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貝がらおじさんを想う



貝がらおじさんとは

みなさんは「貝がらおじさん」という方をご存じだろうか。
筆者が小学生時代(1990年代)に全国各地の小学校を回り収集した貝がらを子供たちに見せて講演を行っていた方で30余年経った今でも当時の事は覚えている。
しかし御本人は公式HPなど作っていなかったようで2023年の今、かつての活躍を振り返ろうにもネット上には情報が断片的にしか存在せず纏めたサイトも存在しない。
私のように当時を思い出してネットで検索してきた方の為に彼の情報を分かる範囲で纏めてみる事にした。

貝がらおじさんの経歴

・MANAしんぶん 浜に生きる 15

・熊谷デジタルミュージアム 
 広報こうなん 平成6年 1月号(251号)

上記サイトより引用させていただくと「貝がらおじさん」こと清水寛枝氏は昭和6年生まれで海上保安大学校卒業後、海上保安庁職員として全国に赴任。沖縄に8年間勤務した際に美しい貝殻とふれあい貝収集を始めた。
いつから「貝がらおじさん」として活動を始めたかは不明だが沖縄勤務時代から県内の小学校を訪ねていたようで、定年退職後は全国で活動し始めるようになったとのこと。

貝がらおじさんの実績


200か所、13万人以上の子供たちと触れ合っていたと書かれているがネット上での記録は非常に少なくネット上で確認できる範囲では

・2007年8月18、19日 公益財団法人日本文化藝術財団 主催
 「杜の中の伝統文化祭 ーぜ~んぶ体験、粋と雅でつかむ夏ー」

・エコプラザ西東京 夏休み自由研究2011
 エコエコ第23号(2011年8月10日)

程度であり2011年のエコプラザ西東京の講座以降は活動している記録は確認できない。

その後

・カレンド沖縄 新収蔵品展―平成27年度収蔵資料―

最後に確認できた講座から5年後、沖縄県立博物館・美術館へ
「膨大な数の貝類をはじめとした海の生物の標本(清水寛枝氏寄贈)」が寄贈されたとの記述が認められる。姓名一致しており寄贈物が貝である事を考えると清水氏本人の可能性は高い。

南の島の貝殻博物館

また氏は「南の島の貝殻博物館」という博物館を西東京市の自宅に開館していたようで当該住所に2015年のストリートビューでは看板が認められる

しかし2018年以降のストリートビューでは看板は確認できず2022年12月のストリートビューでは建物自体が無くなり一軒家が新たに建てられている

まとめ

推測になるが「貝がらおじさん」としての活動は2010年代前半に終了、2016年に博物館へ自身の収蔵品の多くを寄贈し看板を下ろし仕事として一区切りしたのだと思う。

多くの子供たちに貝の美しさ、自然の大切さを説いた氏の功績が語られぬまま消えていくのはあまりに惜しい。
私のようにかつて話を聞いた子供たちの心に氏の記憶が残っていることを願ってやまない。

(了)



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