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ニンジャスレイヤーTRPG2版ソロシナリオ『うき世に何か久しかるべき』

はじめに

 ドーモ、久助です。このシナリオは、ある程度能力値の高いニンジャを対象にしたニンジャスレイヤーTRPGソロシナリオとなっています。
 シナリオ作りは初なので、何か御指摘点があればお願いします!

◇シナリオサマリー

対象:成長の壁を1~2程度突破したソウカイ・傭兵ニンジャ1人
難易度:ハード/Wasshoi!判定なし
キャラロスト:任意
余暇:標準(4スロット)
備考:グリッドマップを使用しない複数向けニュービーシナリオにも利用可能だが、その場合報酬が多分足りないので適宜増額して欲しい。

◇ダンゴウ

 君はオリガミ・メールの指示に従い、スカウト部門事務所を訪れた。
 鳴り響くIRC通知、インパルスやスパイダーリリィの指示を受け駆けずり回るニュービー達。その中央に鎮座する執務机には、いつも通り書類がうずだかく積み上げられている。
 君のニンジャ存在感を察知し、机の主が顔を上げた。

ソニックブーム
「ドーモ。遅かったじゃねえか、エエッ? 折角お前にピッタリのミッションを持ってきてやったってのによォ」

 ソニックブームは先ほどまで目を通していた書類を投げ寄越す。そこには「ブラックマリア・ヤクザクラン」の文字と、位置を示す地図が記載されていた。

ソニックブーム
「ブラックマリアのオヤブンが自分のオイランドロイドに殺されやがった。しかもクラン全員がそのオイランドロイドに付き従うと言ってきやがる始末だ。ハッ!機械相手にアダウチもままならねぇとはなァ……」
「血の風呂ミッションだ。ブラックマリアの腑抜け共を皆殺しにしてこい」
「このビズをお前に任せる意味くらいわかるよなァ、エエッ?」

 ヤクザクランの始末程度、ニュービーにも十分務まる仕事だ。
 名の知れたニンジャである君がわざわざ呼ばれた理由、それは事件にニンジャの影がちらつくからに他ならない……!

◇事前調査

 PCが望むのであれば、今回のミッションについて【ニューロン】【ワザマエ】を用いた『調査判定:HARD』を行うことが出来る。
 また、相応のマネーを積むことによって、同僚のソウカイニンジャ、またはストリートの情報屋に調査を任せることも可能だ(報酬から天引き)。

◇事前調査に対する修正(上限なし):
最も適した知識スキル(+3):
オイランドロイド、ソウカイヤ
次に適した知識スキル(+2):
ヤクザの流儀、犯罪

調査の依頼
調査報酬1段階につき万札2(最大3段階、合計万札6)

調査判定で掴める情報や報酬

判定成功時に与えられる情報:
ブラックマリアはモータルのみで構成されたクランで、用心棒のニンジャもいない。しかし、流石に暴走オイランドロイドの言いなりになるほど弱くはない。腐ってもヤクザだ。ジョルリ・ジツを警戒しろ。

この情報を得たPC達は的確な下準備を行い
即応ダイス、緊急回避ダイスを1個ずつ獲得する。

【6】成功時の追加情報と報酬
◎騒動後、ブラックマリアには用心棒ニンジャが出入りするようになったことが分かった。おそらくそのニンジャが今回の一件の犯人だろう。

この情報を得たPC達は目標の情報について理解を深め
アドレナリンブーストの使用可能回数が1回増える

【6,6】成功時の追加報酬
◎用心棒ニンジャの名前はロックカット。
典型的なサンシタであり、オイランドロイドを操作するほどのジツを持っているとは考えづらい。
つまり、ブラックマリアにいるニンジャは一人ではないということだ。

調査判定を担当したPCは『重要情報:複数のニンジャ』を得る。

◆ゲームスタート

ミッションリタイアについて
 君は部屋の移動時、または敵と戦闘中であっても、いつでもミッションリタイア(すなわちブラックマリア・ヤクザクランからの逃亡)が可能だ。しかし、敵と交戦中の場合は【連続側転判定】に成功する必要がある。
 碌な成果を上げず逃亡した場合の君の立場は保障しない。死にはしないだろうが、オナーは傷つくだろう。

◆応接室

 君が玄関からエントリーすると、そこには斧を持ったニンジャと配下らしきレッサーヤクザが待ち構えていた。

斧を持ったニンジャ
「ふん、ソウカイヤが来ると聞いたが、たったの一人か」
レッサーヤクザA
「で、でもロックカット=サン……あいつ多分ニンジャ……」
ロックカット
「だからどうした!イヤーッ!」
レッサーヤクザA
「アバーッ!!」

 ロックカットは無造作に斧を振り下ろし、レッサーヤクザの一人を真っ二つにする!

ロックカット
「相手がニンジャなら俺もニンジャよ。貴様らは黙って援護でもしていろ」
レッサーヤクザB、C
「「ヨ、ヨロコンデー!」」

ロックカット
「……いかんいかん、ドーモ、ロックカットです。さあ、殺すか」

 ロックカットは思い出したように君に向き合うと、おざなりにアイサツした。戦闘の始まりだ!

◆ロックカット(種別:ニンジャ)
カラテ     4   体力    5
ニューロン   1    精神力   2
ワザマエ    2   脚力   2/N
ジツ     0   万札     5
攻撃/射撃/機先/電脳  5/3/1/1
回避/精密/側転/発動  4/3/2/1
◇装備や特記事項
『◉ニンジャソウルの闇』『◉邪悪なサディスト』
『斧(チェーンソー)』
◆レッサーヤクザ×2(種別:モータル)
カラテ     2   体力    1
ニューロン   2    精神力   1
ワザマエ    3   脚力   3/-
ジツ     -   万札     0
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/2/2
回避/精密/側転/発動  -/3/-/-
◇装備や特記事項
『チャカガン』

ロックカットとレッサーヤクザ×2の攻撃方針
 ロックカットは斧による近接2ダメージ(判定HARD)、レッサーヤクザ×2はチャカガンによる発砲を行う。
 レッサーヤクザ達を倒せば当然チャカガンによる攻撃は止まるが、彼らは互いに離れているので近接連続攻撃によって一度に倒すことは出来ない。

◆ロックカットを倒した

ロックカット
「サヨナラ!」

 君は万札5を得る。

 あっけない勝利だった。君にとって、そこら辺からPOPしてきたようなニュービーは相手にならないのだ。

◇『重要情報』を持っていない

 ウカツ!ニンジャを倒し気が抜けた状態の君は、迫り来るドス・ダガーにギリギリで気付く。先ほどのレッサーヤクザの持っていたドスが、ひとりでに浮かび上がっているのだ!これはキネシス・ジツだ!

【回避判定:HARD】を時間差で三回行え。
 
失敗した回数×1ダメージを受ける。

 どうやらニンジャは一人ではなかったらしい……気を引き締める必要がありそうだ。

◇『重要情報』を持っている

 敵ニンジャが一人ではないことは既に調べがついている。
 先のロックカットは後で雇われたサンシタだろう。
 君はニンジャ洞察力によってエテルの乱れに気づき、迫り来るドス・ダガーを難なく弾き返した!
 どうやら敵はキネシス・ジツの使い手らしい。君は周囲に気を配りながら先へ進んだ。

大広間

 君の目の前には重厚な物理扉がそびえ立つ。ここはクランの大広間へ続く扉であり、またオヤブンの部屋へと続く順路でもある。

 大広間の扉を開くと、そこにはマシンガンを手にしたレッサーヤクザの集団が待ち構えていた!

レッサーヤクザ達
「「「「ザッ……ザッケンナコラー! アイエエ!」」」」

 ニンジャを倒すのに、閉所での弾幕射撃は効果的な手段だ。
偶然であろうが、ヤクザ達の攻撃はそれを充たしている……!

以下のA~Bのどれかを選び、弾丸を回避せよ

A合計2ダメージ【回避判定:U-HARD】で判定する
B合計1ダメージ【回避判定:U-HARD2】で判定する

 回避判定が終われば反撃の時間だ!
 レッサーヤクザの集団に合計5のダメージを与えろ(近接・遠隔・ジツは問わない)
 合計4ダメージを与えられなかった場合、上記の回避判定をまた行う。

◇合計5ダメージを与え終わった

レッサーヤクザ達
「「「「グワーッ!」」」」

 レッサーヤクザは君の攻撃を受け全滅!
 大広間は一面ブラッドバスのゴア空間と化した!

◆オヤブンの部屋

 君は並み居るヤクザ達をなぎ倒し、ついに最奥の部屋へと辿り着く。
扉を開けると、一体のオイランドロイドが悠然と椅子に座っていた。

オイランドロイド
「結局ここまで侵入を許すとは……あの役立たず共」
「ドーモ、ブラックマリアです」

 オイランドロイドは丁寧にアイサツする。そこにジツやハッキングの影響は感じられない。
 君のニンジャ第六感は気付いた。このオイランドロイド自体が、ニンジャソウルの憑依者であり、今回の事件の真の首謀者であることに!

ブラックマリア
「まあいい……貴方も相当に消耗したはず。私の敵ではありません」
「私のツルギよ、目の前の敵を始末しなさい」

 ブラックマリアを守るかのようにカタナが周囲を取り巻く。ブラックマリアを中心とするキネシスの渦は、徐々に君へと迫りくる……!

◆ブラックマリア(種別:ニンジャ、重サイバネ)
カラテ     4   体力    6
ニューロン   4    精神力   7
ワザマエ    3   脚力   3/N
ジツ     5   万札    10
攻撃/射撃/機先/電脳  5/3/5/6
回避/精密/側転/発動  6/3/3/9
◇装備や特記事項
『◉重サイバネ化』『◉◉グレーター級ソウルの力』
『☆カラテミサイルLV3』『★カラテバリア(発動済)』
『★ラピッド・カラテミサイル』『☆◉カラテミサイル触媒』
『▶︎生体LAN端子Lv1』『▶︎ヒキャクLv1』『▶︎テッコLV1』
『○ウキヨ』『飛び回る西洋剣(触媒×5)』

ブラックマリアの攻撃方針
 ブラックマリアはジツ主体のニンジャだ。君が遠距離主体のニンジャであれば精神力を消費して『★ラピッド・カラテミサイル』、近距離主体であれば『★カラテバリア』で迎撃し、攻撃フェイズでは『☆カラテミサイルLV3』を使用する。
 精神力がなくなればサンシタ程度の能力に落ちぶれるが、あまり精神切れを期待しない方がいいだろう。

ボスを討伐した

 「ンアーッ!」ブラックマリアは君のカラテの前に屈した。オモチシリコンの肌は至る所に裂傷が生じ、火花を散らした機械のボディが露出している。
 君は万札10を獲得する。

ブラックマリア
「そんな……私のツルギ達が……」

 君はブラックマリアのスカウトを行う事が出来る(面倒であれば殺しても良い)。スカウトに成功した場合、当然ソニックブームは君を高く評価するだろう。

【交渉判定:U-HARD】で判定せよ。

最も適した交渉スキル(+2):共感、誘惑
次に適した交渉スキル(+1):威圧

◇成功した場合

ブラックマリア
「一人の人間として……いえ、一人のニンジャとして扱ってください。私が望むのはそれだけです」

 ブラックマリアは君の提案を受け入れた。
 ソウカイヤ傘下のクランを破滅させた代償は彼女に大きくのしかかるだろう。
 しかし、それでも彼女は第二の人生を歩むことを選んだ。

◇失敗した場合

ブラックマリア
「私はもう誰かに従う気はありません……どうか」

 これ以上カイシャクを渋れば思わぬ反撃を受けるだろう。君はブラックマリアにトドメを刺し、爆発四散させた。(君が度を超したお人好しであれば、こっそり逃がしたかもしれない)

ブラックマリア
「散ればこそ……いとど桜はめでたけれ……サヨナラ!」

事務所玄関

 ここはブラックマリア・ヤクザクランという小規模のクランが拠点とした事務所であった。しかし、もうそのクランはこのネオサイタマの何処にも存在しない。
 君が全ての構成員を殺したからだ。
 いずれソウカイヤの回収班がチリ一つ残さず掃除を済ませ、ソウカイヤに友好的な傘下組織がまた入居するだろう。君には関係ない話だ。

◇評価と報酬

A+:ヤクザクランは壊滅し、ブラックマリアのスカウトにも成功した。

A:ヤクザクランは壊滅し、ブラックマリアも爆発四散させた。

B:オヤブンの部屋には到達したが、敵の強さに押され撤退した。

C:オヤブンの部屋にも辿りつかずブザマに逃げ出した。

報酬:「お前に任せて正解だったぜ」

A+:「今日のスカウトノルマはお前が持ってきた分で終わりだ。
   今から飲みに行くぞ。」
【名声】+1【万札プール】+10 
A:「まさかオイランドロイドのニンジャとはなァ」
 
【名声】+1【万札プール】+5
B:「チッ 面倒なことになりやがった」
 
【万札】±0
C:「スッゾコラー!ニュービーからやり直せッコラー!」
【名声】-1 

終わりに

攻略または読了オツカレサマドスエ!