クラベル校長から入門する平沢進

2023/2/3にRUBEDO/ALBEDOについて追記しました。ページ下部。
こんにちは。ポケモンSVのストーリー終盤の怒涛の展開がお気に入りのほうれん草です。

ところで、皆さんはクラベル校長を見て誰かに似ていると思わなかったでしょうか。

クラベル校長(バイオレット)

そうですね、近年の平沢進です。

平沢進(https://qetic.jp/music/frf21-susumuhirasawa-ejin-211022/412464/ より引用)

よく似てますね。

ということで、クラベル校長から平沢進に興味を持った皆さんに向けて、平沢進の音楽の世界をご紹介したいと思います。

そもそも平沢進とは?

平沢進。
インターネットの一部界隈では有名な、本人の言を借りるならばステルスメジャーというべき年齢不詳のアーティストです。

1973年にプログレッシヴバンド「マンドレイク」を結成、1979年にマンドレイクを改組する形でテクノポップバンド「P-MODEL」を結成……という略歴の類は公式HPに譲ります。

平沢進に入門する上で重要なのは、

  • かつてマンドレイク、P-MODELというバンドをやっていた

  • 今はソロ活動を主にしている

  • ジャンルに囚われない様々な楽曲を様々な形でリリースしている

という点です。

平沢進の音楽

平沢進の音楽とは。
とても私ごときの筆舌に尽くせるものではないのですが、その一端に触れるならば「無国籍なのにどこかエスニック」「他に類を見ない」「シンセサウンドと極端に歪ませたギター」が特徴と言えるかと思います。

近年のアルバムからは一曲ずつ無料公開されていますので、まずはこちらから触れてみるのが良いでしょう。


また昨今はYoutubeでの楽曲・MVの公開にも積極的です。
最新アルバム「BEACON」からはなんと3曲もYoutubeで公開されています。

前2曲には平沢進が映っていますが、やっぱりクラベル校長に激似です。

ここで、平沢進のソロ活動におけるこれまでのアルバムについて触れておきましょう。
平沢進のソロ活動においてはこれまで

  • 時空の水

  • サイエンスの幽霊

  • Virtual Rabbit

  • AURORA

  • Sim City

  • SIREN セイレーン

  • 救済の技法

  • 賢者のプロペラ

  • BLUE LIMBO

  • 白虎野

  • 点呼する惑星

  • 現象の花の秘密

  • ホログラムを登る男

  • BEACON

と実に14枚ものアルバムがリリースされています。(SWITCHED-ON LOTUS等のサイドプロジェクトや各種サントラも含めればもっと!)
これらを独断と偏見で分類したものが下記です。

  • わかりやすいシンセサウンドから離れた優しいソロ初期

    • 時空の水

    • サイエンスの幽霊

    • Virtual Rabbit

    • AURORA

  • タイの影響が強いソロ初近期

    • Sim City

    • SIREN セイレーン

  • 平沢進の一般的な(?)イメージに最も近いであろうソロ近期

    • 救済の技法

    • 賢者のプロペラ

    • BLUE LIMBO

    • 白虎野

  • シンセサウンドが前面に出て核P(後述)に近いソロ最近期

    • 点呼する惑星

    • 現象の花の秘密

    • ホログラムを登る男

    • BEACON

さて、全部聞いてください、と言いたいところですが、この記事の目的は「平沢進入門」です。
この中から最初に聞くことをお勧めするアルバムをあえて挙げるならば「救済の技法」および「ホログラムを登る男」です。

なぜか。
まず、どちらのアルバムもこれまで平沢進に触れてこなかった人にとっても比較的耳馴染みしやすいであろうという点が挙げられます。
特に「救済の技法」はいかにもな平沢進サウンドが楽しめながらも比較的わかりやすくノリの良い曲が揃っています。また「ホログラムを登る男」はシンセサウンドとストリングスの調和が素晴らしく、やはり楽曲もノリのよいわかりやすい曲が多いです。

さらに、この2つを”セットで”お勧めする理由があります。
この理由の說明には平沢進のアーティストとしての特徴の1つ「インタラクティブライブ」の說明が必要となります。

インタラクティブライブ

平沢進は、ソロとして「平沢進」名義でアルバムをリリースする度に「インタラクティブライブ」と呼ばれる特殊なライブを開催します。
「インタラクティブライブ」とはその名の通り「観客がライブの進行にインタラクティブに関与するライブ」です。

詳しく説明しましょう。
インタラクティブライブにはストーリーが設定されています。ライブの途中でストーリーに分岐が発生し、結末がAになったりBになったり、そしてそれによってセットリストも変化する、というのがインタラクティブライブの概要です。余談ですが、インタラクティブライブはネットで現地と同時に配信され、それによって参加する観客もストーリーの展開に関与することが出来ます。

さて、「救済の技法」のリリース時にもインタラクティブライブは開催されました。「INTERACTIVE LIVE SHOW WORLD CELL」という名前で。このタイトルは「救済の技法」の最後の曲「WORLD CELL」から取られたものであり、同時にこのライブのテーマでもありました。ストーリーを掻い摘んで説明すると「世界の存在様式を決める世界の感覚細胞WORLD CELLが停止しかかっている、直さなければ世界自体が凍りついてしまう」というもの。
ところが、このライブは全日程でバッドエンドとなってしまいました。本来のグッドエンドでは「世界の新たな存在様式を得たWORLD CELLが再稼働した」というストーリーだったようです。(詳細なストーリーはこちら。)

そして、「ホログラムを登る男」のリリース時にもインタラクティブライブは開催されました。「WORLD CELL 2015」として。
元々は前回のWORLD CELLの再演とする予定だったそうです。しかし蓋を開けてみれば「ホログラムを登る男」独自のライブとなっていました。そう、「救済の技法」と「ホログラムを登る男」はインタラクティブライブのストーリーが繋がっているのです。
それをイメージした上で両者を聞いてみるとやはり色々と味わい深いため、最初の一歩としてこの両者をお勧めする、という訳です。

ホログラムを登る男

救済の技法については残念ながら無料公開されているサンプルはありません。
ホログラムを登る男はYoutubeにて下記のダイジェストが公開されています。

また、表題曲「ホログラムを登る男」については冒頭でご紹介したサンプル音源が用意されていますので、是非最初の「最初の一歩」として触れてみてください。

2023/2/3 追記

RUBEDO/ALBEDO


2019年、2021年に平沢進はFUJI ROCKに出演しました。
そのセットリストの中から厳選された10曲がスタジオでの再録音を経てこの度Bandcampにてリリースされました。
なんとこの音源、Bandcamp上で全て無料で聞くことができます。なんと太っ腹!
というわけで是非聞いてください。
収録曲目は
1. TOWN-0 PHASE-5 2019
2. Archetype Engine 2019
3. フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2019 / FULU HE HE HE 2019
4. 夢みる機械 2019 / Dreaming machine 2019
5. Jungle Bed 1.5
6. 牛人 / Gyujin
7. Nurse Cafe 2019
8. AURORA 2019
9. 白虎野 2019 / Byakkoya - White Tiger Field 2019
10. HOLLAND ELEMENT 2021
となっています。
このうち、 フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2019Jungle Bed 1.5HOLLAND ELEMENT 2021 はP-MODEL時代の楽曲の新バージョンであり(Jungle Bedはこの度初めて歌詞が付きました)、そして 牛人はなんとFUJI ROCKで初披露となりこの度初めて音源化されたものです。
FUJI ROCKという場での公演だったこともあり、これらの楽曲はすべて平沢進初心者に対しても大変おすすめできるものとなっています。
上のサムネイルから直接聞くことができるので、是非この場で聞いてください。

そのうち気が向いたら「アオキから入門するP-MODEL」も書こうかな。


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