これまでの話
自分もそれなりに人生しくじってきた人間で、元からあった社会不適合者的な資質がふとしたきっかけから色々と広がって、結果気付いたら半分引きこもりみたいになった過去があります。ありがたいことに今は社会復帰できたけど。
今年になって、ようやく精神的にもかなり昔に戻ってきたなって思ってるんですが、その過程で様々な気付きがありました。特に思ったのは、社会貢献とか社会的に認められるとかそういうのによる自己肯定感の向上を軽視しすぎちゃいけないなってことです。
自分は昔からまあまあ人付き合いにトラウマを抱えて生きてきた方の人間であり、その過程で色んなものを冷めた目で見るようになってきました。むかし、学校の授業で欲求の中で最も高次のものは社会貢献とか自己実現みたいな話を聞いたとき(多分いわゆるマズローの欲求階層説的な話をしてた)に、割と心の底から本当に理解できなかったところがあって、それでも表向きには結構ハリボテの優等生みたいなことをしてたので、特に何も言わなかったけど内心でそういうのを謎に斜に構えて見てました。ああいうのって成功者の体験みたいなのと結び付けられることも多いし胡散臭いなとも。自分で書いててまあまあ痛いかもって気はする。まあ今でも正直根っこの部分は何も変わっていないっちゃいないんですけど、まさしく自分を社会復帰に導いてくれたのが、人によっては当たり前かもしれない社会的な自己実現の反復だと思ってます。
社会の中で、与えられた仕事を順風満帆に、もしくは順風満帆でなくても人の力を借りて成し遂げることができて、それを認めてもらえるっていうその繰り返しの中で自己肯定感が少しずつ回復していることに気付きました。思いの外世の中っていい人もいて、頑張ったことをちゃんと周りが評価してくれる環境に身を置けた自分は幸福だったと思います。少なくとも自分はそういうあり方なんだなって思ったと言うか。いくら斜に構えてもなかなか社会のしがらみから逃れることって難しいし、自分もなんだかんだ言ってその範疇からは出られないんだなーって気持ちにもなりました。
思い返してみると、自分は結構引きこもりがちになってしまった時期に心配してくれる友人がそれなりにいて、作曲という趣味もあったから恵まれた方ではあったんですよね。ただそれでも社会復帰が困難だったのは、人に認めてもらうというその過程が欠けていたからなのだと思います。全くとは言わないけど、音楽だけで気持ちは満たされなかったらしい。もしかしたら、ギリギリのところで自分を繋ぎ止めてくれてたかもしれないけど。
でも、これって万人にそうっていうわけではない気もしてて、なんだかんだ言っても自分は社会に敷かれたレールを割とそのままなぞってきたタイプの人間だと思うし、そこから外れると急に何もわからなくなるっていうのもあると思います。
あと多分、自分の人間関係の環境によるものも大きくて、周りの人に評価してもらえるのが世間一般でいう理想像で、いわゆる品行方正!手堅い職場!みたいな感じっていうのはあるんだろうと思います。人生の境遇的に、音楽を自室にこもって作ってると、遊んでるって揶揄される状態にずっと身を置かれてきたというか。実際そういうとこって否定はできないんだけど。そういう意味では、クリエイター的な生き方をする環境としてはあまり自分は恵まれていないのかもなとも。まあ実際音楽で食ってくのって難しいんだろうと思うけど。
それなりの職を手につけて、周囲の人達を社会的に多少見返せたと言う気持ちもあり、それに伴って自信も回復してきたので、自分が仕事をやめて音楽一本で行くっていうことはこれから先滅多なことでは起こらないんだろうな〜って気がします。自分の中で音楽はあくまで「本気の趣味」としてやり続けるだろうなって思う。これは自分の音楽活動における永久のテーマみたいなものでもあるんですけど(引きこもってた頃からそう)。もともと仕事やりながら活動しているバンドのことが好きで、そこへの憧れもあります。
仕事やりながら音楽続けるのってしんどいことばっかりだけど、毎日の小さな積み重ねが自分の自立みたいなところに結構ちゃんと寄与してくれてることに気付けたのは、自分にとっては本当にここ数年の大きな収穫でした。多分こんなことって人にとっては当たり前の営みだし、人並みの幸せってやつなんだと思うんですけど。自分にとっては改めて大事なことでした。
これからも、繰り返しの中で僕を取り戻していきたいですね。