関税率表 第91.14項


第 91 類 時計及びその部分品

91.14 その他の時計の部分品
9114.10-ばね(ひげぜんまいを含む。)
9114.30-文字板
9114.40-地板及び受け
9114.90-その他のもの

この項には、次に記載する物品を除くほか、すべての時計の部分品を含む。
(a)この類の注1により除外される部分品
(1)おもり、時計のガラス、携帯用時計の鎖、玉軸受及び軸受用玉(例えば、自動巻き携帯用時計のもの)
(2)15 部の注2のはん用性の部分品(例えば、ねじ(受け、りゅうず、文字板、角穴車、こはぜ、受座(end-stone cap 又は index disc)、かんぬき、おしどり等用のもの)、テーパーピン、時計用鎖及び文字板用の数字で、卑金属製のもの(15 部)、プラスチック製のこれらに類する物品(39 類)並びに貴金属製又は貴金属を張った金属製のもの(通常、71.15)
これらの部分品は、それぞれ該当する項に属する。ただし、時計のばね(ぜんまい、ひげぜんまい等)はこの項に属する。
(b)この類の他の項において、より特殊な限定をして記載をしている部分品(例えば、91.08項又は 91.09 項の時計用ムーブメント(完成品に限る。)、91.10 項のムーブメントセット、未完成の時計用ムーブメントで組み立てたもの及びラフムーブメント、91.11 項又は 91.12項のケース並びに 91.13 項の携帯用時計のバンド及びブレスレット)
上記(a)又は(b)に記載する物品を除くほか、時計用及びその他の物品(例えば、がん具、計器、測定機器及び精密機器)用のいずれの用途にも適する部分品(ぜんまい、輪列、石、指針等)は、この項に属する(この類の注4参照)。ただし、この項には、明らかに時計の部分品と認められない物品(例えば、タイムレジスター用の印字装置及び合計装置並びに 91.06 項又は 91.07項の物品に使用するある種の部分品)を含まない。
この項には、時計の部分品のブランクと認められる物品を含むが、時計の部分品とはまだ認められないような金属片(例えば、地板、受け等で、削ったままのもの及び粗く形に切ったままのもので、穴あけ、くり抜き等の加工をしてないもの)を、含まない。これらは、構成する材料により該当する項に属する。
この項の時計の部分品には、磨いてないもの、磨いたもの、ニッケルめっきしたもの、ロジウムめっきしたもの、銀めっきしたもの、金めっきしたもの、ワニスを塗布したもの等又は宝石を取り付けたものがある。
上記の規定に基づき、この項に属する時計の部分品には、主として次のような物品がある。

(A)ウォッチムーブメントの部分品(機構が複雑なもので
あるかないかを問わない。)
これには、次の物品を含む。
(1)フレーム:地板(その他の何らかの外板を含む。)及び受け(香箱、二番車、三番車、四番車、てん輪、脱進機、小鉄車等のもの)
(2)駆動機構:ぜんまい、香箱、香箱ふた、香箱真、角穴車、こはぜ及びこはぜばね
(3)輪列:二番車、二番かな、三番車、三番かな、四番車及び四番かな
(4)日の裏輪列:筒かな、日の裏かな、日の裏車及び筒車
(5)脱進機(アンカー式、レバー式、ピンパレット式、シリンダー式、戻り止め式等):がんぎ歯車、がんぎかな、アンクル、アンクル真、振り座、つめ石、振り石及びシリンダー
(6)調速機:てんぷ、てん真、ひげぜんまい(平、巻上げ又はちょうちん)、音さ、ひげ持、ひげ玉、緩急針、緩急針受(index stud)、受座(end-stone cap 又は index disc)、緩急針ばね及びてんぷ下軸受一式(耐衝撃装置用の特殊な部分を含む。)
(7)巻上げ機構及び時刻合わせ機構:りゅうず、巻真、きち車、つづみ車、小鉄車、丸穴車、角穴車、丸穴座、かんぬき、おしどり、おしどり押え及びかんぬきばね
(8)電子式ムーブメントの部分品:携帯用時計の電子回路で、例えば、絶縁基板に配線を印刷したものに印刷以外の方法により製造した個別の構成部品(例えば、コイル、コンデンサー、抵抗器、ダイオード及びトランジスター)を配置したもの(集積回路とともの使用する場合もある。)
(9)台付き脱進機構:これは、地板、受け、脱進機、てん輪、ひげぜんまい及び時計用ムーブメントの緩急針から構成したもので、輪列を有するか有しないかを問わない。これには、調整した脱進機とともに組み立てたもの及び組み立てたててないものを含む。
組み立てた台付き脱進機には、時計用ムーブメントを使用する各種の機器(タイムレジスター、タイムスイッチ等)、小型時計又は目覚まし時計に組み込むように設計したものもある。

(B)時計(携帯用時計を除く。)用又は目覚まし時計のムーブメン
トの部分品
これらのムーブメントの部分品の多くは、ウォッチムーブメントの部分品と原理的には類似しているが、より大型である。
時計用のムーブメント(ウォッチムーブメントを除く。)に特有の部分品には、おもりドラム、振子(補正振子(水銀、アンバー製の軸等)を含む。)、振りさお、軸、軸車、反動式脱進機、直進式(又は Graham 式)脱進機等及び独立した巻きかぎを含む。目覚まし時計用ムーブメントの部分品には、取り付けた巻きかぎ及び針回しつまみを含む。

(C)打方機構の部分品
(1)目覚まし時計の打方機構:鳴止めあげ、アラームがんぎ、がんぎ車、指示真、アンクル、打しゅもく等
(2)時計の打方機構(数取り式、本打ち式等):香箱、香箱歯車、数取り歯車、打一番車、打二番車、打三番車、打四番車、風切り、回転止め、レバー、風切りばね、反復ラック、渦形カム(snail)、しゅもく、lifting piece、軸、風切車、くしば送り、ラック、ボール、ゴング及びチャイム

(D)石
このカテゴリーには、加工した(すなわち、整形、カット、研磨、穴あけ、くり抜き等を施した又ははめ込み(取り付け又はねじ込み)をした)石(貴石)のみを含む。加工してないもの及び粗く切断したものは除外される(71 類)。時計用の貴石は、通常、極めて小さく、その直径及び厚さがそれぞれ2ミリメートル及び 0.5 ミリメートルを超えることはまれである。
時計の製造に使用する主な石は、天然又は合成のルビー、サファイヤ及びガーネットで、時によりダイヤモンドも使用する。安価な時計にはガラスを使用することもあり、また、宝石の代わりに金属製のキャップを使用するものもある。
時計用の石は、それが支持する部分品の名称を冠して、例えば、二番車石、三番車石、四番車石、がんぎ車石、アンクル車石及びてん輪石のように呼ばれる。円筒型ほぞの軸受は、穴石又は穴石と丸石(受石)とから成る。円すい型の空洞を有する石から成るものもある。
脱進機を取り付けた時計は、軸受用丸石のほかに3個の特殊な形状の石(2個のつめ石(アンクルの両端に取り付ける斜めに面取りした石)及び1個の振り石(振り座用の石で、通常、断面が半円形又は三角形である。))を取り付けてある。
石のはめ込みは、手作業で行うか、はめ輪石を使用するか又は最も一般的な方法として圧入により行う。

(E)文字板
文字板は、時、分及び秒を表示する数字又は目盛りを有する。これには、平面又は曲面のものがあり、通常、銀めっき、金めっき、ペイント塗装、酸化被膜処理その他の処理をした黄銅製のもの、エナメルを塗布した銅製のもの、金製のもの及び銀製のもの又は時には紙製、ガラス製、プラスチック製若しくは陶磁製のものがある。数字その他の記号は各種の方法(転写、着色、刻印等)により作られる。文字板には、蛍光を発する数字又は記号を有するものもある。
文字板は、金属製のねじ、ピン又は outer ring によって地板(又は dial plate と呼ばれる外板)に固定される。

(G)指針
これは、時、分及び秒を指示するものである。この項には、また、クロノグラフ時計用の特殊な指針及び目覚まし時計等用の針も含む。時計用指針には、平らなもの及び曲げたものがあり、鉄鋼製、黄銅製又は銅製で、通常、研磨、酸化被膜処理、ニッケルめっき、クロムめっき、銀めっき、金めっき又はラッカー塗装をしたものがある。時には、金製又は骨製のものもある。蛍光を発する指針は、放射性元素の塩(放射性トリウム、メソトリウム等)をもととした化合物を充てんした「窓」を有している。指針には、文字板の型式に適合するようにデザインした多数の型式のものがある。


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