ポアソン過程からはじめるポアソン分布と指数分布
はじめに
ポアソン分布から指数分布を導くために
ポアソン過程を導入した方が実は簡単
ポアソン過程は実はそんなに難しくないので
ここから解説していく
※ 確率過程について全く知らない方は下記参照
ポアソン過程と二項分布
$${\lambda}$$を正の実数として単位時間での事象発生の強度とする
事象が発生する件数$${N_t}$$が以下の条件を満たすとき
パラメーター$${\lambda}$$のポアソン過程と定義することができる
$${ 0 \leq s < t \leq u < vのとき, N_t-N_s と N_v - N_u は独立 (独立増分性)}$$
$${微小時間で1回事象発生する確率 : P(N_{t + dt} - N_t = 1) = \lambda dt}$$
$${微小時間では2回以上事象発生しない: P(N_{t + dt} - N_t \geq 2) = 0}$$
以下の図を見るとイメージしやすい
横軸を時間とみなして
時間の間隔を限りなく小さい$${dt}$$に分割する
この時間間隔には
最大でも事象は1回しか発生しない
と言っているだけである
この間隔に事象の発生を1個か0個入れるようにデザインすると
その間隔に事象が起こるか起きないかの確率は二項分布に従う!
ポアソン分布の式導出
この微小区間の数(二項分布を行う試行の数)を$${n}$$とすると
事象の発生する回数が
$${N_t = k}$$個となるときの確率分布は
$$
\begin{aligned}
& P(N_t = k) \\{}\\
& = {}_{n}{}C_{k}(\frac{\lambda t}{n})^k (1 - \frac{\lambda t}{n})^{n - k} \\{}\\
& = \frac{n(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)}{k !} (\frac{\lambda t}{n})^k(1 - \frac{\lambda t}{n})^{n} (\frac{\lambda t}{n})^k(1 - \frac{\lambda t}{n})^{-k}
\\{}\\
& = \frac{n(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)}{n^k} \times \frac{(\lambda t)^k}{k !} \times (1 - \frac{\lambda t}{n})^{-k}
\times (1 - \frac{\lambda t}{n})^{\frac{-n}{\lambda t}\lambda t}
\\{}\\
& \rightarrow 1 \times \frac{(\lambda t)^k}{k !} \times 1 \times exp(-\lambda t) (n \rightarrow \infty)
\\{}\\
& = \frac{(\lambda t)^k}{k !} exp(-\lambda t)
\end{aligned}
$$
いま$${\lambda}$$を単位時間あたりの強度と定義しているので
$${\lambda \times t = \lambda^{\prime}}$$を一定時間での強度とみなすことができる
この$${\lambda^{\prime}}$$についての式は
ポアソン分布の式である
指数分布の式導出
ここまで来れば指数分布は簡単!
先ほどの式で
ここで事象が少なくとも1回発生する確率は
余事象(事象が0回発生)を考えて
$$
\begin{aligned}
& P(0からtで少なくとも1回事象発生) \\{}\\
& = 1 - P(N_t = k = 0)\\{}\\
& = 1 - exp(-\lambda t)
\end{aligned}
$$
となり指数分布の式になった
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