宮森健伍の誤解帳

主に上方の芸事を見物した時のことのメモ、雑記を記しております。その、御開帳。あくまで誤…

宮森健伍の誤解帳

主に上方の芸事を見物した時のことのメモ、雑記を記しております。その、御開帳。あくまで誤解の。 一人電通ならぬ、一人ナタリーのつもり。 自分が5年後くらいに読み返す用ですが、少しでもお役に立てましたら。

記事一覧

〔道頓堀ミュージアム並木座〕での松浪流火曜会『千粋遠音近音シャンシャンらぼ』へ。

道頓堀に五座が無くなって久しいが、その記憶や意志を継ぐように、道頓堀にはちょくちょく劇場が出来る。 〔道頓堀ミュージアム並木座〕は、並木正三の名前から採った、劇…

端居猫「・・・。」と思ひけり

〔浅草見番〕での第3回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「男の花道」と芸談・随談を聴く。

昨年5月22日に開催された『神田松鯉のこのネタを聴きたい』。 その第3回にもお誘い頂けたので、大阪より参加。前日に台風が発生し、東海道新幹線が夜から翌朝、すなわち…

株式会社コテンゴテン主催・夏休み文楽特別公演関連企画『観劇とアフタートーク』にて、鶴澤友之助さん、桂吉坊さん、木ノ下裕一…

夏休み文楽特別公演の第一部は、親子劇場と銘打って、こども向けの作品を上演するので、おなじみ。株式会社コテンゴテンさんは、昨年立ち上げられた、古典芸能の講座をいろ…

〔浅草見番〕での第2回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「勧進帳」と芸談を聴く。

2019年9月に開催された、演芸作家の木積秀公さん企画の『神田松鯉のこのネタを聴きたい』。 その年の暮れ、第2回を来年5月27日に開催します、とまたお声掛け頂いた。今度…

〔ロームシアター京都〕でのシリーズ『舞台芸術としての伝統芸能 vol.3 人形浄瑠璃文楽』にて、「端模様夢路門松」「木下蔭狭間…

ロームシアター京都さんが、2017年度から始められたシリーズ公演、『舞台芸術としての伝統芸能』。「伝統芸能の継承と創造を目指す」として、vol.1は日本舞踊を、vol.2は能…

宗右衛門町〔菱富〕での『坂東竹三郎を囲む会』にて、竹三郎さんのお園のクドキを観る。

いつも精力的に、そして独特の企画をされている宮岡博英事務所さん。 以前から、坂東竹三郎さんの朗読や芸談を聞く会を開催されているのは、お送り頂いている案内やブログ…

2020年6月3日、動物園前〔動楽亭〕での『リハビリ落語会』へ。

2020年の3月末日以来、実に2ヶ月ぶりの、落語会。いや、生の舞台へ。 緊急事態宣言が解かれて、まず、映画館が再開、しかし、国立系統の劇場、また、歌舞伎座や宝塚など…

〔祇園 ない藤〕での『京を味わう東京土産-覚悟でござい-河鍋暁斎おまけ付き』シークレット企画「桂吉坊おもかげ落語会」へ。

日頃より、お世話になっている、桂吉坊さんから、ある日、連絡が来た。 「あなたの記録魔(褒めてます)を見込んで、イベントのお誘いが一件」 よくよくお尋ねしたら、〔祇…

〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』、八千代さんと祇園甲部の皆さんの…

さて。前回は、八千代さんの「老松」、芸妓・舞妓さんの「子年春 春日萬歳」「花笠」と、八千代さんによる井上流の歴史、祇園甲部との関わり方のお話。その、つづきです。 …

〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』にて、井上八千代さんと、祇園甲部…

ここ数年のうちに開催された、京舞井上流の公演を、よく観て来た方だと思う。その中で、今回の『京舞公演』は、一風変わっていた。 2020年2月9日、日曜日。JRで大阪から姫…

『べにの会』「常磐津」と「現代演劇」を結んで 〈第5回〉にて、常磐津「墨ぬり女」日本舞踊版と現代演劇版を観る。

関西伝統芸能女流振興会による、常磐津と現代演劇の融合を通じて、改めて、伝統芸能の面白さを解き明かしていく『べにの会』。道頓堀〔中座くいだおれビル〕地下にある〔ZA…

和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』、つづき。

去る1/11、残り福の日に開催された、『創作と落語』。前回は、太遊さんの落語2席と、大前さんの朗読「あたま山」、そして〔本屋プラグ〕ご店主進行による、創作にまつわる…

和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』へ。

和歌山市万町にある、〔本屋プラグ〕さん。ユニークなイベントを企画されている本屋さんとお名前はかねがねお聞きしていた。 今回訪れた催し、『創作と落語』は、ビブリオ…

千日前〔TORII HALL〕での『上方文化講座』「上方舞」最終回へ。

トリイホールさんが、大阪市の助成も受けてやってこられた、上方文化講座。 以前は確か、上方文化再生フォーラム、上方文化ルネサンスというシリーズだった。芸能や食文化…

〔恵文社 一乗寺店/COTTAGE〕での『「ぽかん」のつどい part2』、山田稔『門司の幼少時代』刊行記念トークショウ、おわり。

前回は、澤村潤一郎さんの山田稔的門司探訪、服部滋さんの山田稔を取り巻く文芸雑誌、の話。今回も、その延長線。 ただ、トークショーも一時間を越え、正直な話、メモ書き…

〔道頓堀ミュージアム並木座〕での松浪流火曜会『千粋遠音近音シャンシャンらぼ』へ。

〔道頓堀ミュージアム並木座〕での松浪流火曜会『千粋遠音近音シャンシャンらぼ』へ。

道頓堀に五座が無くなって久しいが、その記憶や意志を継ぐように、道頓堀にはちょくちょく劇場が出来る。
〔道頓堀ミュージアム並木座〕は、並木正三の名前から採った、劇場文化を今に伝える為のライブハウスのような劇場。

そこで、上方唄松浪流の方々が、毎月第3火曜日の昼2時半より、『松浪流火曜会』と題した演奏会を開催されている。

5/16、松竹座で新リーダー体制に入った松竹新喜劇を観てから、並木座へ。

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〔浅草見番〕での第3回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「男の花道」と芸談・随談を聴く。

〔浅草見番〕での第3回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「男の花道」と芸談・随談を聴く。

昨年5月22日に開催された『神田松鯉のこのネタを聴きたい』。

その第3回にもお誘い頂けたので、大阪より参加。前日に台風が発生し、東海道新幹線が夜から翌朝、すなわち開催日の当日正午まで運行中止に。9月23日、主催の木積秀公さんより、「明日ですけど大丈夫ですか、来れますか?」とご心配のメールを頂いた。運良くというか道楽で、国立劇場での初代国立劇場さよなら公演『舞踊名作集Ⅰ』の井上安寿子さんの「お七」

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株式会社コテンゴテン主催・夏休み文楽特別公演関連企画『観劇とアフタートーク』にて、鶴澤友之助さん、桂吉坊さん、木ノ下裕一さんによる「うつぼ猿」と「舌切雀」アフタートークを聴く。

株式会社コテンゴテン主催・夏休み文楽特別公演関連企画『観劇とアフタートーク』にて、鶴澤友之助さん、桂吉坊さん、木ノ下裕一さんによる「うつぼ猿」と「舌切雀」アフタートークを聴く。

夏休み文楽特別公演の第一部は、親子劇場と銘打って、こども向けの作品を上演するので、おなじみ。株式会社コテンゴテンさんは、昨年立ち上げられた、古典芸能の講座をいろいろと企画されている会社。

『観劇とアフタートーク』は、毎回文楽技芸員さんを招いて、一時間ほどのトークショー。

今回出演される技芸員の鶴澤友之助さん、そして桂吉坊さんは、以前にも、コテンゴテンさん企画の『ハナシの糸口』で共演されている。

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〔浅草見番〕での第2回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「勧進帳」と芸談を聴く。

〔浅草見番〕での第2回『神田松鯉のこのネタを聴きたい』にて、「勧進帳」と芸談を聴く。

2019年9月に開催された、演芸作家の木積秀公さん企画の『神田松鯉のこのネタを聴きたい』。

その年の暮れ、第2回を来年5月27日に開催します、とまたお声掛け頂いた。今度は、なんとリクエストした勧進帳。あら有難の大檀那と早速申し込む。神谷舞台にある能舞台でやりますから、お客さんもたくさん呼びます、と。「場所代がその分かかりますので、また、先生への御礼も皆さんから協力して頂きたく、ちょっと値上げしま

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〔ロームシアター京都〕でのシリーズ『舞台芸術としての伝統芸能 vol.3 人形浄瑠璃文楽』にて、「端模様夢路門松」「木下蔭狭間合戦 竹中砦の段」並びにディスカッションを聴く。

〔ロームシアター京都〕でのシリーズ『舞台芸術としての伝統芸能 vol.3 人形浄瑠璃文楽』にて、「端模様夢路門松」「木下蔭狭間合戦 竹中砦の段」並びにディスカッションを聴く。

ロームシアター京都さんが、2017年度から始められたシリーズ公演、『舞台芸術としての伝統芸能』。「伝統芸能の継承と創造を目指す」として、vol.1は日本舞踊を、vol.2は能楽を取上げて、毎年2月に開催されてきた。

2018年開催のvol.1『日本舞踊編』は、スーパーバイザーに尾上菊之丞さんを迎え、金剛龍謹さんの袴能「内外詣」、井上安寿子さんの京舞「珠取海女」、吾妻徳陽さんの歌舞伎舞踊「娘道成寺

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宗右衛門町〔菱富〕での『坂東竹三郎を囲む会』にて、竹三郎さんのお園のクドキを観る。

宗右衛門町〔菱富〕での『坂東竹三郎を囲む会』にて、竹三郎さんのお園のクドキを観る。

いつも精力的に、そして独特の企画をされている宮岡博英事務所さん。

以前から、坂東竹三郎さんの朗読や芸談を聞く会を開催されているのは、お送り頂いている案内やブログから存じ上げていた。今回の疫病騒動で、一月から舞台に立っていない竹三郎さんの為に立ち上がられた。

宗右衛門町の鰻屋〔菱富〕さんの二階御座敷で、「酒屋」のお園のクドキを、竹三郎さんが初役で挑戦される、とのこと。それにお話と、食事が付く。若

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2020年6月3日、動物園前〔動楽亭〕での『リハビリ落語会』へ。

2020年6月3日、動物園前〔動楽亭〕での『リハビリ落語会』へ。

2020年の3月末日以来、実に2ヶ月ぶりの、落語会。いや、生の舞台へ。

緊急事態宣言が解かれて、まず、映画館が再開、しかし、国立系統の劇場、また、歌舞伎座や宝塚などの大劇場はまだ再開の目途は立たず、来るお知らせは延期か中止ばかり。況やライブハウスをや。

そんな中、東京は新宿末廣亭と浅草演芸ホール、関西では此花千鳥亭と動楽亭がまず、入場者をだいぶと制限して6月1日より、営業再開しだした。

その

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〔祇園 ない藤〕での『京を味わう東京土産-覚悟でござい-河鍋暁斎おまけ付き』シークレット企画「桂吉坊おもかげ落語会」へ。

〔祇園 ない藤〕での『京を味わう東京土産-覚悟でござい-河鍋暁斎おまけ付き』シークレット企画「桂吉坊おもかげ落語会」へ。

日頃より、お世話になっている、桂吉坊さんから、ある日、連絡が来た。

「あなたの記録魔(褒めてます)を見込んで、イベントのお誘いが一件」

よくよくお尋ねしたら、〔祇園 ない藤〕さんで、お得意さまをご招待しての催しがある、と。河鍋暁斎の真筆を店内に展示し、その中で、落語会をします。
誰かの記憶に残しておいた方が良いのでは、と、数人に声を掛けています。「どんな事になるか、全くわかりません」。

その

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〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』、八千代さんと祇園甲部の皆さんの舞台、つづき。

〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』、八千代さんと祇園甲部の皆さんの舞台、つづき。

さて。前回は、八千代さんの「老松」、芸妓・舞妓さんの「子年春 春日萬歳」「花笠」と、八千代さんによる井上流の歴史、祇園甲部との関わり方のお話。その、つづきです。

八千代「老松は、おめでたい雰囲気を味わって頂きたいものです。子年春 春日萬歳を舞いました舞妓が持っていました扇は、子年に因みまして、また、令和最初の事始めで、おかがみのおうつり、お返しですね、その時に渡したものです。

べらべら喋ってお

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〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』にて、井上八千代さんと、祇園甲部の皆さんの舞台を観る。

〔たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール〕での『古典芸能 京舞 人間国宝井上八千代公演』にて、井上八千代さんと、祇園甲部の皆さんの舞台を観る。

ここ数年のうちに開催された、京舞井上流の公演を、よく観て来た方だと思う。その中で、今回の『京舞公演』は、一風変わっていた。

2020年2月9日、日曜日。JRで大阪から姫路、乗換えついでに、〔姫路文学館〕で『生誕120年記念 俳人永田耕衣展』へ。回顧展と、書画骨董の耕衣コレクションを展示。

禅のイメージがある耕衣、神像が人間の姿かたちに準えてあるのに、無類の興味を覚えていたそうな。晩年よく口にし

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『べにの会』「常磐津」と「現代演劇」を結んで 〈第5回〉にて、常磐津「墨ぬり女」日本舞踊版と現代演劇版を観る。

『べにの会』「常磐津」と「現代演劇」を結んで 〈第5回〉にて、常磐津「墨ぬり女」日本舞踊版と現代演劇版を観る。

関西伝統芸能女流振興会による、常磐津と現代演劇の融合を通じて、改めて、伝統芸能の面白さを解き明かしていく『べにの会』。道頓堀〔中座くいだおれビル〕地下にある〔ZAZA〕で、ポスターやチラシを見かけては、常磐津勉強したいな、行きたいな、と思っていた。やっと、いけた。会場の〔ZAZA POCKET`S〕は満員。夜七時、開演。

配られたプログラムによると、今日の副題は「日本舞踊の神秘の美しさを探る」と

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和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』、つづき。

和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』、つづき。

去る1/11、残り福の日に開催された、『創作と落語』。前回は、太遊さんの落語2席と、大前さんの朗読「あたま山」、そして〔本屋プラグ〕ご店主進行による、創作にまつわる座談会の様子、の途中まで。

今回は、そのつづき。

智丸さんの発言、「文学は、遠くに離れていける」が印象的でした。
そんな智丸さんは、落語家になる前に、詩集を出されています。

疋田龍乃介『歯車vs丙午』(思潮社

店主「大前さん、お

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和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』へ。

和歌山〔本屋プラグ〕さん企画、月亭太遊×大前粟生×笑福亭智丸『創作と落語』へ。

和歌山市万町にある、〔本屋プラグ〕さん。ユニークなイベントを企画されている本屋さんとお名前はかねがねお聞きしていた。
今回訪れた催し、『創作と落語』は、ビブリオバトルやシネリオバトル、一箱古本市、写真展、マンガ教室などが開催された、
『Yorozumachi Re:boot Culture』
の、一環の企画。創作"と"落語、物語りLIVE、がミソ。

会場は、本屋プラグさんのお向かいの、

〔旧有

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千日前〔TORII HALL〕での『上方文化講座』「上方舞」最終回へ。

千日前〔TORII HALL〕での『上方文化講座』「上方舞」最終回へ。

トリイホールさんが、大阪市の助成も受けてやってこられた、上方文化講座。
以前は確か、上方文化再生フォーラム、上方文化ルネサンスというシリーズだった。芸能や食文化を取り上げていた。肥田晧三先生の講座「ほんまもんの上方文化論」を聴きに行き、その知識量と熱量に圧倒された思い出がある。

そんな、名前を変えて続いた、このシリーズも、トリイホールさんの閉館により、今回で最終回。掉尾を飾るのは、

昼3時、開

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〔恵文社 一乗寺店/COTTAGE〕での『「ぽかん」のつどい part2』、山田稔『門司の幼少時代』刊行記念トークショウ、おわり。

〔恵文社 一乗寺店/COTTAGE〕での『「ぽかん」のつどい part2』、山田稔『門司の幼少時代』刊行記念トークショウ、おわり。

前回は、澤村潤一郎さんの山田稔的門司探訪、服部滋さんの山田稔を取り巻く文芸雑誌、の話。今回も、その延長線。
ただ、トークショーも一時間を越え、正直な話、メモ書きが乱れてきている。判読できるものだけ、記す。

話は、文芸雑誌あれこれから、澤村さん進行で『門司の幼少時代』のお話。

澤村「また、『門司の幼少時代』に戻りますが、先ほど、小説風への色気の話が出ましたが、『門司の幼少時代』も後半の文章になる

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