今年もアツかったABC!!

noteでははじめまして、つのです。

Xなどではまとまりきらないバカデカ感情が生まれたときに不定期で書き連ねます。

つののことを知ってくれている方はご存じの通り、お笑いが大好きなので主に賞レースでとても事細かに書くことになるかと思います。

”つのちゃんのことが好きなのに全部は読めない、受け止められない、理解できない”

そんな方も大丈夫。当たり前です。あなたが正しい。

こちらのnoteはつのちゃんのことが好きな人のための文章ではなく、お笑いが広く好きな人、というよりもつのがバカデカ感情を整理するための文章ですので。

では、今回は先日関西で行われた<ABCお笑いグランプリ>についてお話します。

はじめに

ABCお笑いグランプリとは、朝日放送が主催する賞レースで、10年目以下の若手芸人による漫才・コント・ピン芸すべてのお笑い異種格闘技戦です。
テレビでの放送は関西のみ、Abemaなどでは配信で見られます。
前身の「ABC漫才・落語新人コンクール」「ABCお笑い新人グランプリ」から始まり今年で第45回目の開催でした。

関西ではこういった10年目以下くらいの賞レースがいくつか存在するのですが、その中でもABCお笑いグランプリは個人的に一番好きな賞レースです。

テレビ番組として若手芸人のキラキラ感を演出しようという気概や忖度を一切感じさせない完全ネタ実力主義、異種格闘技だからこそシビアで予測ができない、私にとっては至高のエンタメです。

ここからは1組ずつ振り返ります。先に言っておきますがきっと文量に差が出ますが、そちらは熱量というよりつのがそれを言語化する能力があるか否かの話ですのであしからず。

Aブロック

ぐろう 自転車

ぐろうさんはとにかくワードセンスが良い。マジカルバナナがうまい。
普通の顔して決して高くないトーンでぽんぽん変なことを言われ続けるの、脳がうれしいんですよね。
つのが好きな言葉数でうるさい人間のうちの一人です。
もっとパンチラインがとめどなく出続けるネタも知っているからこそ、今回は悔しかったですね。
トップバッターだったしもっと頭に残せるネタがあるのに、、、という気持ちにもなりますが、ABCは構成もかなり見られているので難しい、、、。
今回のネタももちろんおもしろかったのですが!!
「被害届出したやろ」からの間と「出てた?」の一言だけで一気に詐欺師モードになる感じとか。
「ちょっと加害者がとる態度かな」で一気にギアを上げる感じとか。
そういう瞬間すきですとても。ハイな漫才ではないけれど、その中でもちゃんと変化があって。
でも、ぐろうさんの一番好きな部分はやはり「弱虫ペダル」だとか後半のラップパートだとか、そういううるささが大好きです。あのうるささを一生浴びていたい。

天才ピアニスト タクシー

天ピさんは本当に技術が強すぎる。”上手い”を”おもしろい”にするには相当な技術が必要だと思っているのだけど、明らかにコントの中、しかもコントの中でも嘘なのに、赤ちゃんが生まれるところで拍手が起こるのはますみさんの技術があってこそなんだろうなあ。
あと審査員コメントでも言われていたけど顔が良い。非常に。
天ピさんはテレビ映えもするからそっちに進んでもいいものを、ネタにもすごく力を入れて努力されていて、どこに行っても名前の挙がる方で、語彙力がなくて申し訳ないけれどほんとうにすごい。
多くは語れないけれど、直感でのおもしろいを作るのって難しいですからね、、、

ダウ90000 秘密

8人の使い方がうまいですねとても。
8人使う構成でみなさん演技力があるし、ネタの雰囲気としても演劇的になることは仕方がないのだけれど、今回のネタは1ワードを起点に一気にコントインするのが非常に気持ちよかったですね。
淡い青い空気感から1セリフでコントに入り、またストーリーが進んでいく中で同じセリフでコントに引き戻される。
どこで誰が入ってきて、どういう関係性かが見えてきて、どこで人が捌けて…演劇といわれることに苦しんでいたみたいだけど、コントなのにたった4分でしかと作品として見られるものにしているのは本当に蓮見さんの手腕ですよ、、、
あと、これを読んでいるみなさんはすでに見た前提で話を進めていますが、二回目見返すポイントとして、吉原さんが担任と付き合ったことをカミングアウトしたときの園田さんの喜び方。この時は表情に出さず一緒に喜んでいる様が後から見返すととても良いですね。

金魚番長 オーケストラの指揮者

Aブロックが終わったとき、正直金魚番長いったなと思いました。
それくらいウケも構成も爆発力も申し分なかったと思う。
長く関西で息をしていた私はあまり金魚番長さんを拝見する機会はなかったのだけれど、賞レースの結果とか劇場のバトルライブの結果ではよく名前をお見受けするコンビで、やっぱりそれだけのことはあるねとなりました。
古市さんの”言い方”が大好きで、緩急大好き私、大歓喜してしまいました。
言い方ひとつでこんなに裏切っていただけることってあるんですね、、、
つっこんだ後にもなぁんかもにょもにょ言っていて、スタイル的にはハライチの澤部さんに近いんだけど決して二番煎じではなく勢いよく畳みかけるところと溜めてワードを残すところとあって緩急があり古市さんのスタイルを確立していて、ほんとうに心奪われちゃった。
しかも言い方やワードだけでなく、全然ちがうとこにいたとかって小さいギミックがあったり、ちゃんとハープである意味があったり構成としてもしっかりしていて個人的に今回のABCで一番好きになったコンビでした。


Bブロック

エバース 車やってくれない?

緊張しちゃったね~~~~~~~~~~(´;ω;`)!!!!
本当に仕方がない、それだけガチの現場なんです。
佐々木さんがあぁって言っちゃったの聞いてあぁ!!!!(バカデカボイス)となりました。
エバースさんもあまり触れてきてはいない方ではあるのですが、頭がおかしいタイプのトピック好きなので勝手に悔しいきもちになりました、、
「何を原動力に走り出せばいいの?」って時を経て追いつくのとかそういう手法も好きなんですよね。
ある程度くることが予測できたとしても、どこで言ってくれるかなってわくわくしちゃう。
”ルンバ車の陰性”とかワードの面白さもきちんと残せるお二人なので、ネタ終わり山里さんに拾ってもらえてよかった。

やました 別れ話

今回唯一つのがネタ完全初見だったやましたさん。
笑いを生むのに共感は大事だと思うけれど、共感だけでは爆発しないと思っていて、あるあるのおもしろさと、そりゃあ別れたいよと共感させられる運び方と、喋りのうまさ。
軒並み言われているとは思うけどやはり4年目であの完成度はえぐいなあと思います。
ああいった女性のピン芸人さん、柳原可奈子さんや横澤夏子さんを彷彿とさせますが、ふいに「こういうのがいらんよね~」とこちらに寄り添ってくれたかと思いきやすごい速さで走り去っていくスピード感。
とんでもない練習量なんだろうなあと思います。
ピンのあの手のネタは本当にストイックじゃないとできない。

フランスピアノ パントマイム

2年前のABC、令和ロマンさんのライブで見ておもしろー!となったフランスピアノさん。
リアルでどこか狂気じみたネタが多いんだけど、今回少しポップで、だけどフランスピアノらしさはなくなってなくてABCに寄せてきたのかなあと勝手に想像していました。
設定の良さもさることながら、理解させるまでに少し時間をかけて、こちら側が理解したところで一気に加速して、ようへいさんの移り方が一気に猟奇的になるあの感じがものすごく”フランスピアノ”を魅せられた気がしました。
あと、顔とか”オレンジトマト”とかコントが進む上でノイズになるほどめちゃくちゃ引っかかるわけではないんだけど、絶妙に頭に残るエッセンスを加えるのがすごくうまいなと思いました。
本当に私が言えたことではなさすぎるんだけど、フランスピアノさん好きだからこそ、オチだけより良い落とし方はなかっただろうかと日々考えています。
ほぼコントブロックだったBブロック、しかと皆の記憶に残したと思っています。

青色1号 面接

ヒールの令和ロマンくんがいなければ確実に今回のABCの空気感をかっさらっていたであろう青色1号さん。
解説ムーブが始まった瞬間どういう展開になるんだと一気に高まる高揚感。
一言一句進むたびに増幅するワクワク感がこれでこそエンタメ!と思わされましたね。
この設定、面接官と就活生の2人でもできなくはなさそうなんだけど、確実に3人だからこその立体感が生まれていて非常に良い。
漫才が多いブロックならインパクト強いのはわかるけど、これだけコント続きでインパクトを残せるのはやはり頭抜けてたなあと思います。
あととっても個人的に、湯島で生きる私たちからすると、湯島天神って出てくると少しウキウキしますよね♪
急なミーハー心が出てしまいましたわ。

Cブロック

令和ロマン 猫島

やはり彼らは賞レースが得意すぎる。
一昨年取ったカベポスターもつかみが早いと評価されていたけど、マイクの前に立つ前、出てくるところから様子がおかしくてつかまれる。
今回やっていた猫島のネタは記憶が正しければM-1の予選でもかけていたネタだけど、突飛すぎる設定とくるまさんの運びのうまさによる猟奇性でブロックを壊しにきつつ、M-1では多かった遊びの部分を減らして入り方~落とし方までかなり調整していて構成としてはすっきりさせてABCお笑いグランプリで勝てるネタに仕上げてきている。
さすがとしか言いようがないです。
間が必要なところはたっぷり待てる度量、賞レースの解像度の高さ本当に尊敬、、、
兵頭さんの講評にもありましたが、舞台捌きといい芸人としての色気といいその通りすぎる。
平場ですぐにヒールに回ったのも大変良かったですね。
ヒールになったことで他の出演者を焚きつける構図にしてむしろ回りの士気を上げるような演出になってるし、きっと出てくるであろうとりあえず令和ロマンをたたく層までエンタメに取り込むことで見え方を柔らかくしている。
自分たちだけが悪者になるけどそれもコント”平場”のキャラクターにしてしまう。
分析脳の彼らにしかできない最善の立ち回りだったなあ。
つのは平場が強い人間が好きです。

かが屋 地獄の空気

絶妙な空気感とどこか幸せになりきらない人の良いキャラクター、かが屋さんの真骨頂ですね。
かが屋さんにしてはアッパーめなコントなんだけど、やはり表情やマイムだけで空気感を変えて、この空気感が分かる私~~!とこちらをキマらせてくれるのがとても上手いかが屋らしさは全く失っていないとても好きコントでした。
その空気感はぶれてない、というか空気感そのものがテーマのコントでありつつ、言葉以外のところで伝えるのがすこぶる上手いかが屋さんが色々考えた絶妙な間の後の「同窓会の大スター」だとか、大会規定が4分だった中の「意外と5分経ってない」だとか、ワードまで残してきたのが本当に次のステージにいったんだなと思っちゃった。
「意外と5分経ってない」あまりにも綺麗すぎるじゃんね。
ことごとく賞レースに恵まれないお二人ですが、個人的にかが屋さんはKOCで輝くところを見たいです。

フースーヤ シンデレラ

あぁ~~ばかばかしいね!!最高だ!!!
なんだか今回のネタはより内容のなかった初期のフースーヤさんを彷彿とさせるようなネタだったと感じたのですが、バカをやり続けてそれだけじゃなくなった感じがありますね。
「陽性のフェアリー」良かった。
確実にインパクトの残るお二人ですが、これでもかと残してくる岩倉使節団。
世界一簡単な伏線の”おもんないTikTok”。
本当に彼らはプロのバカです。
フースーヤさんがこういう場で輝いているとこちらもうれしくなるね。
ちなみに谷口さんもつのの好きな平場つよつよ人間のうちの一人で、実は頭の回転が速く、引き出しも多くてクラッシャーにもバランサーにもなれるマルチプレイヤーですのでおすすめです。

ぎょねこ 円周率

書いていて思ったのですが、ぎょねこさんも初見でした。
とにかくすごい。う大さんも仰っていたけれどこの手のネタを作り上げるのは本当にすごい。
個人的にジャンルだけでいえば漫才とコントの半々だったけど、ネタといいコンビの雰囲気といい一番異種格闘技だったのはCブロックだと思っていて、最後だったこともあり違う順番で出たらまた写り方が違っていたのかもと思います。
はもったところで狂気性が一段上にいっていて、、つのちゃんもしかして狂気が好きなの、!?
ぎょねこさんが入ってくることによって全く別の角度からのエンタメをぶつけられたような気がして、より難しくなったCブロックだったなあ。

最終ステージ

令和ロマン 実家

一本目はくるまさんの舞台捌き、饒舌さを魅せられるネタでしたが、二本目はくるまさんはマイムに徹してケムリさんの表情、間などの表現を魅せられるネタでした。
優勝配信で話していた技術の部分がとても感心したのですが、ケムリさんの実家が有名になりすぎているためそこを使わないのは勿体ないけど、今から嘘実家の話をする境界線を作るために入りの部分はロートーンだったところを「ちょっと今からぁ!」と大振りすることによってコントインしているらしく、そういう話が聞けるのはとてもうれしいたのしい。
言葉数だけでない令和ロマンの表現力、ケムリさんの良さが出ていて、初めてM-1の決勝に出たときのロングコートダディみたいだなあと思いました。
たしかどちらかが堂前さんによる兎さんの好きなところ発表ドラゴンみたいなネタだったんだよ概念として。ネタでそういう話をしているんじゃなくて、相方のおもしろいと思うところをネタに込めているような、、、
最後「ありがとうございました」って言ったところのケムリさんがあまりにもニッコニコでご本人たちもきっとやってて楽しいんだろうなとにこにこしちゃいましたね。

青色1号 誕生日

またもわくわくするエンタメ。
ツッコミのフラストレーションとともに客席の温度感が上がっていくのをとても感じて、ハッピーバースデーを歌い始めるまでにもウケてるんだけど実はそこまでの狂気は振りで歌い始めたところから一気にギアが上がった空気感。
一本目もかなりインパクトを残せるネタだったけど、賞レースでありがちな一本目の方がよかった、、みたいな感情を一切生まない申し分ないインパクト。
それでいて構成もしっかりしていて漫才には出せない完成度で、ほんっとうに令和ロマンくんがいなければ今回は青色1号さんの大会になっていただろうに、、、
青色1号さんも一昨年のABCで初めて見たのですが、一昨年よりもかなり好きなコント師になっていて報われてほしい人間リストに仲間入りしました。


ダウ90000 浮気

こちらもまた蓮見さんの手腕、、、
一人増えるごとに目まぐるしく変わる人間ドラマ、展開、これだけのものが4分間に詰まっていても伝わる構成力。
そして今回のネタは女性陣の演技力が光っていたなあと思いました。
どうやらこのネタはもっと長尺バージョンがあるらしく、そういわれると長尺で見たいネタだなあとなりました。
ダウ90000さんは賞レース向きとは言えないんだけれども、この大会で3年連続残って確実に名を広めている彼らはの実力は言うまでもないですね。
ダウ90000さんは一昨年のABCの観覧でしか生で拝見したことはないんだけど、単独ライブとか彼らの世界観を大ぶつけされる場で見てみたい欲があります。

さいごに

平場賞は確実に金魚番長さん。賞金の100万と同時にでてくるワンピース歌舞伎いやはや最高でした。
令和ロマンじゃなかったらどうしてたの???とは本気で思うけど、Bブロック中に白塗りを始めていたとの後日談を聞いてより好きになりましたね。
全然決勝に仲のいい人がいない可能性もあった中で、ぱっと出したワンピース歌舞伎を実現してしまうばかばかしさ、大好きです。
ライブシーンが大好きな私にとってはめちゃめちゃ盛り上がったライブのエンディングみたいで、これでこそ生のエンタメだなあと大喜びしました。

本当にとてもとても個人的な思い入れになりますが、2年前のABCお笑いグランプリはたまたま観覧が当たって生で拝見していて、その少し前にえ~好きかも~!となっていた令和ロマンさんがやっぱり好きだ!!と確信に変わった大会でもあったので、2年連続準優勝で終わった彼らが、唯一何も奪えなかったダブルヒガシさんの目の前で優勝する様を見られてとてもとても大満足でした。
もちろん誰が優勝しても満足だけれど、本当に見たいストーリーだったから。

あと、見たのは一昨年の話ですが、生で見ると山里さんのすごさをとてもとても感じます。
細やかな気の回し方、演者のことは全肯定して伝わってほしいところひそかにキャッチしているアンテナ。
緊張感のある現場であたたかい空気感を作っているのは確実に山里さんです。
そら売れるかあと思いました。

最後までヒールとして終わるのもきっとくるまさんの策のうちだったんだろうけど、余裕そうに見えて一の位がめくられる瞬間の表情とか、最後の山里さんのコメント中の表情とか、そういったところから彼らがABCにいかに本気で取り組んでいたかが見えて、本当に良かった。
テレビより賞レースを選ぶ彼らが大会に出る葛藤もきっとあっただろうけど、ちゃんと実力で勝って自分たちだけがヒールで終わる彼らがほんとうに大好きだし痺れます。

ここまで約7000字、ABCお笑いグランプリ放送時間の二倍くらいかけて書きましたが、まとまっているとはいえない文章を読んでくださった方、ありがとうございました。

やはりABCは最高のエンタメでした。まだ配信見られますので、ぜひ。

AbemaのURLを貼ろうとしたらエラーが出るので、ほんの少し自分のことを書いておきます。

実は東京は湯島で会える人です。気が向いたらお待ちしております。


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