものがある。眼内レンズは水晶体のように、全てのものにピントを合わせられるわけではなく、生活スタイルに適したピントの距離のものを選ぶことが必要。レンズには、遠方・中間・近方のどこか一つにピントを合わせた「単焦点眼内レンズ」や、遠方から中間または近方まで広い範囲にピントが合わせられる「多焦点眼内レンズ」、白内障を治療するとともに乱視を軽減できる「トーリック眼内レンズ」などがある。多焦点眼内レンズでは、光の回りに輪が見える「ハロー」や光をまぶしく感じる「グレア」など、レンズ特有の不快な自覚症状が出ることもある。白内障手術の単焦点眼内レンズには健康保険が適用されるが、多焦点眼内レンズのほとんどは適用外(2019年4月から低加入の多焦点眼内レンズの一部で適用)。そのため、使用するレンズの種類や手術を受ける医療機関によって費用は異なる。

眼内レンズのメーカーには、エイエムオー・ジャパン(米国Johnson & Johnson Surgical Vision, Inc.の日本法人)、興和、参天製薬、スター・ジャパン(米国スターサージカル社が100%出資)、ニデック、日本アルコン(アルコン・インコーポレーテッドの日本法人)、HOYAなどがある(50音順)。千葉県に本社がある医療機器メーカー「スター・ジャパン」は、全国の複数の眼科医と、この会社のレンズを使った白内障手術の動画を作成する契約を結び、動画の提供を受けたうえで現金を支払っていた。医療機器業公正取引協議会は、手術の動画は会社が医師に現金を提供するための名目で、実際には景品表示法に基づく自主規制ルールで禁じられた販売促進が目的だったと判断し、2022年7月13日に会社を最も重い「厳重警告」とした。手術の動画には患者の個人情報が含まれている可能性があるため、国の個人情報保護委員会も病院側の管理体制などについて調査を進めている。

※ 見出し画像にはPixabayのフリー素材を利用しています。

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