通関業法基本通達 5-2(抜粋)

通関業法基本通達5-2(1)「人的構成に照らし」の意義等

法第 5 条第 2 号《許可の基準》の適用については、次による。
⑴ 「人的構成に照らし」とは、許可申請者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の従業者全体の人的資質に関する評価をいうほか、全体として、組織体制が確立しているかどうかの評価をも含む。

通関業法基本通達5-2「人的構成に照らし」の意義等
法第 5 条第 2 号《許可の基準》の適用については、次による。
⑴ 「人的構成に照らし」とは、許可申請者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の従業者全体の人的資質に関する評価をいうほか、全体として、組織体制が確立しているかどうかの評価をも含む。

⑵ 「適正に遂行することができる能力を有する」とは、次の各号に該当するような場合をいう。
イ 許可申請者(法人である場合には、その役員)、通関士及びその他の通関業務の従業者の人的資質が優れている(例えば、過去に法及び関税法その他関税に関する法令の違反がないなど法令遵守の意識が高い)こと。
ロ 許可申請者(法人である場合には、その役員)、通関士及びその他の通関業務の従業者が通関業に関し十分な知識(例えば、法及び関税法その他関税に関する法令に関する知識)及び経験(例えば、通関士又はその他の通関業務の従業者として通関書類等の作成や法第 14 条《通関士の審査等》の通関士の審査等の実務経験)を有していること。
ハ 管理監督体制が確立している(例えば、法令遵守のための社内管理規則を整備している)こと。
ニ 通関業務の種類及び量並びに通関士及びその他の通関業務の従業者の通関業務経験年数に照らし、通関士及びその他の通関業務の従業者の配置が適切に行われていること。
⑶ 上記⑵ハに規定する「法令遵守のための社内管理規則」とは、例えば次の事項を参考として、許可申請者の実情に応じて法その他の法令の規定を遵守し通関業務を適正に遂行するために必要な事項が記載されたものをいう(後記 38-1(法令遵守状況を検証する場合の取扱い)において単に「社内管理規則」という。)。
イ 目的等
(イ) 社内管理規則は、通関業務を適正に遂行するため、必要な措置を定めるた
めに制定するものであることを定める。
(ロ) 適正な通関業務を遂行するための基本方針及び適用範囲を定める。
ロ 社内体制の構築
(イ) 適正な通関業務を遂行するための責任体制を明確化するため、通関業務に
係る社内体制、具体的な業務の内容、責任者及びその責任の範囲等を定める。
(ロ) 社内管理規則に関する事項を総括する組織(以下「コンプライアンス委員
会等」という。)の設置について定める。
ハ 通関手続
適正な通関手続を行うため、通関書類の作成に際しての手法、手順及び留意
すべき事項等を定める。
ニ 監査
コンプライアンス委員会等による定期的かつ継続的な監査体制を確立し、監
査事項及び手順並びに監査結果に関する対応措置等を定める。
ホ 教育及び訓練
通関士及びその他の通関業務の従業者が常に高いコンプライアンス意識と通
関業務に係る専門的知識を習得及び維持するため必要な教育及び訓練の実施方法等を定める。
ヘ 書類の保存
法第 22 条第 1 項《記帳、届出、報告等》の規定に基づく通関業務に関する書類の他、通関業務が適正に遂行されていることを監査するうえで保存を要する書類及びその保存方法等を定める。
ト 顧客及び貨物管理者との関係
顧客及び貨物管理者(以下「顧客等」という。)との適正な関係を保持するため、顧客等の情報、通関依頼の内容等の把握及びその情報の管理方法等を定める。
チ 税関との関係等
税関への通報体制及び税関の審査・検査への対応方法等を定める。
リ 報告及び危機管理
事故発生時の社内における報告・連絡体制(危機管理体制)及びその対応方
法等を定める。
ヌ 処分
通関士及びその他の通関業務の従業者について、法令、社内管理規則に違反
があった場合の処分について定める。
ル その他業務手順等の具体的規則の整備
通関業務を適正に遂行するための業務手順書の整備等、必要な事項を定める。
⑷ 「十分な社会的信用を有する」の取扱いは次による。
イ 次に掲げる者は、「十分な社会的信用を有する者」には含まないものとする。
(イ) 法第 6 条第 3 号から第 6 号まで《欠格事由》に掲げる処罰又は処分を受けるに至らないが、現に当該処罰若しくは処分のための関係機関による犯罪捜査若しくは犯則調査を受けている者又は起訴された者等で社会的非難を受ける違反行為をしたことにつき、相当の疑いがある者。
(ロ) 他の行政庁による行政処分を受けるには至らないが、現に当該行政庁によ
る当該処分のための調査(上記(イ)に規定する犯則調査を除く。以下この項に
おいて同じ。)を受けており、その結果を受けて、法第 34 条第 1 項《通関業者に対する監督処分》に規定する監督処分を行う必要があると思料される者。
この場合においては、当該調査の対象となった違反行為と通関業務との関連
性の程度、当該違反行為の社会的影響等を慎重に考慮すること。
ロ 申請者が次に掲げる者である場合には、「十分な社会的信用を有する者」に含まれるものとして取り扱って差し支えない。
(イ) 過去 3 年以内に行政庁による行政処分を受けている者であって、当該処分に係る違反行為と通関業務との関連性がなく、かつ、当該違反行為を防止するため必要な措置を講じていることが確認できた者。
(ロ) 違反行為の疑いにつき現に行政庁の調査を受けている者であって、当該調
査の内容及び調査の対象となった違反行為の内容から通関業務との関連性も
ないと認められる者(ただし、この場合において、当該調査の結果によって
は、業務の改善に必要な措置を講じることが必要となる。)。


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