負けるが勝ち

３年前、ものすごくつらいことがありました。

自分の力のなさに失望し
身近な人からの心ない言葉に傷つき
逃げ込むように頼った人からは突き放され
理不尽とも思える決断を強いられました。

どうして私がこんなに責められないといけないの
どうして私がこんなに否定されないといけないの
どうして私がこんなに失くさなければならないの

そんなことを感じながら過ごしていたように思います。

だけどそれは結局
無理に無理を重ねて自分を責め続けた私が
大して欲しくもないものに執着し
しがみついていた結果だったなと思うのです。

それからの３年間、物質世界でも非物質世界でも
いらないものを一つずつ手放してきました。

時間の使い方を変え
付き合う人を変え
お金の使い方を変え
働き方を変え
感じ方と考え方を変え

そうやってたどり着いた「今ここ」から
当時のことを振り返ると

３年前に迫られたあの理不尽な決断が
私の飛躍のきっかけだったと思うのです。
（これでも随分、飛躍したんです笑）

唐突にこんなことを話しましたが
そうしたくなったのは

最近あの頃を思い出すようなトラブルに
巻き込まれたから。

その話を聞いたときの第一印象は
「まだこんな世界があったんだ」という驚き。

だけど、
たしかに私はその世界の住人だったし
今もある意味ではそう。

当時の私が今ここにいれば、
今回の件の登場人物と同じように行動したかもしれません。

だけどもう
今ではそんなこと考えられない！

どうしてこんなことが起こるのか理解できないし
やりたくないことを「やりたくない」と言うだけでいいのではと、
事の大きくなりかたに首をかしげてしまったんです。

「あぁもう全然違うんだなー」

と、あの頃とは異なる価値観と選択で生きている私がここにいることに気づかせてもらいました。

あの頃の私より
今の私のほうが圧倒的に好き

どんどん良くなっていってるし
私らしく生きられるようになっている

なんて、調子づいて思ったりしています。

生きているといろんなことがあり
残念ながらいいことばかりじゃないですよね。

事が起こったすぐあとは
荒ぶる感情を抑えるのに必死で
それから苦しみに悶える心をなだめ
新しい環境に身を置きながら傷を癒していく

それからやっと
過去の苦しみや悲しみを生きる力に変えていける、
前に進むエンジンにしていける。

そんな癒しのプロセスを体験した３年間だったんだと実感しました。

そして私もようやく、
あの頃の苦しみや悲しみをエンジンにしていけるところまでたどり着いたようです。

そうなってやっと
当時「理不尽だ」と感じていたことの中に隠れていた
「思いやり」や「愛情」にも気づくことができたし、

あの頃の一つひとつの選択を
「自分で決めた」とより深く感じられたような気がします。

そう、今回の件に関わることで
私は時空を超えて改めて自分で選択したんだと思うんです。
ここにたどり着くあの決断を。

それがただただ、うれしい。

「負けるが勝ち」ということわざがあります。

私はあの頃、思いっきり負けました。
だからもっとすごい人になって
私を負かした人たちに勝ちたいと思っていました。

だけど、私が勝つべき相手は彼女たちではなく
悶え苦しみ泣いていたあの頃の私だったんだと
やっとわかったのです。

そして、人生に勝ち負けなんかないってことも。

そんなわけで

ますますよくなっていける

そんな確信に溢れる午後。
しあわせです。

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