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すずめの戸締まり 最後の戸締まり上映を見た(3回目)

※映画「すずめの戸締まり」のネタバレを含みます



最後の戸締まり上映ってなんだよ追加パッチかよ

 「リテイクカットってなんだよ!」
 寝耳に水だった。すっかり見て感じて考えた気になっていた。天気の子の時に、誤って雲レイヤーを表示していないファイルを納品してしまい当時の上映作品と円盤化している作品で映像が違うっていう珍事があったけど(雲なし版を劇場で見れたことは誇らしい)、開き直ってリテイク版を上映するなんて。Steamのゲームじゃないんだぞ。そんなの見に行くだろ!

要石にされた草太さんがいた浜辺

 草太さん(イスのすがた)が眠りに落ちる時に垣間見る浜辺のシーンが謎だった。白骨化した人ではない躯の列は過去、要石とされた人柱よろしく獣柱だったのではないか?
 草太さんの座っている位置が先頭なのでここまではなんとなくわかっていた。では、なぜ浜辺なのか?もしかすると彼岸と此岸の比喩なのではないか。君の名は。でも天気の子でも、今作でもあの世とこの世の話が出てきている。常世と景色が違うのは要石の心象風景だからだろうか。ともかく要石の素になった者らはこの世ではないが常世ではない場所に行ってしまうのだろう。
 逆に、常世は死者の世界ではあってもあの世ではないのかもしれない。劇中に出てくる世界は現世と常世と彼岸(仮)の3種類あって、それぞれを繋ぐ扉の鍵を持つのが閉じ師の家系なのかもしれない。これについては今後も考えてみると面白そうだ。

羊朗と顔見知りのサダイジン

 3.11の12年後の世界が映画の舞台なわけだが、草太さんが閉じ師として祖父に稽古を付けられたのはこの間だろう。震災時には草太さんではなく、祖父の宗像羊朗さんと、もしかすると草太さんの父が閉じ師だったのかもしれない。劇中では羊朗さんは片腕を失って入院しているが、なぜかサダイジンと面識があるような口ぶりに疑問を感じていた。3回目の観劇にして1つの仮説が立ったので、忘れないうちに書き留めておく。
 いくら高齢の羊朗とはいえ現在のサダイジンを最初に突き立てる場に居合わせたとは考えにくい。「何十年かけて神を宿す要石となり」と言っていたと思うので、神と化すまでに何十年、そこからミミズを封印するのは百年単位なんじゃなかろうか。
 では、羊朗とサダイジンはいつ出会ったのか。これは恐らく3.11の際に、東の要石であるサダイジンが抜けた、とは考えられないだろうか?そしてサダイジンを再び突き立てた閉じ師が羊朗であり、その際に何らかのやり取りがあって面識が生じ、しかも近々封印が解けてしまうということも聞いていたのだろう。羊朗とサダイジンのやり取りはそんなことがあったように感じた。

雑記

 例によって書籍などは買い集めてはいるものの、すべてに目を通してはおらずあくまで映画から得た情報のみで考察している。なんか、特典映像とか書籍とか全部消化してしまうと、この作品が完結して過去のものになってしまいそうで、怖くて消化できていない。そのせいで君の名は。の初回特典版もまだ未開封でとってある始末だ。
 いつか必ずすべての媒体に眼を通すつもりだが、せっかくの3部作構成なので、それはすずめの戸締まりの円盤が発売された時にまとめて観ようと思う。頼む会社、まとまった休みをくれ。

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