関税率表 第20.09項

第 20 類 野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品

20.09 果実又は野菜のジュース(ぶどう搾汁を含み、発酵しておらず、かつ、アルコールを加えてないものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない。)
−オレンジジュース
2009.11−−冷凍したもの
2009.12−−冷凍してないもの(ブリックス値が 20 以下のものに限る。)
2009.19−−その他のもの
−グレープフルーツ(ポメロを含む。)ジュース
2009.21−−ブリックス値が 20 以下のもの
2009.29−−その他のもの
−その他のかんきつ類の果実のジュース(二以上の果実から得たものを除く。)
2009.31−−ブリックス値が 20 以下のもの
2009.39−−その他のもの
−パイナップルジュース
2009.41−−ブリックス値が 20 以下のもの
2009.49−−その他のもの
2009.50−トマトジュース
−ぶどうジュース(ぶどう搾汁を含む。)
2009.61−−ブリックス値が 30 以下のもの
2009.69−−その他のもの
−りんごジュース
2009.71−−ブリックス値が 20 以下のもの
2009.79−−その他のもの
−その他の果実又は野菜のジュース(二以上の果実又は野菜から得たものを除く。)
2009.81−−クランベリー(ヴァキニウム・マクロカルポン、ヴァキニウム・オクシココス及びヴァキニウム・ヴィティスイダイア)ジュース
2009.89−−その他のもの
2009.90−混合ジュース 

 ジュースとは発酵してないもの及びアルコールを含有しないものをいう(この類の注6参照)。
 この項の果汁及び野菜のジュースは、一般に生鮮で健全な完熟した果実又は野菜を機械的に割ること又は搾ることにより得られる。これらのものは、家庭用レモン搾り器と同じ原理により機械的に搾る方法(かんきつ類の場合)又は前もってつぶして単に圧縮して搾る方法(特にりんご)又は冷水、温水若しくは蒸気で処理してから搾る方法(例えば、トマト、ブラックカーラント及びにんじん、セロリのようなある種の野菜)等により得られる。
この項には、ココナッツウォーターを含む。
 このようにして得られる液体は、一般に次の工程を経る。
(a)清澄:清澄剤(ゼラチン、アルブミン、活性白土等)、酵素、遠心分離法又は限外ろ過法によってジュースから大部分の固形分を除く。限外ろ過法は殺菌にも使用される。
(b)ろ過:時としてけいそう土、セルロース等で表面を覆ったろ過板で行う。
(c)脱酸素(De-aeration):色素及び香味をそこなう酸素を除去する。
(d)均質化:非常に多肉質の果実(トマト、桃等)からある種のジュースを得る場合に行う。
(e)殺菌:発酵防止のために行われ、種々の方法が使用される。例えば、パスツール法(低温殺菌法(prolonged)又は瞬間殺菌法(flash))、電極を備えた機械による電気殺菌法、ろ過による殺菌、炭酸ガスを用いて圧力下で貯蔵する方法、冷凍法、化学的殺菌法(例えば、亜硫酸ガス法、安息香酸ナトリウム法)、紫外線又はイオン交換装置で処理する方法がある。
 これら各種の処理の結果、果汁及び野菜ジュースは清澄で発酵していない液体から成っている。
 ただし、ある種のジュース(特に、アプリコット、桃及びトマトのようなパルプ質の果実から得られるジュース)には、パルプの部分が微細に分離された形状で懸濁しているか又は沈でんして含まれている。
 この項には、また、実際には比較的少ないが、乾燥果実から得られた果汁も含むが、それは、その果実が生鮮の時ジュースを含有する種類のものに限定される。一例としてプルーンを拡散器(diffusers)中で数時間水とともに加熱して抽出した「プルーンジュース」がある。ただし、この項には、事実上ジュースを含有しない生鮮又は乾燥した果実(例えば、ジュニパーベリー、ローズヒップ)を水とともに加熱して得られる液体の物品は含まない。このような物品は、一般に21.06 項に属する。 
 この項のジュースは、濃縮(冷凍してあるかないかを問わない。)又は結晶状若しくは粉末状であってもよい。後者の場合、それは完全に又は殆ど完全に水に溶解するものに限られる。このような物品は、通常、加熱(真空中で行うものであるかないかを問わない。)あるいは冷却(凍結乾燥(Lyophilisation))を含む処理工程によって製造される。
ある種の濃縮ジュースは、そのブリックス値を基準として、濃縮されてないものと区別することができる(この類の号注3参照)。
 この項の果汁又は野菜ジュースは、下記の種類の物質を含有(製造工程中に生成したものか又は後に加えられたものであるかないかを問わない。)していてもよいが、果汁又は野菜ジュースの本来の性格が残っているものに限られる。
(1)砂糖
(2)天然又は合成のその他の甘味料:添加量が通常の甘味付けのための必要量を超えず、かつ、特にそれぞれの成分バランスについては、この項に規定するジュースに合致するものに限る(下記(4)参照)。
(3)ジュースの保存又は発酵防止のために加えられる物品(例えば、亜硫酸ガス、炭酸ガス、酵素)
(4)標準化剤(例えば、くえん酸、酒石酸)及び製造工程中に失われた成分を補充するために加えられる物品(例えば、ビタミン類、着色料)並びに香味の保留剤(例えば、粉末又は結晶のかんきつ類のジュースに加えるソルビトール)。ただし、当該果汁の一構成成分(くえん酸、果実から抽出した精油等)を天然の果汁に由来する成分と比較して明らかにバランスを失わせるほどに添加したものは、その本来の性格を失っておりこの項には含まない。
 この項の野菜のジュースには、また、塩(塩化ナトリウム)、香辛料又は香味料を加えたものを含む。
 同様に、同種又は異種の果実若しくは野菜のジュースを混合したものは、この項に属する。同様に再生ジュース(reconstituted juice)(すなわち、濃縮ジュースに正常な成分割合の未濃縮ジュースに含有されている量を超えない量の水を加えて得られた物品)も含まれる。
 ただし、正常な果実若しくは野菜のジュースに水を添加したもの又は濃縮ジュースに本来の天然ジュースの元の成分に戻すために必要な量以上に多量の水を添加したものは、22.02 項の飲料の性格を有する希釈物となる。炭酸ガスで処理された果実又は野菜ジュースに通常存在する量以上に非常に多量の炭酸ガスを含有するもの(ガス入り果汁)及びレモネード並びに果汁で香味付けした炭酸水も除かれる(22.02)。
 この項には、また、発酵してないものであれば、その用途を問わず、ぶどう搾汁を含む。
 このぶとう搾汁は、他の果汁と同様の工程を経ているので、本来のぶどうジュースに極めて類似している。これは濃縮物又は結晶の状態(後者の状態のものは、商慣行上「グレープシュガー」又は「グレープハニー」として知られており、ファインベーカリー又はジンジャーブレッド、スイートミート等の菓子の製造に供される。)で提示されるものもある。
 部分的に発酵したぶどう搾汁は、発酵が止まっているかいないかを問わず、アルコールを加えた未発酵のぶどう搾汁と同様に、ともにアルコール分が全容量の 0.5%を超えるものは 22.04 項に属する。

 この項には、なお、次の物品を含まない。
(a)トマトジュースで含有物の乾燥重量が7%以上のもの(20.02)
(b)アルコール分が全容量の 0.5%を超える果実又は野菜ジュース(22 類)

号の解説
 2009.11 「冷凍オレンジジュース」には、マイナス 18 度程度の温度を条件にし、かつ、その温度に保たれているが、全体に凍結していない濃縮オレンジジュースもまた含まれる。 

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