関税率表 第84.70項

第 84 類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品

84.70 計算機並びにデータを記録し、再生し及び表示するポケットサイズの機械(計算機能を有するものに限る。)並びに会計機、郵便料金計機、切符発行機その他これらに類する計算機構を有する機械並びに金銭登録機
8470.10-電子式計算機(外部の電源を必要としないものに限る。)並びにデータを記録し、再生し及び表示するポケットサイズの機械(計算機能を有するものに限る。)
-その他の電子式計算機
8470.21--印字機構を有するもの
8470.29--その他のもの
8470.30-その他の計算機
8470.50-金銭登録機
8470.90-その他のもの

この項のすべての機械は、ある種の金銭登録機を除き、一つの共通の特性、すなわち計算機構を有している。数を単に1個ずつ数え又は加えるだけの機構(例えば、ある種の切手帳付け機、積算回転計又は生産量計に組み込んであるもの)は、計算機構とみなさないことに注意しなければならない。この項の機械には、手動式のもの及び電動式のものがある。計算は、機械的な方法により又は電磁式、電子式若しくは流体式の装置により行われる。
(A)計算機並びにデータを記録し、再生し及び表示するポケットサ
イズの機械(計算機能を有するものに限る。)
このグループには、単に加減算のみを行う最も簡単な型式の機械から、四則演算その他の計算(例えば、開平計算、べき計算及び三角関数計算)を行うこともできる複雑なものまでの広い範囲の計算機を含む。特に、ポケット電子式計算機、事務用電子式計算機が含まれる(プログラムすることができるかできないかを問わない。)。また、このグループには、計算機能を有するものでデータを記録、再生及び表示するポケットサイズの機械が含まれる(この類の注8参照)。
プログラム可能な電子式計算機は、人の介入なしに処理用プログラム(処理の進行中において論理判断によりその実行の変更を命令するもの)を実行することができないという点で、自動データ処理機械とは異なる。これらの計算機は、複雑な数学的演算を行うように設計されたマイクロプロセッサを自蔵する。
計算機は、次の主要部分から構成されている。
(1)データ入力用の手動装置:この装置には、カーソル式、キーボード式等のものがある。
ただし、繰り返し使用するデータ又はプリセットデータの自動入力を行うための補助装置(せん孔カード、せん孔テープ、磁気テープ等の読取機)を有する計算機もある。
(2)計算装置:この装置は、一連のキー又はプログラムにより作動される部分であり、プログラムには、固定式のもの又は可変式(プログラム要素の交換又はプログラムに含まれる命令の変更による。)のものがある。
(3)出力装置:この装置は、計算結果をディスプレイ上で目に見えるように又はプリントアウトの形式で示す部分である。プリンターには計算結果のほか、場合によっては当初のデータも印字する機構を自蔵するものがある。ただし、このような機構を有するか有しないかを問わず、計算機はこの項に属する。
印字機構付き計算機には、数字及び限られた種類の記号が使用される。ただし、帯状又はロール状の紙に縦方向にのみ印字が行われるという点において会計機とは異なる。なお、計算結果を符号化した形で媒体に記録するための補助装置を有するものもある。
これらの計算機の構成要素(計算装置、補助装置等)の中には組込み式になったもの及び別床の機器を構成してケーブルにより接続されるものがある。
(B)会計機
この機械は、会計帳簿、会計帳票等の記帳を行うように設計されたものであり、会計(すなわち、一連の項目の金額を合計すること)の機能及び会計事務を適切に記帳するための数字、文字又は記号を印字する機能を合わせ持つ機械である。
会計機の構造は、計算機にかなり類似している。各種データの入力(例えば、貸方及び借方の操作)のための手動装置のほか。計算機の場合と同様に、繰り返し使用するデータ(口座番号、顧客の名称、住所等)又はプリセットデータ(例えば、残高)を入力するためのせん孔カード、せん孔テープ、磁気テープ、磁気カード等の読取装置を取り付けた会計機もある。
会計機は、数字又は文字と数字との組合せ記号の印字機構(縦及び横の両方向に印字することができる。)を有しており、このことは本品と計算機とを区別する特徴の一つである。
この機械は、多くの場合、支払伝票、仕入書、ルーズリーフ式の取引日記帳、仕分帳、元帳、ファイリングカード等のような印刷様式に対して使用するように設計されており、またある種の会計機は、二種類以上の書式(例えば、仕入書及びこれに対応する取引日記帳並びに元帳)に同時に印字することもできる。
この機械には、データを符号化してデータ媒体に転記する装置を備えているものが多い。ある種の機械には、カード上に明瞭に印字すると同時に、当該カードの側面にある磁気トラックにその結果を符号化して転記するものもある。この結果、当該機械におけるその後の処理のための基礎データとして使用することができる。
会計機は、計算機の場合と同様に、一体型の単一ユニット又は電気的に相互に接続した別床のユニットから成る場合もある。
(C)金銭登録機
このグループには、金銭登録機を含み、計算機能を自蔵するかしないかを問わない。
金銭登録機は、商品、営業所等において行われるすべての取引(販売サービス提供等)の記録、すなわち、関係する金額、それらの合計額又はある場合には、販売された物品のコード番号、販売数量、取引日時等の記録を作成するために使用する機械である。
データは、キーボード及びキー、レバー又はハンドルを使用して手動で入力されるか、又は、例えばバーコードリーダーを使用して自動で入力される。また、計算機及び会計機の場合と同様に、繰り返し使用するデータ又はプリセットデータの自動入力を行うための補助装置(例えば、カード又はテープの読取機)を有するものもある。
通常、処理結果は目に見えるようにディスプレイに表示され、同時に顧客用のレシート及び計算記録用ロール紙にプリントされる。計算記録用ロール紙は、照合のため定期的に機械から取り外される。
この機械は、現金を収納するための引出しを組み込んだものが多い。
また、この機械は次のような装置を自蔵し又はそれらと連係して作動するものがある。すなわち、これらの装置としては、計算能力を増加させるための倍率器、両替手数料計算機、自動釣銭支払機、商品引換券発行機、クレジットカード読取機、小切手用数字照合機、取引データの全部又は一部をデータ媒体に符号化して転記する装置等がある。別々に提示された場合は、これらの装置は、各々該当する項に属する。
この項には、自動データ処理機械と連係して作動する金銭登録機(オンライン式のものであるかオフライン式のものであるかを問わない。)及び、例えば、同一の機能を実行するため、別の金銭登録機のマイクロプロセッサー及びメモリーを使用する金銭登録機(それらはケーブルで連結されている。)を含む。
このグループは、また、クレジットカード又はデビットカードによる電子決済用端末を含む。
これらの端末は、支払い額及び残高を表示する受領証を発行し、記録する目的で、又は取引の承認及び完了のために金融機関に接続する目的で、電話回線を使用する。
(D)計算機構を自蔵するその他の機械
これには、次の物品を含む。
(1)郵便料金計機:郵便切手の代わりとなる印影を封筒上に印刷する機器であり、印刷した郵便料金の金額の集計を行う非逆転式の合計する機構を有している。なお、この機械は、封筒上にその他の印刷(例えば、広告宣伝用の標語)を行うために使用することも多い。
(2)切符発行機:切符(例えば、映画用又は鉄道用のもの)を発行すると同時にその金額の記録及び集計を行うために使用するもので、種類によっては切符の印刷を行うものもある。
(3)競馬用の賭(か)け率計算機:馬券を発行し、賭(か)け金の金額の記録及び集計を行うための機械であり、ある種の複雑な機械では配当率の計算を行う場合もある。発行した切符等を単に数えるだけで集計する機能を有しない機械は、この項には属しない(84.72 項又は硬貨を挿入することにより作動する方式のものであれば 84.76 項)。

部分品及び附属品
部分品の所属に関する一般的規定(16 部の総説参照)によりその所属を決定する場合を除くほか、この項の機械の部分品及び附属品は、84.73 項の属する。

この項には、次の物品を含まない。
(a)84.71 項のデータ処理機械
(b)重量の合計機構を有する重量測定機器(84.23 又は 90.16)
(c)計算尺、計算盤、円筒形計算器その他の計算機(計算尺その他の数学的計算の原理に基づくものに限る。例えば、所定の方法に従って針で数を選ぶことにより計算するポケット式の加減算装置を含む。)(90.17)
(d)90.29 項の積算回転計、生産量計等のように1単位ずつを計測する機器


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