尊 エピソード
おっす!おら尊!
今日は車券じゃなくてちょっと自分語り。
俺はパチスロ、競馬、競艇、麻雀、裏カジノにバカラ、闇スロに仲間内で金を奪い合うカブにジュンジュン...とにかく金を賭けてねぇと血液が流れねぇんじゃねぇかと言うくらい博打にのめり込む人生だった。
25才くらいまでは職をころころ変えつつ博打と女で借金を積み重ねた。
最終的には博打で一発どでかいの当てるか親父に尻をふいてもらえば良いと思ってた。
デフォルトするって手段も屑な俺には充分だった。
支払いがにっちもさっちも行かなくなったある日突然、親父からしつこく何度も電話がかかってきた。どうやら借金の督促状が実家に出回ったみたいだ。
こっぴどく説教を垂れられると思って実家に帰ったら親父は博打か?それとも女か?と聞いてきた。
俺は親父とは仲が良かったから風俗やキャバクラにもよく一緒に行ったなんとも奇妙な親子だ。
競輪にもよく一緒に行ったが俺にはいまいち楽しさが理解できなかった。
俺は正直に両方と答えたら親父はなぜか笑っていた。
結局、借金はなんだかんだと総額400万円くらいを親父が建替えてくれた。
債務が真っ白になった俺はそれからも反省する事なく博打と女でちまちまと借金を積み重ねた。
多少返済が遅れてても最終的に返済してるなら貸してくれる所なんていくらでもある。究極を言えばデフォルトしてたって法定金利内で貸してくれる業者だってそれなりにある。
流石に今度はそれなりに上手くやりくりはした。たまに親父と風俗に行ったりキャバクラに行ったりしながらダラダラと20代後半を過ごした。
ある日親父が、それに期待しておけと妙な手紙にパソコン1台を送ってきた。
よくよく親父に確認すると日本円換算で200万円ほどのビットコインが入ったウォレットがそのパソコンにインストールされていた。
今日現在のビットコイン価格は約180万円前後をで推移している。因みに今年の3月のコロナショックの大暴落の時は一時40万円を切った。
当時のビットコイン価格はまだ数万円程度の時代でなんなのかさっぱりわからなかった俺は売り飛ばしてやろうかと考えつつもいつしかその存在を忘れていった俺はそのパソコンにはエロ鑑賞用としての認識しかなくなっていた
何年かたってたからビットコインがメディアで多少取り上げられるようになった頃、俺はビットコインの存在を思い出した。親父はある程度、値段の推移は知ってたそうだが俺がすぐに売ってしまうと思って黙っていたらしい。
ビットコインはとんでもない急騰と暴落を繰り返して成長していた。親父に貰ったパソコンのウォレットはそれなりに豪華な新築一戸建てが買えるくらいまで育っていた。
仮想通貨の含み益の税金は馬鹿みたいに高くて最大で45%。この落とし穴にはまった人間は少なからずいてるはず。厳密に言えばビットコインを日本円に変えたり他の仮想通貨に変えた時点で税金が発生すると言う摩訶不思議な世界。
平気で100分の1以下の値段になる仮想通貨もあったからそれでいて税金だけは発生してたなら恐ろしい話だ。
今となっては俺には全く関係のない事なんだけどな。
やっぱり金を持ってしまうと多少なりとも人は変わってしまう。
俺みたいに金融リテラシーの低い奴が金を持つと特にそうだ。
今思えば大事なのは収入じゃなく支出管理。
年収1000万円の人が毎月50万円の生活をしていたならその生活を維持するのに絶対に仕事は辞められない。
年収200万円に満たないでベーシックインカムの金額に相当する月8万円程度の生活ならどうだろう?
仕事なんて選びたい放題変え放題でもなんとか生きていけるんじゃないかって思う。
まぁ独身だったらの話だな。
生涯独身のつもりで毎月8万円程度の生活してるなら8万円の権利収入さえ作ってしまえば就業のラットレースからも抜け出せるんだ。
話がそれたけどビットコインが一発当たった俺は地位こそなかったものの飲む打つ買うのに苦労しなくなった。金がなくなれば親父がいると思ってた。
そんな生活を続けているとなにか物足りなくなってくる。
親、兄弟、嫁、子供、彼氏、彼女、犬、猫なんなり。
いて当たり前だと思っている頃には気づかない幸せ。
いなくなって初めて気付く大切さ。
あの頃は幸せだったなぁって思うんだ。
その頃には全く気付いてないのによく似てる。
人間ってのは現状に満足できないようになっているのかな。
金に困らなくなったこの頃には親父からは少し距離を置いていた。
そして飲む打つ買うで満足できなくなった俺は薬物に走った。
それも次第に刺激が足りなくなってどんどんエスカレートしていく泥沼地獄。
もともと心臓が少し弱かったのもあるのかもしれない。
南米のどこかもよくわからない街で俺は薬物中毒で死んじまった。
今日までなんとなく気付いてた人はもしかしたら気付いてたかもだけど俺は脳内再生されてこうして生きている。
誹謗中傷の激しい世の中だ。
俺の親父が誰なのかは敢えて伏せておくよ。
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