関税率表 第84.18項

第 84 類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品

84.18 冷蔵庫、冷凍庫その他の冷蔵用又は冷凍用の機器(電気式であるかないかを問わない。)及びヒートポンプ(84.15 項のエアコンディショナーを除く。)
8418.10-冷凍冷蔵庫(それぞれ独立した外部扉を有するものに限る。)
-家庭用冷蔵庫
8418.21--圧縮式のもの
8418.29--その他のもの
8418.30-横置き型冷凍庫(容量が 800 リットル以下のものに限る。)
8418.40-直立型冷凍庫(容量が 900 リットル以下のものに限る。)
8418.50-貯蔵及び展示用のその他の備付品(チェスト、キャビネット、展示用のカウンター、ショーケースその他これらに類するもので、冷蔵用又は冷凍用の機器を自蔵するものに限る。)
-その他の冷蔵用又は冷凍用の機器及びヒートポンプ
8418.61--ヒートポンプ(第 84.15 項のエアコンディショナーを除く。)
8418.69--その他のもの
-部分品
8418.91--冷蔵用又は冷凍用の装置を収納するために設計した容器
8418.99--その他のもの 

(Ⅰ)冷蔵庫、冷凍庫その他の冷蔵用又は冷凍用の機器
この項の冷蔵用の機器は、液化ガス(例えば、アンモニア、ハロゲン化炭化水素)、揮発性液体又は水(ある種の船舶の場合)の気化における潜熱の吸収により能動冷却機構(蒸発器)において、低温(0度前後又はそれ以下の温度)を連続的サイクルの操作により発生させるための主要な機械又は機器の集合体である。
従って、この項には、次の物品を含まない。
(a)寒剤式冷凍庫(82.10 又は 84.19)
(b)簡単な熱交換型の水流式冷却器(84.19)
(c)冷凍ユニットを取り付けるように設計されてないアイスボックス、断熱箱等(通常 94.03)
この項の冷凍機械には次の二つの主要な型がある。
(A)圧縮式冷凍機
これの主要な構成要素は、次のとおりである。
(1)圧縮機:これは膨張ガスを蒸発器から受け入れ圧力をかけて送りだすもの
(2)凝縮器:ここでガスを冷却し、液化する。
(3)蒸発器:これは、能動冷却機構で一群の配管から成り、液化した冷媒は膨張弁より放出されて周囲の空気から、または、大型の冷却装置の場合には、蒸発コイルの回りを循環するブライン又は塩化カルシウム溶液から熱を吸収して急速に蒸発する。
船舶用のものには、冷媒(水、ブライン)が循環する回路に圧縮機及び凝縮器がないが、蒸気凝縮器とともに作動しているエゼクターポンプにより発生する真空によって冷媒の蒸発が行われる。蒸気凝縮器は発生した蒸気の凝縮及び消費を行うが、蒸気系統への返流は行わない。

(B)吸収式冷凍機
この型式では、圧縮機の代わりに発生器が使用され、ここで高濃度のアンモニア溶液が、ガス、油又は電熱器により加熱され、放出されたアンモニアガスは加圧下で凝縮器に蓄積される。凝縮サイクルは、圧縮式の場合と同様に蒸発器における膨張及び冷却へと連続する。この場合、膨張したガスは希薄な溶液に再溶解されるが、それは独立した吸収器(簡単な圧力効果又はポンプにより発生器に溶液を供給する。)又は発生器(ある種の型式においては、加熱を中止した冷却期間中に吸収器として作動する。)自体において行われる。
ある種の乾燥型のものにおいては、アンモニアガスを液体の代わりに固体(例えば、塩化カルシウム又はシリカゲル)に吸収させる。

前述の機器は、次のような型式のものであってもこの項に属する。
(1)同床に取り付けた圧縮機(原動機を有するか有しないかを問わない。)と凝縮器(蒸発器を備えているかいないかを問わない。)とから成るユニット又は自蔵式の吸収ユニット(これらのユニットは、通常家庭用冷蔵庫又は他の冷蔵キャビネットに組み込まれる。)及び「液体冷却ユニット」として知られる圧縮式冷凍機(圧縮機と熱交換器(蒸発器及び冷却される液体を移送する管を有する。)とを同床に取り付けたもので、凝縮器を有するか有しないかを問わない。)
自蔵式の吸収ユニット及び圧縮式冷凍機には、エアコンディショナーに使用される「冷却装置」として知られる機械を含む。
(2)冷凍ユニット一式又は蒸発器を組み込んだキャビネットその他の家具又は機器(かくはん器、ミキサー及び型のような補助装置を備えているかいないかを問わない。)。これらの機器には、家庭用冷蔵庫、冷蔵用のショーケース及びカウンター、アイスクリーム又は冷凍食品の貯蔵容器、冷却された水又は飲料のサービス用貯蔵器、ミルク冷却槽、ビール冷却器、アイスクリーム製造機等を含む。
(3)大型の冷凍機械設備で構成機器が同床に取り付けられず、また、自蔵ユニットとしても取り付けられていないが、冷凍機能を遂行するため共同して作動するようにつくられているもの。その冷却方式には直接冷却(この場合、蒸発器が冷却を利用する機器に組み込まれている。)又は間接冷却(冷凍ユニットにより冷却されて冷却を利用する機器に管で導かれる冷却
剤(ブライン)による冷却)がある。このような機械設備は、例えば、冷凍貯蔵プラント又は製造工場(氷塊製造、食品の冷凍、チョコレート製造における急速冷却、石油精製におけるパラフィンろうの分離、化学工業等)において使用する。
このような機械設備で発生した低温の利用に不可欠な附属機器は、当該機械設備の他の構成機器とともに提示される場合に限り、この項に属する。このような附属機器には、例えば、横断型又はトンネル型の急速冷凍機、菓子用又はチョコレート用の冷却テーブル等を含む。

この項には、密室中で液化ガスを気化させて冷凍を行う機器も含む。この機器は、通常1個以上の液化ガスタンク、サーモスタット、電磁弁、制御盤、電気スイッチ及びせん孔した蒸発管から成る。これらの構成機器がともに提示されるときは、この項に属する。

(Ⅱ)ヒートポンプ
ヒートポンプは、適当な熱源(主として地下水、表水、土又は空気)から熱を取り出して補助のエネルギー源(例えば、ガス又は電気)の使用により、より強い熱源に変換する装置である。
伝熱流体は、一般に熱源からヒートポンプに及びヒートポンプから処理する媒体に熱を伝えるために使用される。
ヒートポンプには、圧縮式及び吸収式の二つの型式のものがある。
圧縮式ヒートポンプは、基本的に次の構成要素から成る。
(1)蒸発器:周囲からエネルギーを取り出し、伝熱流体に伝えるもの
(2)圧縮機:蒸発器で気化した流体を機械的方法により取り出し、加圧して凝縮器に移送するもの
(3)凝縮器:蒸気を液化する熱交換機器で、処理する媒体に熱を与えるもの
吸収式ヒートポンプの場合は、圧縮機の代わりに水及び冷媒を内蔵し、バーナーを組み込んだボイラーを有している。
ヒートポンプは、通常二つの要素の組合せにより表される。要素の第1は、一次熱源であり、第2は、温度が変更される媒体である。装置の主な型式には、次のものがある。
(ⅰ)空気/水型又は空気/空気型ヒートポンプ:空気中から熱を取り出して温水又は暖かい空気の形で蓄積する。
(ⅱ)水/水型又は水/空気型ヒートポンプ:地下水又は表水から熱を得る。
(ⅲ)地/水型又は地/空気型ヒートポンプ:この型式では、熱は地中に埋設された配管群により得られる。
ヒートポンプは、一つのユニットを形成する循環路の種々の構成要素から成る一つの機器として提示される。このようなユニットは、monobloc type と呼ばれている。ヒートポンプは、またいくつかの機器に分かれて提示されるものもある。ある種のヒートポンプは、蒸発器を既に有している設備に取り付けることを予定しているために蒸発器のないものもある。
そのような場合には、当該ヒートポンプは、完成品としての重要な特性を有する未完成品と認められるので、本項に属する。
ヒートポンプは、本来は建物の暖房又は家庭用温水を得るために使用される。非可逆型ヒートポンプは、通常これらの用途に使用される。
しかしながら、動力駆動式のファン並びに温度及び湿度の両方を変化させる機構を有する可逆型ヒートポンプは、この項には属しない。それらは、84.15 項のエアコンディショナーとして取り扱う。

部 分 品
部分品の所属に関する一般的規定(16 部の総説参照)によりその所属を決定する場合を除くほか、この項の物品の部分品(例えば、凝縮器、吸収器、蒸発器及び発生器並びに前記(2)項に記載したキャビネット、カウンターその他冷蔵庫の部分品として作られた家具で冷凍ユニット一式又は蒸発器を取り付けてないが当該機器を取り付けるように設計されたことが明らかであるもの)は、家庭用又は工業用のいずれに使用されるかを問わず、この項に属する。圧縮機は、冷蔵庫用又は冷凍機用に特に設計された場合でも 84.14 項に属する。専用性のない部分品(例えば、管及びタンク)は、それぞれ該当する項に属する。

この項には、次の物品を含まない。
(a)エアコンディショナー(冷凍ユニット又は冷凍ユニットを構成する蒸発器を自蔵するもの)(84.15)
(b)気体液化装置(例えば、Linde 装置)(84.19)


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