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【告知】 2022年8月20日に「エキマエ野外上映会」を開催いたします

2022年8月20日の夜、秋田駅西口の駅前広場が無料の野外劇場へと生まれ変わります。残暑が続く今年の夏、夜空の下で映画を見る特別な体験をしてみませんか? 

イベント名:エキマエ野外上映会(エキマエ、始まる。さんど市)
場所:秋田駅・駅前広場(芝生エリア)
日時:2022年8月20日/19:00~
料金:無料

https://akita-machiaruki.com/wp/wp-content/uploads/2022/07/20220728_a10.pdf

野外上映会@「エキマエ、始まる。さんど市」

秋田駅前広場で毎月開催されている「エキマエ、始まる。さんど市」(JRの東日本主催)。8月のテーマは「芸術」です。私たちアウトクロップは、秋田市のミニシアター『アウトクロップ・シネマ』を通じたご縁からお声がけいただき、映像芸術に関わる立場からイベントの一部として「エキマエ野外上映会」の企画・運営を行っています。

会場では当日、音楽演奏やプロジェクションマッピング、書道パフォーマンスなどが披露されるほか、飲食ブースも多く出店します。エキマエ野外上映会は、芸術パフォーマンスの披露が落ち着いた19:00から。大空のもとで芝生に座り、開放感のある空間で映画を見る特別な体験を存分にお楽しみください。

エキマエ野外上映会チラシ(表)
エキマエ野外上映会チラシ(裏)

上演作品紹介――『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』

あらすじ

21歳の夏、父から自分にタイム・トラベルの能力があることを知らされた青年ティムは、恋人を得て理想の人生を送るためにその能力を使い始めます。失敗続きの中で少しずつ幸せをつかみ始めるティムですが、やがてタイム・トラベルでは解決できない問題に次々と直面することに。悩んだ末にティムが出した答えとは――。

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選んだ理由

「アバウト・タイム〜愛おしい時間について」は2013年にイギリスで公開されたSF恋愛映画です。時間を行き来する際の問題を扱うSF作品の醍醐味と、恋愛映画の切なさ・喜びが存分に盛り込まれた珠玉のエンターテイメント作品として十分に楽しむことができますが、タイムマシンを用いて過去を変えようとする主人公たちの葛藤を通じて「幸せとはなにか」という普遍的なテーマが次第に立ち上がる構成になっています。

野外上映会を開催するにあたって、私たちはいくつもの候補を持ち寄り、議論を重ねました。普段アウトクロップ・シネマで上映する作品を選ぶときには、さまざまな社会課題や、人びとの生活など「見えない物語」を実感することのできる作品を選ぶことにしています。しかし野外上映会では、普段は映画に親しんでいない方々にも、楽しみながら映画の持つ物語の力に触れ、いろんなことを考える機会になるような作品が良い。そのバランスを考慮して絞り込み、上映のための交渉を経て本作を選びました。

野外上演会への想い――国際映画祭への布石

今回の野外上映会は、アウトクロップにとって企画・運営ともにはじめての試みです。これまでも上映会は数多く行ってきましたが、野外かつ大規模な上映会はこれまでありませんでした。私たちは今回の企画を、単発のものではなく、未来につながる挑戦の一歩目として位置づけています。少し長くなりますが、このことについてお話させてください。

株式会社アウトクロップは「見えない物語を魅せる」映像制作会社として、2020年に発足しました。そしてその後、ドキュメンタリーの上映会を日本各地で開催し、さらに2021年11月には秋田市内にミニシアター「アウトクロップ・シネマ」を開設するなど、映像作品を体験する場所の運営も行ってきました(詳しくは弊社WEBサイトの「シネマ」ページをご覧ください)。では、なぜ映像制作会社である私たちが、映像を体験する場の創出に関わるのでしょうか。

私たち人間は多かれ少なかれ、自分の生まれ育った環境、見聞きした物事を通じて形成された世界の中で生きています。映像や物語はそんな私たちにとってまさに異なる「世界との出会い」であり、私たちの世界の外側に想像力の羽を伸ばすことを可能にします。アウトクロップはこのような映像・物語の力を信じ、異なる世界に飛び込むような体験を可能にする映像作品の制作にこだわってきました。

ただし、それは映像が「人の心に届く」ことが前提です。どんなに作り込まれた映像も、観られなければ意味がない。だからこそ、映像の制作だけでなく、それを実際に見る場所のデザインにも関わる。さらに、ただ上演するだけでなく、上演の場を通じたさまざまな視聴体験の可能性を探っていく。私たちは、映像をつくることと見る場をつくること、この両軸を大切にすることではじめて「見えない物語を魅せる」という使命をはたすことができると考えています。上映会やアウトクロップ・シネマの運営はそのための試みのひとつです。

このように「見えない物語を魅せる」ための試みを続けるなかで、私たちが抱いている大きな野望があります。それは、秋田市全体が舞台となるような国際映画祭を開催することです。秋田市はもともと、多くの映画館が犇めき合った街として知られています。1960年代には、秋田市だけで17件もの映画館が軒を連ねていました。しかし人口減少や業界の変化にともない、現在はその多くが閉鎖しています。映像を見て語り合う空間は、現在進行系で秋田市から消えつつあるのです。

秋田市に拠点をおいて活動を行ってきた映像制作会社として、そして映像と物語の力を信じ、豊かさを再定義することを目指して活動するチームとして、秋田市のなかで映像・物語に触れ、語り合う空間を大切にしたい。もっと多くの人に、映像や物語の魅力を、それを通じて出会う世界の広がりを届けたい。そして映像と物語の力を通じて、秋田市をより魅力的な、面白い場所にしていきたい。国際映画祭の構想はそんな想いからはじまり、少しずつ具体的な形をとりつつあります。

今回の野外上映はこの国際映画祭構想に向けた実験的試みであり、ノウハウの蓄積という目的をもっています。街の中に簡易的な映画館を立ち上げ、映像・物語に触れる場を一時的につくり出す「野外上映会」。今後のアウトクロップの展開も含めて、ぜひお楽しみいただければ幸いです。


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