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2024/5/29「ネタニホンイチ決定戦」

だいぶ遅くなってしまいましたが、5月29日に開催された「ネタニホンイチ決定戦」のライブレポートです。

こちらのライブは、2分ネタと4分ネタの計2本のネタで競うバトルライブ。審査するのは会場のお客様。お客様には「100点満点」で審査をしていただきました。当日はプレミア観覧ゲストの香衣さんを含む計9名のお客様に審査をいただきました。ちなみに男女比は男性7・女性2でした。

この男女比だけを受けて結果を見ると、なんとなく女性芸人有利だったのかなと勘ぐってしまいそうですが、集計を担当した私(作家・フジヤマ)の肌感覚としては、皆様非常に公正に審査していただいたという印象です。

バトル開始前に、お客様には以下のことを伝えさせていただきました。

・得点の内訳は完全公開します(誰が何点を入れたまでは追及されません)
・別に贔屓の方に100点で、その他に0点でもかまいませんし、点差をつけずに全員100点でもかまいません。お好きなように採点してください

これを言ったから公正に審査をしていただいたのか、あるいはハナから公正に芸人さんを観てくださっているお客様だったのか、それは量れませんが、とにかく真摯に採点をしていただいたことに感謝をいたします。

なぜ100点満点にしたのか、あるいは、実は今回あらかわ☆お笑い河川敷プロジェクト6年目にして初の完全お客様審査だったのですが、なぜそうしたのか、なども書こうと思っていたのですが、それを書いていると長くなりそうだったので、それはまた何かの機会のときに。

それではさっそく、すでに当日順位と総合点数は発表しておりますが、その内訳を含んだ結果をご覧いただきます。

※なお内訳の点数は左から得点の高い順に並べているため、例えば一番左が全て同じお客様の採点なわけではありません

<1本目(2分ネタ)>
①アベナナミ 728点(92/90/88/85/85/80/75/68/65)
②つめたいごはん 711点(97/92/85/80/80/80/75/62/60)
③マミモンシンテターゼ 810点(100/100/98/94/90/85/85/80/78)
④瑞香理保 773点(99/93/90/90/90/85/85/75/66)
⑤ナトゥメ・リサ 706点(95/90/90/85/80/75/72/60/59)
⑥じょっくす。 751点(97/92/85/85/85/81/80/76/70)
⑦秘密結社ポー 708点(96/95/89/85/80/80/70/63/50)
⑧でぃ 700点(92/90/90/80/80/77/70/61/60)

<2本目(4分ネタ)>
⑨でぃ 712点(92/90/80/80/80/80/75/70/65)
⑩秘密結社ポー 714点(99/95/90/80/80/75/75/70/50)
⑪じょっくす。 731点(96/86/85/80/80/80/78/76/70)
⑫ナトゥメ・リサ 707点(95/90/88/81/80/80/70/70/53)
⑬瑞香理保 781点(100/97/93/90/90/85/80/75/71)
⑭マミモンシンテターゼ 775点(100/100/93/90/85/80/80/75/72)
⑮つめたいごはん 788点(100/100/100/92/85/85/85/71/70)
⑯アベナナミ 810点(100/100/95/95/90/81/80/74)

<合計>
優勝 1585点 マミモンシンテターゼ
2位 1554点 瑞香理保
3位 1538点 アベナナミ
4位 1499点 つめたいごはん
5位 1482点 じょっくす。
6位 1422点 秘密結社ポー
7位 1413点 ナトゥメ・リサ
8位 1412点 でぃ

ということで、見事「ニホンイチ」に輝かれたのはマミモンシンテターゼさんでした。
マミモンさんはあらかわのライブでは好成績をおさめられていましたが、1位になったのは今回が初めてだったと記憶しています。
これがマミモンさん時代の到来を告げるのか、今後が楽しみです。
採点を見ると、1本目唯一の100点を獲得したのはマミモンさんでした。
一方で2本目は4分ネタだったということもあってか、ネタの奥行も出せるということもあって、100点満点が多くでました。
特につめたいごはんさんは3名の審査員から100点満点をゲット。
そして当たり前といえば当たり前ですが、最高得点が高く、最低得点との開きの無い方が上位に来たという印象です。

ちなみに各審査員ごとの最高点は、
・1人目 マミモンシンテターゼ 1本目 85点
・2人目 アベナナミ 2本目 95点
・3人目 アベナナミ 2本目 90点
・4人目 じょっくす。1本目、つめたいごはん2本目 85点
・5人目 つめたいごはん 2本目 100点
・6人目 マミモン1本目、マミモン2本目、つめたいごはん2本目、アベナナミ2本目 100点
・7人目 アベナナミ 2本目 95点
・8人目 マミモン1本目、瑞香理保2本目、つめたいごはん2本目、アベナナミ2本目 100点
・9人目 マミモンシンテターゼ 1本目 85点

それぞれに最高点も違えば点差の付け方も違いますが、特定の人に偏った点数をつけてらっしゃる方はいなかったという認識です。
改めて審査にご協力いただいたお客様、ありがとうございました。






と、ここから先は上記の採点の中には含まれていませんが、今回仮に同点になったときのために、作家の私(フジヤマ)も採点をさせていただいておりました。
一応プロ作家の端くれの点数とその理由を下記に載せておきます。
興味のある方だけご覧ください。



※ちなみに私の採点の方法としては、賞レース1回戦を突破できるであろうレベルを80点とおいて、それを基準に採点しています。もちろん最終的には好みの問題にはなってきますが、かなり客観的に「賞レースだったらこのくらいの点数」という点数の付け方をしています。

①⑯アベナナミさん 1本目 82点、2本目 88点
あらかわのバトルライブでは常に上位に食い込んでくるアベナナミさん。
この芸歴の芸人さんの中では非常に安定感のある一人コント師という印象です。
今回のネタは2本ともアベナナミさんの中では勝負ネタの候補に入ってくるネタだったかと思います。何度もあらかわのライブで披露いただいているネタで、見るたびにマイナーチェンジがされていて磨かれているネタです。
今回も非常に良かったのですが、わかりやすくつっかえるところがあったりもしたので、必ずしもベストパフォーマンスではなかったと思います。
もしこれがベストパフォーマンスであれば1本目なら85点、2本目なら90点をつけても良かったと思いますが、その点で2~3点を減点しました。
それでも十分に賞レースで戦えるネタだと思うので、今後のさらなる進化に期待をしています。

②⑮つめたいごはんさん 1本目 84点、2本目 87点
あらかわのライブには久々の登場になりますが、昨年2回開催した若手バトル「発掘☆ニュートライブ」にて2回とも優勝した実力の持ち主。
また今年の芸歴5年以下の大会・UNDER5AWARDでも3回戦まで進まれており、期待値の高い男女漫才コンビです。
1本目のネタは昨年のバトルの際も良く見ていた男性のコミネさんのツッコミが特徴的なネタ。パッケージもしっかりしていて安定感のある漫才でした。
2本目は今年UNDER5AWARDの2回戦でたまたま観たネタと同じネタでした。その時は激重の会場の中で唯一と言っていいほどの爆笑をかっさらっていたネタ。その印象が強く残っていたので、今回はその時ほどお客様を巻き込んでの笑いにはなっていなかったですが、それでも非常に面白く、かつこのコンビの関係性が色濃く出ており、独創性もあったので、高い点数をつけました。
今年のM-1でも期待したいコンビです。

③⑭マミモンシンテターゼさん 1本目 85点、2本目 86点
今回優勝したマミモンシンテターゼさん。私も高い点数をつけていました。
お客様と点数の乖離がなくてホッとしております。
あらかわの各ライブでもたくさんのネタを披露されているマミモンさん。
今回も初見のネタ2本でしたが、どちらもマミモンさんの人(ニン)が出ていて、且つ、起爆剤的なキーワードがあるネタで、正直なところ安定感でいえば、前のアベナナミさん、つめたいごはんさんのほうが上だったかと思いますが、今回唯一爆発を起こしたのはマミモンさんだったと思うので、そこを評価し、1本目は前の2組よりも高い点数をつけました。2本目は結果、出番順が後ろのつめたいごはんさん、アベナナミさんよりは低かったですが、披露の時点では最高の一つ頭が抜けた86点をつけさせていただきました。
あとはこの粗削りながら魅力のあるネタを今後どう仕上げていくか。その仕上げ方次第で、90点、そして100点に近づくネタになることを期待しています。

④⑬瑞香理保さん 1本目 83点、2本目 83点
こちらもあらかわでは常連の瑞香理保さん。今回のネタも瑞香さんの勝負ネタになりうる2本を披露いただきました。何度も観たことあるネタですがいいネタは何度見ても面白いですし、何度見ても期待感やワクワクがあります。以前はその独特の世界観が前面に出てた気がしますが、今はもちろんその世界観はそのままに、しっかりプロの技術が見えてくる内容になっていると思います。それがいい場合もあれば悪い場合もあるので、このワクワク感と安定感の配合がこれからの課題になってくると思いますが、ぜひ乗り越えてもう1ステージに上に行っていただきたいと期待しています。

⑤⑫ナトゥメ・リサさん 1本目 76点、2本目 78点
今回はあらかわのライブで好成績を獲得した方が集まるライブでしたが、そんな中でもう少し未知数の要素も欲しいと、一般参加を募集したところ応募いただいたのがこのナトゥメ・リサさんでした。松竹の現役養成所生ということで、その実力は計り知れなかったのですが、この強力なメンツの中でも、見劣りすることなく堂々と2本のコントを披露されていたのが印象的でした。特に2本目は、キャリアが浅い方の4分ネタは見てられないことが多いのですが、むしろ2分ネタよりも仕上がっていて、とても良かったと思います。
さすがに他の方も強かったですし、設定もやや既視感のある内容だったので、点数は低めでしたが、経歴だけで見ると50点、60点になってしまうかなと思っていたところ、そこまで下がらずに76点、78点で維持できたのは力がある証拠だと思います。またぜひあらかわのライブに出演いただきたいと思います。

⑥⑪じょっくす。さん 1本目 79点、2本目 78点
このところメキメキと力をつけているじょっくす。さん。ただ本人はその自覚があるかどうかは不明です。客観的に見ると伝え方も非常に上手になっていますし、じょっくす。さんの人(ニン)とネタがリンクするようになり、一目見て伝わりやすいネタになっている印象です。
じょっくす。さんもマミモンさんに負けじとネタを量産するタイプの芸人さんで、非常に良いネタも多々あるのですが、この日はややお客様とスイングしていなかった印象で、私自身もそれと比べるとちょっと評価が低めになってしまいました。ただ明らかにヒットを打つ打率が上がってきているので、マミモンさん同様、それがどう仕上がるかで、一気に駆け上がっていく素養はあると思います。これからのじょっくす。さんに注目です。

⑦⑩秘密結社ポーさん 1本目 78点、2本目 79点
結成歴はまだ浅い漫才コンビですが、すでに何年もやっているかのような息の合い方で非常に良いコントラストのコンビです。ネタの内容もシュールな雰囲気も持ちつつ、ワードの切れ味もあり、昼のKASENJIKI☆サンライズではこのところ常に上位入賞、各賞レースでの活躍も期待されますが、この日は本人たちもネタを飛ばしたところがあったといっていましたが、ややベストパフォーマンスとは遠い出来だった感じで点数は伸びませんでした。
世界観のあるコンビなので、漫才といえど、パフォーマンスの出来不出来が左右してしまうこともあるので、舞台数を踏んで、安定したパフォーマンスが出せるようになれば、さらに上を目指せるコンビだと思います。引き続き期待をしています。

⑧⑨でぃさん 1本目 77点、2本目 85点
昨年は25歳以下の大会・UNDER25でファイナリストになるなど、実績も高いでぃさん。今までいそうでいなかったキャラクターで、しかも愛されるキャラクターなので、ネタと共にキャラクターが浸透していけば、すさまじく高いところまでいけそうなポテンシャルを持っている芸人さんのような気がします。今回はあらかわのライブによく出ていただいているとはいえ、初見のお客様も多かったのか、キャラクターが十分に伝わりきっていなかったのかなという気がします。もちろんそこは課題でもあるのかもしれませんが、こちらはじょっくす。さんとは逆で、伝わりやすくなるよりも、その世界観に引き込んで欲しい感じがして、このままで行ってほしいというのが個人的な期待です。あくまで個人的です。
あと「おいしぃ~」という誰でも発することができる言葉をギャグにできる稀有な存在だと思うので、そこも浸透して欲しいところです。
2本目はオチでこの「おいしぃ~」が出てきたところでついつい3点足しました。1本目でさんざんフリがあっての2本目のオチだったので、本来は足すべきでなかったのかもしれませんが、今回は「ニホンイチ」だったのでこれも良かったのかと思います。


すいません、私見をつらつらと並べてしまいました。
本来は有料でネタ見せをやっている手前、あまりこういうのは書かないようにしているのですが、今回は出場いただいた皆様に敬意を表して書かせていただきました。
優勝したマミモンさんをはじめ、皆さんこれからもあらかわのライブにたくさん出ていただきたいと思っているので、今後ともよろしくお願いいたします。
そしてぜひ彼ら彼女らを観に、ライブに足を運んでください。

そしてMCを担当いただいた大吟嬢さん、ひょろしさん、プレミア観覧ゲストの香衣さんも、ありがとうございました!

あらかわ☆お笑い河川敷プロジェクト作家 フジヤマ

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