「努力で天才のふりはできる」アイドルプロデューサーは少女たちに言った。

フラップガールズスクールってアイドルグループの公開稽古に行ったのよ。2014年、5月かな?

「梅雨シーズンは、雨が降ったら入場料千円→無料」とRTで流れてきて。近場で用事の後だし、じゃあついでに…と。 特に情報入れずに、歌唱指導とかダンスの指導が観られるのかな?と思って行ったら違ったねえ。全然違ったねえ。


入った時には、ヒップホップダンスを先生に教えられててさ。 上半身のさらに上半分だけを綺麗に横スライドさせるってムーブで、身体の動かし方勉強しててその指導も面白かったんだけど、その後のパフォーマーとしてのあり方、の話がものすごくタメになったんよね。


プロデューサーさんの目の前で6人全員での入場の処、漫才で言えば「ビキビキー!」「ビッキーズ!」の部分、それを可愛い感じで何度もやるんだけど、そのうち指導の言葉が変化していくんだよね。 大御所みたいに堂々とやってみろ、って。それが出来ないんだよな。


ダラダラやってもダメ。弱く言うのでもない。元気な感じでやってる時に発揮されたパワーをそのまま込めて、堂々と入ってごらん、って言ってたな。そりゃあ、難しいよ! けど、本当それでね。逆に、『元気に』なら騒いでたら良いかって言うと、そうじゃ無いしね。


で、次は、普段は6人でやってる入場を、全部一人ずつ、自分らしくやってごらん。セリフも適宜変えてやってごらん、というのがあって。これがね、本当に船橋の若手バーテンダー全員に聴かせてやりたい名調子。 曰く、プライドや自覚を伴って振る舞いなさい、と。


表現の幅を拡げるために、『怖い感じ』をテーマに入場するのを何パターンもやらせたみたり。「虫が怖い」を虫って言わずに表現させるのとか面白かったよ。これ脚本でもお約束やし、僕が常々バーテンダーに言ってる事でもあるのよ。『甘い』の表現のし分けとかさ。


プロデューサーさんの総括の言葉が振るっててね。曰く、「君たちは、一握りの選ばれた天才じゃない」「けど、”天才”として振る舞う事は出来る」ってのがね。そうそう、それそれ!って。バーの客としてバーテンダーにいっつも言ってる事!って興奮しちゃったよね。


広くエンターテイメントは、アウトプット上手に披露してなんぼやろうというのは議論を待たない処。ただ、単に技量がどうこうというだけのものでも無いというのもまた自明な処。手足や頭フラフラさせないで、堂々と振る舞う事の大事さね。本当良いこと言ってたなあ。


努力を二種類に分類してたのも面白かったな。だれでも出来る練習をコツコツ積み重ねるのが一つ。天才に近づくため、天才が感じているであろう感覚を養うためのものがもう一つ。そのために、想像力はあるのだと。 痺れるねえ!船橋の若手バーテンダーに聴かせたい!


最大のパンチラインは「天才のふりは、努力で出来る」だったな。これなんだよ。ベテランバーテンダーは、みんなこれが上手なんだよ。勿論、一朝一夕で成るものではないけど。 まあ、若く愛らしい女の子が自信満々に堂々と振る舞えば、それだけで素晴らしい演芸なんだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?