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目が覚めてホークアイ

起きたって良い事なんて何もないのに4時に目が覚める。夢の中で過去の自分に捕まりそうになって現実に逃げ込んだ様に覚醒する。また会えた喜びと会えない現実、忘れられていない自分への葛藤。目を瞑り夢に潜りたくても、体が言うことを聞かない。

このまま1日を始めるのも面白みもない。夕べのグラスにビールを注ぎホークアイを見る。

2杯目を半分飲む頃に冷たい朝焼けに心を奪われる。窓を開けると冬が部屋に遠慮なく乗り込んでくる。

熱い頭と冷たい足。エアコンが吐き出す音が懐かしい。今日は祖母の命日だ。手足が冷える時に祖母は亡くなった。

ミスチルのTomorrow never endsと細川ふみえの今では完全にアウトなCMが世の中を賑わせていた頃、日立のおばあちゃんは亡くなった。

冷たい冬の中、エアコンから吹き付ける暖房の音は飛行機のジェットエンジンのようにあの時と同じ旋律で部屋を支配する。

墓参りより仕事を優先して申し訳ない。むしろ仕事はどこでも出来たはずだ。

もうだいぶ明るい。暗闇が恋しい頃だ。無い物ねだりを繰り返して不毛な日々を積み重ね、命が錆び付くのを待つばかり。

さて眠ろう。

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