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【感想】文豪ストレイドッグス本誌2024.3月号

※本誌ネタバレ注意

内容てんこ盛りでアニメで先を知っているにも関わらず興奮が止まらなかった。アニメとは違う漫画の良さが言葉で表せないほど発揮されてるぅ………。

■ムルソー組

ムルソー組は通常運転の双黒とハチャメチャになってるドスゴーの温度差がすごいし私はもうキャパオーバー

◉銃の謎
額を撃たれたはずの太宰が元気な訳。アニメではちゃんと説明されてなくて理解が出来なかったのだけど、やっと理解できた。
重力操作で速度を落としていたのね。それで頭蓋骨ギリギリで速度が0になるようにしてるのか〜てっきり太宰の無効化が関わってると思ってたけど違うのね。中也器用すぎない?
結局太宰がカメラの前に動いたのはドスくんに自分の姿を見せるのが目的ではなく、中也が撃った銃弾の速度が分からないよう背中で隠れるようにしたかったんだな。
昔よくやってたと言うけどこんなの誰も気づけないよね。端から見たら仲間割れしたようにしか見えんもんな。強すぎる……

◉ドスくんの死
流れはアニメ通り。アニメで予習してる私は驚かないもんね………。ワァ
太宰の「さようならドストエフスキー」のところ、笑みはない。この顔は何を意味するんだろう…。
ドスくんが太宰に対して言った「さようなら太宰君」のときは悪ーい笑み浮かべてたからここでも対を表しているだけなのかも。

ヘリが暴走すると気づいた瞬間は焦り(?)がみえるのに、爆発する寸前であの笑みは何なんだろう。真顔の太宰と対になっているような気もしなくはないけど。
「エリエリラマサバクタニ」の日本語訳が
"神よ神よ何ぞ我を見捨て給うや"でなんか日本の文豪感あるなって感じがした。すごく好き。
この言葉って新約聖書の記述だと、十字架のうえで死を迎えようとするイエスの"苦しみと悩みに満ちた魂の叫び"であったと。
ドスくんの表情はとても苦しみと悩みに満ちているようには見えない。本当に神は私を見捨てるのですか?と思いながらでも、生きる道筋があるのかな…?深読みしすぎ?

アニメで見たときにも思ったけど、太宰の「ドストエフスキー"は"間違いなく死んだ」の言い回しがめちゃくちゃ気になるんだよね。中也から投げかけられた質問だから「間違いなく死んだよ」でもいいはずなんだけどね。絶対裏に何かあるやろって感じ。やっぱり復活するんだろうけど次は"ドストエフスキー"じゃないのかもしれない。私が敏感すぎるのか!?


◉ッスゥー…ゴーゴリ…お前…。
ゴーゴリの笑ってない"マジ"の顔今回が初めてなんじゃないか?「お目出度うゴーゴリ」の時の表情にたまげた。ゴーゴリの道化がなくなった……。

前話で「僕を殺そうとした貴方を殺します」と言われて見せた表情と今回の言動からしてやっぱりゴーゴリにとってのドスくんは特別な存在だったと分かる。
「ああその通りだ、いや違う、いや‥‥その通りだ」から汲み取れるのは、ゴーゴリは自分を見失う為にドスくんという親友を殺したかった。けど殺したくなかった、という矛盾。
結局のところ、ゴーゴリはいつからか分からないけど自由の鳥に成りたくて生きていたら、一生現れないと思っていた自分の理解者がいた。短い時間だったが、彼と出会ったことで今までとは違う人生を歩めた。そのかけがえのなさに心を持ってかれたのかなぁって。
その後"自分を見失うこと"ができたと言ってることから
ドスくんの死→自分を見失う
という風に捉えて良いのなら、親友を失った悲しみから自分を見失ってしまう、ということ?
それってつまりゴーゴリは奇想天外でネジの外れてる人に道化した普通の人なのでは………?
ドスくんの腕らしきものを抱えているゴーゴリの姿が美しいけど何とも言えない……。アニメでは顔が見えてたから漫画の表情が分からないけど分かるみたいな描写が本当に大好き。
そんなゴーゴリを見ている双黒が心の底から「何だこいつ」って思っているのを見ると本当に双黒は異常な奴なんだなって。改めて痛感させられた。
「太宰が皮肉言わないなんて珍しいな」
「解毒剤手に入ったし帰るか」
と親友を失った(実質双黒が殺した)ゴーゴリを何とも思ってない。(もしかしたら太宰はゴーゴリのことを思ってるのかな?)どうでもいいと思っているだろう言動に2人の狂気しか見えない。何なんだコイツら

ゴーゴリの解釈については語彙力なくてうまく言い表せないので後日もう一度ちゃんと考えて書いてみようかなと思います。

◉シグマ
太宰は解毒剤手に入れて脱出だと言ってるからやっぱり双黒が助けに行くという感じではないのか…?まぁムルソーの警備が殺されて連絡が取れなくなったと気づいた欧州のトップがすぐに駆けつけるだろうから余裕ぶっこいて助けに行く暇はないのかも。そしたらシグマはどうするんだ?ってなったときゴーゴリしか考えられないよね。ゴーゴリの異能力なら欧州から派遣される人が来ても容易に逃げられるだろうし。ゴーゴリにシグマを気にする心の余裕があればの話だけどね……

■福沢&福地

だいたいはアニメ通りだけど、より詳しく説明されていて分かりやすい。

めっちゃ今更だけど、よく考えたら新章は福地が止めようとしていた世界大戦に関係するのか…?その発端が時計塔の従騎士なのかもしれん。そう仮定したらやっぱり時計塔の従騎士とドスくんは組んでそう……。


二億一千万の命が失われるってエグいどころの話じゃないのよね。私の軽い調べだと、一次大戦では1000万人近い兵士の死。独ソ戦では3000万人の犠牲者らしい。(多分)
そもそも世界人口が約80億5000万人。
そのうち日本は1億3000万人ぐらい。
どう考えても桁がおかしいんだよね。そりゃ何とかしなくてはってなる。

福地の言う、戦争の原因は人類の愚かさではなく単に"われら"と"かれら"という自他認識の誤謬でしかない。これ確かに言われてみれば…!ってなった。

国家とは「暴力の権利を持つもの」燁子さんも「政府の奴隷として暴力を行使する」みたいなことを言ってたもんね。国家を維持するにはそれを壊しかねない存在をどうにかして制限しなきゃいけない。例えば殺人を犯す人がいたとして、その人を放置してればその人は殺しを続けるかもしれないし、それに感化された人が殺しをはじめるかもしれない。そうすれば国家の維持はできなくなる。だから監獄に閉じ込める。
文スト世界では異能力を持つものが一定数いる。その人たちの暴力を止めるには同じ暴力しかない。そのために政府の奴隷として暴力を振るうのが猟犬だ、ってことよね。

遠い未来。交通や通信技術の発達によってわれらになれば戦争がなくなると言った。
文ストの話とは少しずれるけど遠い未来に本当にこうなったら面白いね。今の世界人口は80億5000万ぐらいだからもし世界が皆われらになったらこの人数を統一するトップが現れるのかな。見てみたいなぁ笑


歴史は繰り返すとよく言うけれど、実際昔の人も福地と同じように考えて国内での戦いを無くして1人のトップが独裁をすれば良いと考えたんだろうね。私が今ぱっと独裁で思い浮かぶのがナポレオンなんだけど結局最後は腐敗してしまった。いくら"統一されて当たり前"と思っていようが総帥が信頼を失えば崩壊する。結局民主主義が一番安定を保てる体制だと長い歴史を辿って偉人達が出した答え。まぁ国同士の戦争は無くなってないから完璧とは言えないけどでも現状じゃあ完璧な体制というものはつくられないと私は思う。

それを分かっていて総帥になるのは自分ではなく福沢に託すと言った福地。信頼あってのことだとは思うけど重い。重すぎるよ……。この後福沢が総帥になるのかどうなのか、まだアニメでもやっていないから未知だけど自分が福沢の立場に立たされたら重さで潰されそう


福沢も過去に戦争を止める為に殺しをしてたから2人の考えというか価値観というかそういうものは同じ方向を向いていたんだと思う。最初から2人が手を組んでいたらどうなっていたんだろうなと想像してしまう。

今更感半端ないけど、2人が会話してるポオの小説空間は福沢が過去を思い出しながら作ったわけよね……?それ考えると尚更辛くなるんだけど…。


■まとめ

なんかこの天人五衰編のラスト。すごく"戦争とはどういうものなのか"について考えさせられる。日本は今の所大丈夫だけど世界で見れば完全に無くなっている訳ではない戦争。

来月号は涙必須の回だな…。新章の入り口までいくかいかないかの狭間だけどそろそろアニメの内容越えそうだから覚悟を持って待つ!


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