雑なもの言いを『プロレス』と形容するのはあんまり好きじゃない。150410

 色気も配慮も含羞もない言葉ペラペラーと並べたから当事者から反感買っただけなのに、取り巻きが「これは炎上商法だから」なんて訳知り顔でいけしゃあしゃあと、あれは敢えて言ってるネタなんですよと言い出すケースというのを見るにつけ、言葉とはセンスなのだなあと深く深く嘆息してしまうんだよね。
 筋の良い人のの言葉遣いが筋良く聞こえるのは、あくまでその人の筋の良さによるものなんだからさ。 筋の悪い人が、口吻真似っこして恥を晒すくらいならさ。変な意気込みもって「センス見せるぞー」ってやるよりもさ。 自分に語り得る振幅見極めて、その範囲内だけで語れば良いのにね。(自戒込めて)
 僕が特に嫌なのは、激越な事を言ったり、煽り合ったりするのをもって『プロレス』って表現する人なんだよね。 本心じゃないんですよー、敢えて言ってんですよ、プロレスなんですよー…なんてさ。雑な事言ってくれるよなー。 本当に仲良い同士がやってるのをそう形容してる人には、腹立たないけどさ。
 罵倒と言うものは美々しく修辞されたものでないと品位がないものなんだよね。かつ、それを受けきるバンプとが1セットでないと成立しない訳で。凶器を用いたものでも、そこには朗々たる美意識があるんだよね。 そこを錯誤して、ビール瓶で汚らしく殴るを持って『プロレス』と呼ばわう輩は許せんなあ。
 逃げ口上で、「すみません…プロレスのつもりだったんです…」みたいなこと言う人いるじゃない?あれは、薄汚いよ。自分の発言に責任負うどころか、「それをあなたがそう認識できなかった」ってな具合だもの。 そもそもだよ。技も受けず、受け身も取らずで、それのどこがプロレスだってんだよなあ。
 ヤジにしてもそうだしさ。ガヤに関してもそうだしさ。何事か、相手を刺激しようと何かものを言う時には、大胆不敵にかつ繊細に、可能な限り美しくやって欲しいよね。後藤達俊がバックドロップの確度の調整するようにさ。 そんな所で、雑なもの言いを『プロレス』と形容するのはあんまり好きじゃない。

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