関税率表 第57.02項

第 57 類 じゅうたんその他の紡織用繊維の床用敷物

57.02 じゅうたんその他の紡織用繊維の床用敷物(ケレムラグ、シュマックラグ、カラマニラグその他これらに類する手織りの敷物を含み、織物製のものに限るものとし、製品にしたものであるかないかを問わず、タフトし又はフロック加工をしたものを除く。)
5702.10-ケレムラグ、シュマックラグ、カラマニラグその他これらに類する手織りの敷物
5702.20-ココやし繊維(コイヤ)製の床用敷物
-その他のもの(パイル織物のものに限るものとし、製品にしたものを除く。)
5702.31--羊毛製又は繊獣毛製のもの
5702.32--人造繊維材料製のもの
5702.39--その他の紡織用繊維製のもの
-その他のもの(パイル織物のもので製品にしたものに限る。)
5702.41--羊毛製又は繊獣毛製のもの
5702.42--人造繊維材料製のもの
5702.49--その他の紡織用繊維製のもの
5702.50-その他のもの(パイル織物のもの及び製品にしたものを除く。)
-その他のもの(製品にしたものに限るものとし、パイル織物のものを除く。)
5702.91--羊毛製又は繊獣毛製のもの
5702.92--人造繊維材料製のもの
5702.99--その他の紡織用繊維製のもの

この項のじゅうたんその他の紡織用繊維の床用敷物には、次の物品を含む。
(1)ウィルトンその他これに類するじゅうたん:丈夫で重厚な基布をパイル面(すなわち、表面はまっすぐに立った隣接した糸又は房で形成されている。)又はループ面で覆ったものである。
これらのじゅうたんの面は、基布の表面にループを作る添加たて糸によって形成されているが、このループを作るためには製織工程中に金属の棒又は針金を一時的に挿入する。このループを切ったものがウィルトンのようなパイルじゅうたん(第4図参照)で、この種のものは、パイルたて糸が単によこ糸の下にループを作るだけである。これに対してループを切らずに残したものは、ブラッセルじゅうたんのようなものである(第4図又は第5図参照)。

第4図、第5図省略

これらのじゅうたんには、無地又は模様を有するのがある。この模様は、2から5種類の異なった色の糸を使用してデザインを描くことができる機構を有する織機(例えば、ジャカード機)で織られる。
ウィルトンじゅうたんには、また、共通のパイル糸を有する2枚の織物(織り上げた後にパイル糸を切って2枚のじゅうたんを形成する。)を織ることによって作られるものもある(face-to-face wilton)。
パイル糸には、通常、羊毛又は羊毛とナイロンの混紡糸が使用されるが、綿、ポリアミド、アクリル、ビスコースレーヨン又はこれらの繊維の混紡糸も使用される。基布には、通常、綿、ジュート又はポリプロピレンが使用される。
(2)アクスミンスターじゅうたん:機械織りのじゅうたんで、あらかじめ定めた色の配列に従って横方向に連続したパイルの列が製織工程中に挿入されるものである。
(3)シェニールじゅうたん:これらのじゅうたんの主な特徴は、パイル面がシェニールヤーン(56.06 項の解説参照)を使用することによって形成されることである。シェニールヤーンは、通常の織り方の場合には、添加よこ糸として使用されるが、短いシェニールヤーンを、特殊な不連続状のたて糸として挿入し、基布によって保持するものもある。
(4)平織りじゅうたん:パイル及びループも持たない平織りのじゅうたんであるが、厚さ、強さ及び明らかに床用敷物として織られている点で 50~55 類の紡織用繊維の織物と区別することができる。
これらには、二重織り(2枚の織物を重ねて同時に織り上げるもので、2枚をところどころ交錯させて模様を表したもの)の“kidderminster”又は“Belgian”と呼ばれるじゅうたんを含む。これら住宅用の比較的高級なじゅうたんとは別に、この項には、ジュート製、コイヤ製、紙糸製等の低級なじゅうたん又はじゅうたん地(例えば、粗毛じゅうたんで、通常、平織り、綾(アヤ)織り又は杉綾(アヤ)織り)及びジュートのたて糸と織物の切れ端をつなぎ合わせたストリップをよこ糸にして織ったラグカーペットも含む。
(5)ドアーマット及びマット地:これらのものは、主として硬い房から成るもので、通常、ココやし繊維製又はサイザル製であり単に基布のたて糸の下にループを作っているだけである。
これらは、その用途に合わせて小さい寸法に織られる。
(6)テリータオル地その他これに類するバスマット
ある種のじゅうたんは、58.01 項のパイル織物又はシェニール織物に類する方法で織られているが、本質的に、床用敷物として作られたものであり、その製造に使用する材料が粗雑なこと又は基布が硬く一般に添加たて糸(stuffer)を有することで区別できる。
(7)ケレム、シュマック、カラマニその他これらに類する手織りの敷物:ケレム(kelem 又はkhilim)は、カラマニ(karamanie)とも呼ばれ、58.05 項の解説(A)に規定する手織りのつづれ織物と同じ製造法で作られる。このため、この織物は、上記のつづれ織物に類似しており、通常たて糸に沿って同じ透き間が見られる。しかし、模様に関する限り、ケレムは、通常花模様又は葉模様を有することはなく、主として直線的な模様を有する。表面と裏面とは区別できるが、その違いはわずかであり両面とも使用できる。ケレムは、二つの長いストリップを縫い合わせることにより作られることもあるが、縫目は、隠すようにデザインされている。このため、このケレムには、ボーダー(織り端)を短い端にのみ有するか又は全く有しないものもある。しかし、この項には、ボーダーを添加したものも含む。
一般にたて糸は、紡毛糸で、よこ糸は羊毛製又は綿製である。
この項には、また、特にヨーロッパ中央部において、ケレムの技法により製造されているもので東洋のケレムと同じタイプの装飾的な模様が施されているものも含む。
シュマックは、ケレムと同じ方法で織られるが、次の点において異なる。
-模様を形成する1又は2のよこ糸の線が完全に作られると、すぐに補充のよこ糸が幅方向に挿入され、たて糸の透き間を埋める。
-模様に関しては、織物の地は、通常3個から5個の平たい種々の色彩の円形に近い星の模様で飾られ、ボーダーは、一般に、1本の幅広い主バンドと2又は3本の補助的なバンドから成る。裏面はよこ糸を切断した後に残る数センチメートルの長さの切り端のために毛で覆われたような外観を有している。
シュマックのよこ糸は、紡毛製であるが、たて糸は紡毛製又は綿製であり、やぎの毛の場合もある。
これに類似するじゅうたんには、特にシュマックと類似の方法で製造されるシラー(Sileh)を含む。シラーの模様は、基本的には右回りか又は後方から前方へ向かう S 字形のモチーフと、表面全体にわたって点在する動物模様のモチーフからでき上がっている。
シラーのたて糸及びよこ糸は紡毛製であるが、たて糸は、まれに綿製のこともある。

この項には、組物材料製のマット及びマット地を含まない(46 類)。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?