関税率表 第90.01項

第 90 類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器及び医療用機器並びにこれらの部分品及び附属品

90.01 光ファイバー(束にしたものを含む。)、光ファイバーケーブル(第 85.44 項のものを除く。)、偏光材料製のシート及び板並びにレンズ(コンタクトレンズを含む。)、プリズム、鏡その他の光学用品(材料を問わないものとし、取り付けたもの及び光学的に研磨してないガラス製のものを除く。)
9001.10-光ファイバー(束にしたものを含む。)及び光ファイバーケーブル
9001.20-偏光材料製のシート及び板
9001.30-コンタクトレンズ
9001.40-ガラス製の眼鏡用レンズ
9001.50-その他の材料製の眼鏡用レンズ
9001.90-その他のもの

この項には、次の物品を含む。
(A)光ファイバー(束にしたものを含む。)及び光ファイバーケーブル(85.44 項のものを除く。)
光ファイバー:屈折率の異なるガラス又はプラスチックを同心の層にしたものである。ガラスから引き伸ばされたものは、肉眼では見えない薄いプラスチックのコーティングを有しており、ファイバーの破損を防止している。光ファイバーは、通常数キロメートルの長さでリールに巻かれて提示される。これらは、光ファイバーの束及び光ファイバーケーブルの製造に使用される。
光ファイバー(束にしたもの):光ファイバーの束には、全長にわたって接合剤により凝結させた固いもの及び光ファイバーの末端部のみを接合させたフレキシブルなものがある。光をコヒーレントに伝達できるように(coherently)整然と束ねたものは画像の伝送に適し、不ぞろいに束ねたものは、照明用の光の伝送用のみに適する。
光ファイバーケーブル:この項の光ファイバーケーブル(接続子を取り付けたものもある。)は、一以上の光ファイバーの束をシース(sheath)に収納したものである。ファイバーは個々には被覆してない。
光ファイバーの束及び光ファイバーケーブルは、主として光学機器、特に 90.18 項の内視鏡に使用される。
(B)偏光材料製のシート及び板:特別な処理を施したプラスチック製のシート及び板又は活性のプラスチックの層の片面若しくは両面を他のプラスチック若しくはガラスで支持したシート及び板から成る。これらの板は、下記(6)の偏光用品を作るために必要な形に切断される。
(C)光学的に研磨したガラス製の光学用品で、取り付けてないもの
この項又は 70 類のガラス製の光学用品の区分については、当該物品が光学的に研磨してあるかないかによって決定しなければならない。
ガラスの光学的研磨は、通常、次の二つの工程を経て行う。その表面を所要の形状に加工する(必要な湾曲を与える、正確な角度にする等)工程及びその表面を研磨する工程である。
この研磨作業は、最初は粗く、順次、微細になっていく研磨材により、まず表面を荒研磨(grinding)し、続いて荒ずり(roughing)、砂かけ(trueing 及び smoothing)及び研磨又はつや出し(polishing)の工程が順に行われる。正確な径を必要とするレンズの場合には、最後に縁が研磨される。この作業は心取り(centring 及び edging operation)と呼ばれる。
この項には、所要の光学的特性を持たせるために、その表面の全体又は一部を研磨(polishing)した光学用品のみを含む。従って、上記の研磨(polishing)までを終えたもの及び成形後研磨したものはこの項に属するが、単に、上記の一以上の工程を経ていても、研磨(polishing)までしてないものは、この項には属さず、70 類に属する。
(D)ガラス以外の材料製の光学用品(例えば、石英(溶融石英を除く。)製、蛍石製、プラスチック製又は金属製のもの及び酸化マグネシウム又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のハロゲン化物を培養した結晶を使用したもの)で取り付けてないもの(光学的に研磨してあるかないかを問わない。)
光学用品は、その必要とする光学的効果を生じる方法で製造される。光学用品は、光(可視、紫外又は赤外)を単に透過させるだけでなく、透過光をいくつかの方法(例えば、反射、減衰、フィルター、回折、平行にする等)で変換する。
専ら輸送中の保護を目的として、仮に取り付けた光学用品は、取り付けてないものとみなす。
ガラス製の光学用品については、上記に規定するものを除くほか、この項には、次のような物品を含む。
(1)プリズム及びレンズ(接着セメントで貼り合わせた複合プリズム及び複合レンズを含むものとし、縁を仕上げてあるかないかを問わない。)
(2)平面板又は平行平面板(例えば、平面度検査用の試験板(proof plane)又はオプティカルフラット)
(3)視力矯正用レンズ:非球面レンズ、球面レンズ、球円筒面レンズ、単焦点レンズ、二焦点レンズ、多焦点レンズ等がある。また、コンタクトレンズも含む。
(4)光学系を構成する鏡:望遠鏡、投影機、顕微鏡、医療用の機器等に使用する。車両用バックミラーに使用することもある。
(5)カラーフィルター(例えば、写真機用のもの)
(6)偏光用品:顕微鏡その他の科学機器用のもの、サングラス用のもの、立体映画鑑賞用の眼鏡に使用するもの等
(7)回折格子:これには、次のようなものがある。
(a)高度に研磨したガラスに、一定間隔に多数の平行線(例えば、1ミリメートルに 100本)を刻んだもの
(b)レプリカ格子(ガラス板等の支持板に、プラスチック又はゼラチンの薄膜を張ったもので、薄膜に格子の線を写してある。)
これらの回折格子は、スペクトルの研究においてプリズムと同じ方法により使用される。
(8)干渉フィルター:これは、2枚のガラス板又は2個の 45 度のプリズム(合わせて立方体となる。)の間に、例えば、ふっ化マグネシウム及び銀の極めて薄い膜を交互に重ねたものであって、カラーフィルターとして又は光のビームを2成分に分離することに使用する。
(9)ハーフトーンスクリーンその他これに類する印刷用スクリーン(入念に研磨したガラス製の円形又は長方形(正方形を含む。)のスクリーンで、グラビア印刷用又は写真製版用の原画のスクリーンとして使用するもの):次のいずれかから成る。
(ⅰ)非常に細い平行線を刻み付け、線を特殊なワニスで不透明にした2枚のガラス板を、両者の線が正しく直角を成すように貼り合わせたもの、又は
(ⅱ)1枚のガラス板の上に小さなくぼみ(通常は正方形)を刻み、それを特殊なワニスで不透明にしたもの
上記の光学用品(レンズ、プリズム等)には、着色したもの又は氷晶石、ふっ化カルシウム、ふっ化マグネシウム等を塗布して反射しないようにしたものも含む。このことは、この項における所属の決定に影響を与えない。

この項には、次の物品を含まない。
(a)培養した結晶で光学用品でないもの(通常 38.24 項)
(b)70.09 項の光学的に研磨してないガラス製の鏡。従って、単に平面又は湾曲した鏡(例えば、ひげそり用又はコンパクト用の鏡)は 70.09 項に属する。
(c)光学的に研磨してないガラス製の光学用品(通常、型吹きによる。)(70.14 項の解説参照)
(d)70.15 項の光学的に研磨してないガラス(例えば、コンタクトレンズ又は視力矯正用眼鏡のレンズのブランク、保護用眼鏡用のもの、測定機器の目盛盤の保護用のもの等)
(e)光学系を構成しない貴金属製又は卑金属製の鏡(71 類又は 83.06)
(f)光ファイバー(束にしたものを含む。)用又は光ファイバーケーブル用の接続子(85.36)
(g)個々に被覆したファイバーから成る光ファイバーケーブル(85.44)


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