関税率表の解釈に関する通則 通則3(抜粋)

通則3(a)

2(b)の規定の適用により又は他の理由により物品が二以上の項に属するとみられる場合には、次に定めるところによりその所属を決定する。

(a)最も特殊な限定をして記載をしている項が、これよりも一般的な記載をしている項に優先する。ただし、二以上の項のそれぞれが、混合し若しくは結合した物品に含まれる材料若しくは物質の一部のみ又は小売用のセットの構成要素の一部のみについて記載をしている場合には、これらの項のうち一の項が当該物品について一層完全な又は詳細な記載をしているとしても、これらの項は、当該物品について等しく特殊な限定をしているものとみなす。

解 説

(Ⅰ)この通則は、通則2(b)の規定又は他の理由により二以上の項に属するとみられる物品の所属を決定する方法として三つの方法を規定したものである。この方法はこの通則の配列上の順序に従って適用される。すなわち、通則3(b)は通則3(a)を適用しても所属を決定できない場合にのみ適用し、通則3(a)及び3(b)のいずれによっても所属を決定できない場合は、通則3(c)が適用される。したがって、適用の優先順位は(a)の特殊な限定、(b)の重要な特性、次いで(c)の数字上の配列において最後の項の順序となる。

(Ⅱ)この通則は、項の規定及び、部又は類の注の規定において別段の定めがない場合にのみ適用される。例えば、97 類の注4(B)において、97.01 項から97.05 項までのうちの一つの項及び97.06 項の双方に属するとみられる物品は、97.01 項から97.05 項までのうちの一つの項に属すると定めている。したがって、このような物品は、この通則を適用せず、97 類の注4(B)を適用してその所属を決定する。

通則3(a)

(Ⅲ)所属を決定するに当たっての第1の方法は、物品について最も特殊な限定をして記載をしている項をこれよりも一般的な記載をしている項に優先させて適用することである。

(Ⅳ)いずれの項が他の項よりより特殊な限定をして物品を記載しているかを決定する上で厳密な規定を設けることは困難であるが、一般的には次のように考えられる。

(a)名称(name)による限定は種類(class)による限定よりも特殊な限定であるといえる(例えば、電動装置を自蔵するかみそり及びバリカンは85.10 項に属し、電動装置を自蔵する手持電動工具として84.67 項又は電動装置を自蔵する家庭用電気機器として85.09 項には属さない。)

(b)物品がより明確に同一性を確認できる項の記載に該当する場合、その項の記載は同一性の確認がより不完全な他の項の記載よりもより特殊な限定をしているといえる。後者(b)の範ちゅうに属する物品の例としては、次の物品がある。

(1)自動車用のものと認定できるタフトしたじゅうたんは、自動車の附属品として87.08項には属さず、じゅうたんとしてより特殊な限定をして記載した57.03 項に属する。

(2)強化ガラス又は合わせガラスの枠付きでない安全ガラスで、特定の形状にし、飛行機用のものと認定できるものは、88.01 項又は88.02 項の物品の部分品として88.03 項には属さず、安全ガラスとしてより特殊な限定をして記載した70.07 項に属する。

(Ⅴ)ただし、二以上の項のそれぞれが、混合し若しくは結合した物品に含まれる材料若しくは物質の一部のみ又は小売用のセットの構成要素の一部のみについて記載をしている場合には、これらの項のうち一の項が他の項に比べて一層完全な又は詳細な記載をしているとしても、これらの項は、当該物品について等しく特殊な限定をしているものとみなす。この場合において、物品の所属は、通則3(b)又は3(c)により決定するものとする。

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