主人公

 霜降り明星は主人公。
 って言うけど、何が凄いの?大したことなくない?なんていう人にはこの前のポケひみ2時間スペシャルを聴かせたいんだけど、結局のところ、霜降り明星はなんで主人公なのだろう。

 賞レースを取った若さや、ポケひみで露わになっていた2人の知識の量、粗品さんの発想力による新しい笑いの発明、寄席にも強い演芸的な強さもあるけれど、僕が惹かれているのは生き急ぎ過ぎているように思えるぐらいの野心の強さ。
 1視聴者としては、関西の賞レースで優勝、M-1でも準決勝まで行って順風満帆そうに見えていたのに、「23歳で売れなければ引退」と決めていて苦しんでいたという日々。ABCお笑いグランプリ、新しい波24、そしてM-1と大舞台で外さない勝負強さ。M-1を優勝してから半年で、すぐに毎日更新のYoutubeを始めるところ。
 霜降り明星の活躍を見てると、正しく努力すれば叶わないことはないということを強く思わされる。自分の現状が嫌になるくらいに、2人の強さは眩しい。

 関西の芸人には、大体の売れっ子が通る王道の"ルート"があると思う。オールザッツのような大勢の出る番組で目立って、関西ローカルの漫才賞レースで活躍し、情報番組や深夜のバラエティで知名度をあげつつ、M-1で活躍して、東京に進出する。東京はいろんな事務所があって、色んな売れ方があるように思うのだが、大阪はこのルートを目指してる芸人が本当に多い気がする。この階段を1ステップずつ上がっていくのが見れるのが大阪のお笑いファンの楽しみだが、霜降り明星はこの階段を爆速で駆け上がっていった。その姿、圧巻の一言。
 そのストーリーを2017年10月に始まったABCラジオ「霜降り明星のだましうち」で逐一語ってくれていた。ABCお笑いグランプリで優勝しての大号泣、M-1準決勝敗退の「ムカつきますねぇ」、M-1決勝進出の喜び、歓喜の優勝、R-1を優勝して「寂しい」、そして東京進出。ドラマチックすぎるサクセスストーリー、売れていく過程をラジオで聞いたら、もう夢中です。

 霜降り明星の2人は、出囃子の「Help!」にも現れてるように、自分たちが窮地にいるんだと訴える。そして、それをネタで、漫才で、ラジオで、吹き飛ばす。やり方がヒーロー。逆境○が過ぎて、カッコよすぎる。

 関西出身で、20代の僕にとっては、霜降り明星は自分の希望だと思っている。東京03の飯塚さんにとってのアンタッチャブルのように。
 この調子で、ずっと走り続けてください。ずっとついていきます。

ネットラジオ「京大見聞録」やってます。聞いてください。 https://www.youtube.com/channel/UCPoiWUMapwCJCUdLm6VVAKA