映画をうっかり観ちゃう人って最近少ないですよね(160529)
映画体験って、他のものとセットで売りにくい気がするなあ…と思ったんですよ。
スタバがSpotifyと組んで音楽売るみたいな形。パブでみんなでサッカー観るのもある種のセット売りかな?
映画は、消費は個人で、共有はその後の工程って感じがするんですよ。同時じゃない。応援上映みたいなイベント、もっと増えるといいなあ。
なんでこんな事思ったかと言うと、今日知り合いの何人もが、ラーメン屋さん×DJってパーティに行っててめちゃくちゃ楽しそうだったんですよね。
岸野雄一さんのレコードコンビニなんかも、まったくジャンルが違うものの組み合わせだよなあ、と。吉野家がお酒やアテを売るのとは、訳が違う。
東京って面白いもんで、「こんなニッチなジャンルのイベントでお客さん来るの?」と思っても、いざクラブに行ってみたらそこそこお客さん入ってるんですよね。
趣味嗜好に基づいて集える場所がある。居場所があるって素晴らしいなあとは思うんですが、それ以外の経路もあるよなあと思うんですよね。
趣味で繋がってる場合って、それが目的になるじゃないですか。けど、場所で繋がってる場合って、それはあくまで手段じゃないですか。
目的がとくに無くフラフラしてる人の方が、心の隙間に入り込んでお金使わせやすい気がするんですよね。不意討ちの様に素敵さが忍び寄ってくる時ってありません?
お腹すいてる時にスーパーに行くな、ちゃんと買い物リストを作って行けって言うじゃないですか。
「自分には何が必要か」って固まってない状態で美味しそうなものみたら、ついつい買っちゃうもんですからね。
コーヒーだけのつもりが、美味しそうだったからケーキをついつい食べちゃうとか。
映画には、観に行くこと自体が目的でだった時代があった。映画館行ってから何観るか決める描写とか、80年代の漫画にはあった気がするんですよ。
けど今は事前に決めてしまえる。監督の作風、映画のあらすじ、感動すべきポイント。その人の中で間違いのない映画を決めて観に行くのが可能なんですよね。
若手俳優とTVCMとバラエティ番組での告知があれば、原作ファンを無視したお手盛り映画でマッドマックスを上回る興行収入も達成可能。
こういう日本の映画消費のあり方にプリプリ怒ってる人も沢山いるけど、そんなの仕方ないよなーと思ってます。だって僕らも、若い頃の映画体験はテレビに依拠してた訳ですし。
テレビがアスペクト比4:3の魔法の箱だった頃は、何の脈絡もなしに、映画と言う括り以外の何の共通点もない様な様々な映画と出会えた。
テレビという場所に目的なしにアクセスする事で、我々はうっかり映画を観ちゃってたんですよ。当時のテレビマン達の悪ふざけには感謝しかないです。
テレビが未だに強いのは、そういったうっかり視聴が強力な刷り込みになってしまうってところなんだろうなあと思っています。
遅くまで働いてる人が、家に帰った時間帯にやってるアニメを何となく観てるうちに、学生時代に観てなかったのに急にアニメにハマる話とか、周りで聞いたことありません?
そういう形での、未知の映画とのうっかりした遭遇の為のルートがもっとないかなあ…とぼんやり考えていた次第です。
マサラシステムや応援上映方式は映画知らなくても楽しめる可能性があるけど、定期興業にはしづらい。
有名無名問わず、過去の名作連ねた名画座は、映画オタクの為の場所だから保留で。
Qbrickでは、オープン当初、営業時間中ずっとプロジェクターで映画を流してたんですよね。あれが一番かなあ。
面白い画が大きく映しだされたら、「これなんて映画?」ってオーナーや映画好きの常連さんに聞けたんですよね。そこから会話が始まったりも。
①映画館に行く
②お金を支払う
③上映時間中拘束される
って形以外に、新しい映画と出会う方法はないものか。
定額制の動画サービスの提供映画数が今の何百倍にもなれば、定額制の音楽サービスみたいにAIによるおすすめ機能が充実していくのかも知れませんね。検索にも偏りが適用されたりとか。
2050年の映画ファンは、どんな経路で映画と出会うんでしょうね。
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