関税率表の解釈に関する通則 通則2(抜粋)

通則2(a)

(a)各項に記載するいずれかの物品には、未完成の物品で、完成した物品としての重要な特性を提示の際に有するものを含むものとし、また、完成した物品(この2の原則により完成したものとみなす未完成の物品を含む。)で、提示の際に組み立ててないもの及び分解してあるものを含む。


解 説

通則2(a)(未完成の物品の所属)

(Ⅰ)通則2(a)の前段の規定は、特定の物品を記載している各項の範囲を拡大し、これらの項に完成品のほか、未完成のもので、提示の際に完成した物品としての重要な特性を有するものをも含めるようにするものである。

(Ⅱ)この通則の規定は、特定の項にブランクが掲げられてない場合でも、ブランクについても適用する。「ブランク」とは、そのまま直接使用することはできないが、完成した物品又は部分品のおおよその形状又は輪郭を有し、かつ、例外的な場合を除き、完成した物品又は部分品に仕上げるためにのみ使用する物品をいう(例えば、プラスチックボトルの成形前の中間生産品で、管状で一端が閉じており、口の方はネジ式の蓋を取り付けるためにネジが切られている。ネジ切り部より下の部分は、所定の大きさや形に膨張させる。)。完成した物品としての重要な形状を有するに至っていない半製品(通常、棒、ディスク、管等の形状のもの)は、「ブランク」としては取り扱わない。

(Ⅲ)1部から6部までの各項の物品の範囲にかんがみ、この通則のこの部分の規定は、これらの部に属する物品には通常適用しない。

(Ⅳ)この通則が適用される事例については、部又は類の総説に掲げた(例えば、16 部、61 類、62 類、86 類、87 類及び90 類)。


通則2(a)(提示の際に組立ててないもの及び分解してあるものの所属)

(Ⅴ)通則2(a)の後段の規定は、完成した物品で提示の際に組み立ててないもの又は分解してあるものは完成した物品と同一の項に所属することを定めるものである。このような状態で物品が提示されるのは、通常、包装、荷扱い又は輸送上の必要性、便宜等の理由による。

(Ⅵ)この通則は、未完成の物品(この通則の前段の規定により完成したものとして取り扱われるものに限る。)で、提示の際に組み立ててないもの又は分解してあるものについても適用する。

(Ⅶ)この通則の適用上、「提示の際に組み立ててないもの及び分解してあるもの」とは、組立て操作のみを伴うもので、例えば、締付具(ねじ、ナット、ボルト等)又は鋲接若しくは溶接により構成要素を組み立てれば完成品になるものをいう。

この場合において、組立方法の複雑さは考慮しない。なお、当該構成要素には、完成された状態にするための更なる作業操作は施されない。

完成品に組み立てる上で必要となる数を超える余分な構成要素は切り離してその所属を決定する。

(Ⅷ)この通則が適用される事例については、部又は類の総説に掲げた(例えば、16 部、44 類、86 類、87 類及び89 類)。

(Ⅸ)1部から6部までの各項の物品の範囲にかんがみ、この通則のこの部分の規定は、これらの部に属する物品には通常適用しない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?