関税率表 第90.21項

第 90 類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器及び医療用機器並びにこれらの部分品及び附属品

90.21 整形外科用機器(松葉づえ、外科用ベルト及び脱腸帯を含む。)、補聴器その他器官の欠損又は不全を補う機器(着用し、携帯し又は人体内に埋めて使用するものに限る。)、人造の人体の部分及び副木その他の骨折治療具
9021.10-整形外科用機器及び骨折治療具
-義歯及び歯用の取付用品
9021.21--義歯
9021.29--その他のもの
-その他の人造の人体の部分
9021.31--人造関節
9021.39--その他のもの
9021.40-補聴器(部分品及び附属品を除く。)
9021.50-心筋刺激用ペースメーカー(部分品及び附属品を除く。)
9021.90-その他のもの

(Ⅰ)整形外科用機器
整形外科用機器は、この類の注6で定義されている。この機器は、
-身体の変形の予防若しくは矯正に使用する。
-疾病、施術若しくは負傷に伴い人体の部分を支持するために使用する。
これには、次のような物品を含む。
(1)でん部疾患(股関節症等)の器具
(2)上腕副子(切除後、腕が使用可能)(伸展副子)
(3)あご用器具
(4)指節間関節伸展補助装置等
(5)脊椎カリエス治療用装具(頭及び脊椎を真直にする。)
(6)整形外科用の履物及び特殊な中敷きで、整形外科的矯正のために設計されたもの((1)寸法を採って作られる又は(2)大量生産されるといういずれかの条件で、対ではなく単独で提示され、左右の足のいずれかにかかわらず装着できるように設計されたもの。)
(7)歯の矯正用器具(歯列矯正器、リング等)
(8)整形外科用足装具(わん曲足装具及び長下肢矯正器(足用のばね支柱を有するか有しないかを問わない。)並びに矯正靴等)
(9)脱腸帯(鼠蹊、股、へそ等の脱腸帯)及び脱腸装具
(10)脊柱側わん矯正装具及びすべての医療用のコルセット又はベルトで、次の特徴を有するもの(ある種の支持用ベルトを含む。)
(a)患者に適合するように調節可能な特殊なパッド、ばね等を有すること。
(b)革、金属、プラスチック等の材料で作られていること又は
(c)補強された部分、織物製の硬い又は各種の幅のバンドを有すること。
整形外科用として特別に設計したこれらの物品は、通常のコルセット及びベルト(支持用又は保持用に供するか供しないかを問わない。)と区別することができる。
(11)整形外科用サスペンダー(メリヤス編物製、網製、クロセ編物製等の簡単なものを除く。)
このグループには、また、松葉づえ及びしゅもくづえを含む。ただし、通常の歩行用のつえは、たとえ身体障害者用に特に作ってあっても、この項に属しないことに注意しなければならない(66.02)。
このグループはさらに walker-rollators として知られている、歩行者が歩く際に押すことによって歩行を補助する歩行補助道具も含む。それらは一般に 3 輪又は 4 輪の車輪(これらの一部又は全部は旋回する)の上に取り付けられた金属管のフレーム、ハンドル及びハンドブレーキから成る。walker-rollators は高さの調整が可能であり、ハンドルの間に座席及び身辺用品を運ぶためのワイヤーかごを備え付けることができる。使用者は、座席を使って必要な時にいつでも短時間の休憩を取ることができる。
この項には、次の物品を含まない。
(a)静脈瘤症用のストッキング(61.15)
(b)簡単な保護具又は装具で足のある部分にかかる圧力を減少させるように作ったもの(これらは、プラスチック製のものであれば 39.26 項、又はばんそうこうでガーゼに取り付けたセルラーラバー製のものであれば 40.14 項に属する。)
(c)支持用ベルト又は装具で支持用の製品でこの類の注1(b)の種類のもの(例えば、妊婦用のベルト(通常、62.12 又は 63.07))
(d)既製靴の中敷きで、偏平足を軽くするために単に足裏をアーチ型にするためのものは、整形外科用の履物とはみなさず、この項には属しない(64 類)。
このグループには、また、動物用の整形外科用装具を含み、例えば、脱腸帯、脚又は足の固定器具、動物のさく癖等を防ぐための特殊な帯及び管、脱出帯(器官、直腸、子宮等の保持用)、角用支持具等がある。ただし、通常の動物用装着具(例えば、馬用のすね当て)の特徴を有する物品で保護用の器具は、この項には属しない(42.01)。

(Ⅱ)副木その他の骨折治療具
骨折治療具は、身体の負傷した部分を動かないようにし(伸展用又は保護用)又は骨折個所を固定するために使用するものである。これらは、脱臼や関節損傷の処置においても使用される。
これらの物品の中のあるものは、患部に装着するように設計してある(例えば、鋼線、亜鉛製又は木製の下肢保持用の離被架、石こうギプス、骨用骨折治療具等)。他のものは、ベッド、台又は他の支持具に取り付けるように設計してある(副木又は離被架の代わりに使用される保護用ベッド離被架、管製の骨折部分の伸展器等)。ただし、後者の器具でベッド、台又は他の支持具の一部を構成し、分離することができないものは、この項には属しない。
この類の注1(f)の規定に基づき、この項には、また、板、くぎ等であって、骨折部分の接合その他これに類する処置を行うために、外科医が人体の内部に挿入するものを含む。

(Ⅲ)義肢、義眼、義歯その他人造の人体の部分
人体の欠損部分の全部又は一部を代用するもので、通常、外見が類似するものである。
次のような物品を含む。
(A)人造のもので眼に装着するもの
(1)義眼:通常はプラスチック製又はガラス製のもので、眼の各部分(きょう膜、虹彩、瞳孔)の形状及び色に似せるために、少量の金属酸化物を添加して作ってある。単壁のものと複壁のものがある。
(2)目に入れるレンズ:マネキン人形用、毛皮の動物のえり巻用等の義眼は属しない(一般には 39.26 項又は 70.18 項に属する。)。人形又はがん具の動物の部分品であると認められる義眼は、95.03 項又は 70.18 項(ガラス製のものに限る。)に属する。
(B)義歯及び歯牙用の取付用品:例えば、次のような物品がある。
(1)固形義歯:通常磁器製又はプラスチック(特にアクリル樹脂)製のものである。これらは「有孔歯」(通常、臼(きゅう)歯用)で、固定剤を浸透させるために若干の小穴を有するものもある。また、固定用の2本の金属ピンを有するもの(通常、門歯用又は犬歯用)又は義歯床に取り付けた金属製の歯隆線上を滑る歯溝を有するもの(通常、門歯用又は犬歯用)もある。
(2)中空義歯:これは、磁器製又はプラスチック製のもので、門歯、犬歯、臼(きゅう)歯等の外形を有する。
以上いずれも、固定する方法により、「合釘歯」(調製した歯根に埋め込んだ金属製の小ピン又は小釘に取り付ける。)又は「歯冠」(あらかじめかたどった歯根に合成樹脂で取り付ける。)と呼ばれる。
(3)義歯列:総義歯のものと、局部義歯のものとがあり、加硫ゴム製、プラスチック製又は金属製の板に義歯を取り付けたものである。
(4)その他のもの:歯の保護用の金属製冠(金、ステンレス鋼等)、義歯に重量を持たせて安定性を増大させるための鋳造すずのバー(錘棒)、加硫ゴム製の義歯床強化用のステンレス鋼製バーその他の各種の歯科用附属品で、明らかに歯冠又は義歯の製造用のものであることが認められるもの(例えば、ソケット、リング、ピボット、フック、アイレット等)歯科用セメントその他の歯科用充てん材料は 30.06 項に属し、また、歯科用のワックス
及び印象材(セットにし、小売用の包装にし又は板状、馬蹄(てい)状、棒状その他これらに類する形状にしたものに限る。)並びに焼いた石膏(こう)又は硫酸カルシウムから成るプラスターをもととしたその他の歯科用の調製品は、34.07 項に属することに注意しなければならない。
(C)その他の人造の人体の部分
例えば、腕、前腕部、手、脚、足、鼻、人造関節(例えば、腰及びひざ)及び代用血管用又は心臓の弁用の合成繊維製チューブ。
この項には、殺菌した容器に入った移植用の骨片又は皮(30.01)及び接骨用セメント(30.06)を含まない。

(Ⅳ)補聴器
補聴器は、一般に一以上のマイクロホン(増幅器を有するか有しないかを問わない。)、レシーバー及び電池から成る回路を有する電気機器である。レシーバーは、耳の中若しくは耳の背部に装着するもの又は耳に対して手で保持するように作ったものがある。
このグループは、難聴を克服するための機器に限るものとする。従って、話を聞き取り易くするために会議室において又は交換手が使用するヘッドホン、増幅器その他これらに類する物品を含まない。

(Ⅴ)その他器官の欠損又は不全を補う機器(着用し、携帯し又は人
体内に埋めて使用するものに限る。)
このグループには、次の物品を含む。
(1)人工声帯(speech-aids):負傷又は外科手術の結果、声帯を使用することができなくなった人が使用する機器である。これは基本的には電子信号の発生器から成る。例えば、これを首に押し付けて使用した場合、本品は、のどの内部に振動を生じさせ、この振動を話し言葉として聞き取ることができる言語に使用者が変換する。
(2)ペースメーカー:不全となった心筋を刺激する機器である。その大きさ及び重量はほぼ懐中時計と同程度であり、患者の胸の皮膚内に埋め込まれる。これらは電池を内蔵しており、心臓に電極によって接続し、心臓を搏(はく)動させるために必要な刺激を与える。他の型式のペースメーカーには、その他の器官(例えば、肺、直腸又はぼうこう)を刺激するために使用するものもある。
(3)盲人用の電子式補助装置:基本的には電池により作動する超音波送受信器から成る。超音波のビームが障害物に当たり、反射して戻って来るまでの時間から生ずる周波数の変化により、専用装置(例えば、internal ear-piece)を介して、使用者が障害物を発見し、かつ、障害物との距離を判断することができる。
(4)人体に埋め込む装置:ある種の臓器の化学的機能の補助用又は代替物として使用する(例えば、インスリンの分泌)。

部分品及び附属品
この類の注1及び注2の規定(この類の総説参照)に基づき、この項には、この項の機器又は装置の部分品及び附属品を含む。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?