関税率表 第15.15項

第 15 類 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、 調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう

15.15 その他の植物性油脂及びその分別物(ホホバ油及びその分別物を含み、化学的な変性加工をしてないものに限るものとし、精製してあるかないかを問わない。)
-亜麻仁油及びその分別物
1515.11--粗油
1515.19--その他のもの
-とうもろこし油及びその分別物
1515.21--粗油
1515.29--その他のもの
1515.30-ひまし油及びその分別物
1515.50-ごま油及びその分別物
1515.90-その他のもの

この項には、単独の不揮発性の植物性油脂及びその分別物を含む(この類の総説(B)参照)、ただし、15.07 項から 15.14 項までに掲げるものを除く。特に、次のものが、商業上重要である。
(1)亜麻仁油:これは亜麻(Linum usitatissimum)の種子から得られる。この油は最も重要な乾性油の一つである。亜麻仁油は、黄色からかっ色まであり、刺激性の味とにおいを有する。
酸化により極めて強い弾力のある被膜を作る。亜麻仁油は、主としてペイント、ワニス、オイルクロス、パテ、軟せっけん、印刷インキ、アルキッド樹脂又は医薬品の製造に使用される。冷圧搾による亜麻仁油は食用に適する。
(2)とうもろこし油:これは、とうもろこしの穀粒から得られ、脂質の多く(80%程度)は胚に含まれる。その粗油は、例えば、せっけんの製造、潤滑剤、皮革仕上げ剤等多くの工業的用途がある。精製油は食用に適し、料理用、ベーカリー用、他の油との混和用等に使用する。
とうもろこし油は半乾性油である。
(3)ひまし油:これは、Ricinus communis の種子から得られる。不乾性油で一般に無色から淡色の濃厚な油で、以前は、主に下剤として医薬用に使用されたが、現在は工業的に、ラッカー又はニトロセルロースの可塑剤として、また二塩基酸、エラストマー又は接着剤、界面活性剤、油圧用の油等の製造に使用する。
(4)ごま油:これは一年生草本 Sesamum indicum の種子から得られる。半乾性油で高品質のものは、ショートニング、サラダ油、マーガリンその他これらに類する食料品及び医薬品に使用される。低品質のものは工業用に使用される。
(5)桐(とう)油(China-wood oil):これは、Aleurites 属の各種(例えば、A.fordii、A.montana)の種子から得られる。色は淡黄色から暗かっ色まであり、速乾性で、防腐性と防水性を有する。主な用途は、ワニス及びペイントの製造用である。
(6)ホホバ油:しばしば液体ろうと称されるホホバ油は、無色又は黄色がかった無臭の液体で、主に高級脂肪性アルコールのエステルからなり、Simmondsia 属(S.Californica 又はS.Chinensis)の砂漠性の灌(かん)木の種子から得られる。これは、鯨ろうの代用品として、例えば、化粧品の調製に使用する。
(7)植物脂(vegetable tallows)として知られる物品(主として Borneo tallow 及び Chinese Vegetable tallow):これは、ある種の採油用の種を圧搾することによって得られる。Borneo tallow は、結晶性又は粒状性のケーキ状で、外側は白く内部は帯緑黄色である。Chinese tallow は、固形状のろう状物質で、緑色がかっており、わずかに芳香を有し、油状の触感がある。
(8)商取引上ミルテろう(myrtle-wax)及び日本ろう(Japan wax)として知られる物品:これらは、実際は植物性脂肪である。ミルテろうは、各種の myrtle の漿(しょう)果から抽出され、ろう状の外観とバルサム様の特徴的な香を有する硬い帯緑黄色のケーキ状で提示される。
日本ろうは、日本及び中国産のうるし科(Rhus family)のいくつかの種類の樹木の実から抽出される物質である。これは、帯緑色、帯黄色又は白色のろう状の外観をもったタブレット状又は円板状の形をしており、結晶性で脆(もろ)く、わずかに樹脂様の香を有する。

号の解説
1515.11 及び 1515.21
1507.10 号の解説参照


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?