関税率表 第87.04項

第 87 類 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品

87.04 貨物自動車
8704.10-ダンプカー(不整地走行用に設計したものに限る。)
-その他のもの(ピストン式圧縮点火内燃機関(ディーゼルエンジン及びセミディーゼルエンジン)を搭載したものに限る。)
8704.21--車両総重量が5トン以下のもの
8704.22--車両総重量が5トンを超え 20 トン以下のもの
8704.23--車両総重量が 20 トンを超えるもの
-その他のもの(ピストン式火花点火内燃機関を搭載したものに限る。)
8704.31--車両総重量が5トン以下のもの
8704.32--車両総重量が5トンを超えるもの
8704.90-その他のもの

この項には、特に、次の物品を含む。
通常の貨物自動車(荷台の平らなもの、ターポリンの覆いを有するもの、密閉できるもの等)、各種の配達用貨物自動車、引越し用荷物運搬車、自動荷卸装置付き貨物自動車(荷台傾斜装置付きのもの等)、タンク車(ポンプを取り付けてあるかないかを問わない。)、冷蔵車、冷凍車、断熱車、ガラス瓶に入れた酸又はブタン用シリンダー等の輸送用に多段床になっている貨物自動車、持ち上げ用又は掘削用の機械、タンク、トランスフォーマー等の輸送のために積込み用の傾斜路を有する床の下がった重量貨物運搬車、生コンクリートの運搬用に特に作った貨物自動車(87.05項のコンクリートミキサー車を除く。)及び廃品回収車(積込み用、圧縮用、荷卸し用等の装置を取り付けてあるかないかを問わない。)
この項には、また、次のような軽量の三輪車両を含む。
-モーターサイクル用のエンジン及び車輪等を取り付けてあり、その機械的構造からみて一般の自動車の特徴、すなわち、通常の自動車に使用する逆転装置及び差動装置の両者又はかじ取り装置を有するもの。
-T型のシャシ上に装備され、2個の後輪は、蓄電池を電源とする別々の電動機により各々独立して駆動される。この車両は、通常、運転者が中央にある1本の制御棒を操作することにより、発進、加速、制動、停止及び後退が行われ、また、駆動用車輪に異なったトルクを与えることにより又は前輪の方向を変えることにより左右の方向転換が行われる。
上記の特性を有する三輪車両のうち、人員の輸送用に設計されたものは 87.03 項に属する。
この項に分類される種類の自動車は、その自動車が主として人員の輸送用よりも、むしろ貨物の輸送用として設計されたということを示す特徴により決定される(87.03 項参照)。特に、通常総車両重量が5トン未満の車で、通常は、貨物の輸送に用いられる独立の閉じた後部区画か若しくはオープンスペースを有しており、そこには安全ベルト、アンカーポイント、若しくは乗員用設備を有していず、貨物輸送のため後部スペースを全て使用できるように、側面に対し平たく折り畳まれるベンチタイプの座席を有する場合もあるような自動車の分類決定の際に、これらの特徴は有用である。このカテゴリーに含まれる自動車は、通常「多目的車」(例えば、バンタイプの自動車、ピックアップタイプの自動車、ある種のスポーツユーティリティ車)として知られているものである。以下の特徴は、この項に分類される自動車に一般的に適用されるデザインの特性を示している。
(a)運転席と助手席の区画の後ろの区画に、安全装置(例えば、安全ベルト又は安全ベルトを装着するためのアンカーポイントや取り付け具)又は乗員用設備のないベンチタイプの座席を有すること。そのような座席は、通常、後部フロア(バンタイプ車)や区分けされたスペース(ピックアップ車)全体を貨物輸送のために使用できるよう、折り畳まれているか又は
折り畳むことができる。
(b)運転手と乗員用の区分けされた座席並びにサイドパネル及びあおりのある区分けされたオープンスペースを有する(ピックアップ車)こと。
(c)2枚のサイドパネルに沿った後部の窓がないこと。サイドパネル又は後部に、貨物の積み降ろしのための窓なしのスライディング式ドア、スウィングアウト式ドア又は跳ね上げ式ドアを有する(バンタイプ車)こと。
(d)運転席及び助手席用の区画と乗員と貨物の両者の輸送用である後部区画の間に、常設パネル若しくは仕切りがあること。
(e)自動車内全体に乗員用に施された内部装備(例えば、フロアカーペット、換気装置、室内灯、灰皿)を有しないこと。
この項には、次の物品を含む。
(1)ダンプカー:掘削した土壌その他の資材を輸送するために設計され、傾斜式の車台又は底が開放式の車台を有する堅牢な車両である。この車両はシャシが固定式又は連節式で一般的に不整地走行用の車輪を有し、軟弱な地面の上で作業することができる。このグループに属するダンプカーはその重量を問わない。軽量のダンプカーは時には、前後兼用の座席、向かい合った二つの座席又は二つのハンドルを有し、運転手が荷卸しする車台を見ながら操作できる車両であるという特徴を有するものがある。
(2)シャトルカー:これは鉱山で石炭又は鉱石を採鉱機からベルトコンベヤに運搬するのに使用する。これらはタイヤを装備し、ピストン式内燃機関又は電動機を有しており、重量があり、重心の低い車両である。また、車両の床を形成するコンベヤベルトにより自動的に荷卸しができる。
(3)自動積込み式貨物自動車:ウインチ、昇降装置等を備えているが、本来輸送を目的として設計したものである。
(4)道路及び線路を走行する車両:これは特に、道路及びレールの両方を走行できるように設計したものである。この車両においては、道路用車輪は鉄道線路に接し、道路走行用車両とするときは、ジャッキを使用して起こすことができるボギー台車型の装置を前後に取り付けてある。
原動機及び運転台を有する自動車シャシもこの項に属する。

この項には、次の物品を含まない。
(a)工場、倉庫、埠(ふ)頭又は空港等で長尺の貨物又はコンテナの荷扱いに使用するストラッドルキャリヤー(84.26)
(b)鉱山用のローダートランスポーター(84.29)
(c)貨物の輸送用に設計したモーターサイクル、モータースクーター及び原動機付きの自転車(運搬用モーターサイクル、三輪車等)で、この項の三輪車両の特徴を有しないもの(87.11)

号の解説
8704.10
このダンプカーは、一般に、その他の貨物自動車(特に、傾斜式のもの)とは、次のような特徴により区別することができる。
-ダンプカーの車体は、非常に強力な鋼板でできており、その前部は運転台を保護するためにその上部まで伸びている。床の全部又は一部が後部の方に向けて上方に傾斜している。
-運転台の幅が車体の半分しかない場合もある。
-車軸の懸架装置がない。
-制動能力が大きい。
-運転速度及び運転範囲に限界がある。
-特別な土木用タイヤを有している。
-堅牢な構造をしているので車重/積載重量比が1:1.6 以下である。
-材料が固着又は氷結しないように、排気ガスで車体を加熱するものもある。
ただし、ある種のダンプカーは、鉱山又はトンネルの中で作業するために、例えば、底開き式の車体を有するもののように、特別に設計していることに注意しなければならない。これらは、上記の特徴のいくつかを有しているが、運転室又は車体の先端部分を保護する伸長部を有していない。
8704.21、8704.22、8704.23、8704.31 及び 8704.32
車両総重量は、車両の最大設計重量として車両メーカーが公表した重量である。この重量は、車両の自重、最大積載貨物量、運転手及び満載燃料の重量を合計したものである。


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