関税率表 第29.40項

第 29 類 有 機 化 学 品

29.40 糖類(化学的に純粋なものに限るものとし、しょ糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖及び果糖を除く。)並びに糖エーテル、糖アセタール、糖エステル、糖エーテルの塩、糖アセタールの塩及び糖エステルの塩(第 29.37 項から第 29.39 項までの物品を除く。)

(A)糖類(化学的に純粋なもの)
この項には、化学的に純粋な糖類のみを含む。糖には単糖類、二糖類及びオリゴ糖を含む。それぞれの糖ユニットは4個から8個の炭素原子から構成され、かつ、少なくとも1個の潜在的な還元力を有するカルボニル基(アルデヒド性又はケトン性)及び水酸基と水素原子とが結合した最低1個の不斉炭素原子を含んでいなければならない。この項は次の物品を含まない。
(a)しょ糖:たとえ化学的に純粋であっても 17.01 項に属する。
(b)ぶどう糖及び乳糖:たとえ化学的に純粋であっても 17.02 項に属する。
(c)麦芽糖:たとえ化学的に純粋であっても 17.02 項に属する。しょ糖の異性体で、結晶性の塊であり医薬に使用する。
(d)果糖(レブロース):たとえ化学的に純粋であっても 17.02 項に分類される。ぶどう糖の異性体でもある。純粋な状態では、帯黄色の結晶で医薬(糖尿病の食餌療法用)に使用する。
(e)アルドール(29.12)及びアセトイン(3-ヒドロキシ-2-ブタノン)(29.14)(糖ユニットの基準を満たすが、糖ではない。)

化学的に純粋な糖類のうち、次の物品はこの項に含む。
(1)ガラクトース:ぶどう糖の異性体で、乳糖の加水分解によって得られる。植物のペクチン質及び粘液質中に存在し、高純度のものは結晶化する。
(2)ソルボース(ソルベノース):ぶどう糖の異性体で、白色結晶性粉末であり、非常に水に溶けやすい。アルコルビン酸(ビタミン C)の合成、培養剤の製造に使用する。
(3)キシロース(木糖)(C5H10O5):白色結晶で製薬に使用する。
(4)トレハロース(しょ糖の異性体)、リボース及びアラビノース(いずれもキシロースの異性体)、ラフィノース(C18H32O16)、フコース、ラムノース(C6H12O5)、ジギトキソース(C6H12O4)及びその他のデオキシ糖。これらの糖類は、本質的にすべて実験室用のものである。
この項の糖類は、水溶液の形状をしていることがある。

(B)糖エーテル、糖アセタール及び糖エステル並びにこれらの塩
29.40 項には、糖エーテル、糖アセタール、糖エステル及びこれらの塩を含む。糖アセタールは、糖の任意の2つの水酸基の間又はグリコシドを作るアノマー炭素に形成される。ただし、天然のグリコシドは、この項に含まれない(29.38)。29.37 項、29.38 項、29.39 項又は 29.40 項より後の項の物品の構成部分である糖エーテル、糖アセタール及び糖エステルもこの項には含まれない(29 類総説(E)参照)。
この項には次の物品を含む(化学的に単一であるかないかを問わない。)。
(1)ヒドロキシプロピルしょ糖:糖エーテルの一種。
(2)糖類のりん酸エステル(例えば、りん酸ぶどう糖及びりん酸果糖)及びその塩(例えば、バリウム塩、カリウム塩等):これらは結晶又は無定形の粉末で、有機合成に使用する。
(3)オクタ酢酸しょ糖:白色の吸湿性粉末で、アルコール変性剤として使用するか又は接着剤、可塑剤及び殺虫剤の製造用、製紙工業用、織物の硬化剤等に使用する。
(4)モノ酢酸しょ糖:界面活性作用を有する。
(5)酢酸イソ酪酸しょ糖:ワニスの変性剤として使用する。
(6)ラクチト-ル(INN)(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール):甘味料に使用される。
(7)グルコシド結合がアノマー化した炭素原子のエーテル化によって形成されたアセタール官能基となっている天然でないグルコシド(29.37、29.38 又は 29.39 項の物品を除く。例えば、α-メチルグルコシド、トリベノシド(INN))
ただし、この項には、糖エーテル、糖アセタール、糖エステル及びこれらの塩の人為的な相互の混合物又は非糖成分の混合物である出発原料から人為的に調製若しくは製造したもの(例えば、38.23 項の脂肪酸からつくられた糖エステル)は含まない。更に、この項には糖無水物、チオ糖、アミノ糖、ウロン酸及びその他の糖誘導体を含まない。これらは通常その化学構造により 29 類の他の項に分類される。


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