関税法基本通達 73-3-2

輸入許可前引取りの承認の基準

輸入許可前引取の承認の申請があったときは、法第73 条第2 項に規定する場合のほか専ら関税の納期限の延長を目的とする等明らかに制度の本旨に反すると認められる場合を除き、その申請に係る貨物が有税品であると無税品であるとにかかわらず、その承認をして差し支えない。

特に、次に掲げるような場合には、輸入許可前引取の承認をして差し支えないので、留意する。

(1) 税関側の事情により輸入許可が遅延する次のような場合

イ  新規輸入品である等の理由により課税標準の審査に日時を要する場合

ロ  分析、検定を要する等の理由により関税率表の分類の審査に日時を要する場合

ハ  免税に該当するかどうかの審査に日時を要する場合

ニ  セットとして課税すべき貨物につき、その一部が未到着である等の理由により分割して輸入申告がされた場合

(2) 申告者側において、特に引取りを急ぐ理由があると認められる次のような場合

イ  輸入貨物が消散、漏洩、変質又は損傷のおそれがあるものである場合

ロ  輸入貨物が動植物、貴重品、危険物等である場合

ハ  輸入貨物が報道用の写真又はフィルムである場合

ニ  展示会等に出品のため時間的制約がある場合

ホ  輸入貨物である原料の在庫がなく、工場の操業等に支障をきたす場合

ヘ  設計その他都合により工場管理面に支障をきたす場合

ト  その他取引先への納期が切迫している等の場合

(3) 申告者側の事情により輸入許可が遅延する次のような場合

イ  インボイスがプロフォーマーであること、又は契約が揚地ファイナルであること等の理由により、課税標準の決定に日時を要する場合

ロ  協定税率、EPA税率の適用のため必要とされる原産地証明書又は締約国品目証明書の提出が遅れる場合(EPA税率の適用の場合には令第61条第4 項の規定により税関長が認めた場合に限り、特恵税率適用の場合には関税暫定措置法施行令第28 条ただし書の承認を受けた場合に限る。)

ハ  免税関係書類を整えるために日時を要する場合

ニ  その他法第68 条の規定により提出を求められた輸入申告の内容を確認するための必要書類の提出が遅延する場合

(4) その他次のような場合

イ  作業終了届の一括提出を認められた保税作業による製品を輸入する場合において、その作業終了届の提出が遅延する場合

ロ  試運転用の燃料油、助燃剤又は潤滑油を船舶に積み込む場合

ハ  その他税関長が許可前引取を承認すべきやむを得ない理由があると認める場合

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