関税率表 第21.02項

第 21 類 各種の調製食料品

21.02 酵母(活性のものであるかないかを問わない。)及びその他の単細胞微生物(生きていないものに限るものとし、第 30.02 項のワクチンを除く。)並びに調製したベーキングパウダー
2102.10-酵母(活性のものに限る。)
2102.20-酵母(不活性のものに限る。)及びその他の単細胞微生物(生きていないものに限る。)
2102.30-調製したベーキングパウダー

(A)酵 母
この項の酵母は、活性であっても不活性であってもよい。
活性酵母は、一般に発酵をひき起こす。これらは、本質的にアルコール発酵中に繁殖するある種の微生物(主として Saccharomyces 属のもの)から成る。酵母は、また、空気吹込法によって部分的又は完全に発酵を止めることによって得られる。
活性酵母には、次の物品が含まれる。
(1)ビール酵母(醸造酵母):これはビールの発酵槽に形成され、一般にホップの苦味及びビールの香りを持つ帯黄かっ色のペースト状又は固体状で提示される。
(2)ディスティラリー酵母(蒸留酵母):蒸留酒製造所において、例えば、穀物、ばれいしょ又は果実の発酵中に生成される。これは、クリーム色の堅いペーストで、蒸留に使用された材料の種類によってにおいが異なる。
(3)ベーカー酵母(パン酵母):糖みつのような炭水化物の培養基のなかで特別の種類の培養した酵母を、特定の条件のもとで繁殖させてつくる。これは、一般に圧縮された帯黄灰色のケーキ状(圧縮酵母)で取引きされ、時にはアルコール臭を有する。これらはまた、乾燥の状態(通常は粒状)又は液状の酵母として取引きされることもある。
(4)培養酵母:実験室的な条件のもとで調製された酵母の純粋種である。これは、蒸留水、ゼラチン又は寒天の中に懸濁されたものもある。これは、通常汚染から保護された容器に一定量づつ密封されて取引する。
(5)種酵母:連続発酵法によって培養酵母からつくられ、商業用酵母の「種」として使用される。通常湿り気のある圧縮状及び可塑状の塊又は懸濁液の状態で取引する。
不活性酵母は、乾燥することによって得られるものであるが、一般にはビール酵母、ディスティラリー酵母又はベーカリー酵母のうち、ビール醸造、蒸留酒製造又はパン製造に供するのには活性が弱くなったものをいう。これらのものは、食用(ビタミンB源)又は飼料用に供される。
ただし、乾燥酵母の重要性が増大するにつれて特別に調製された活性酵母から直接生産される場合が多くなりつつある。
この項には、また、Saccharomyces 属に属さない酵母から開発した別のタイプの乾燥酵母(例えば、Candida lipolytica、Candida tropicalis 又は Candida maltosa)を含む。これらは、炭化水素(例えば、軽油又はノルマルパラフィン)又は炭水化物を含有する基質中で培養した酵母を乾燥することによって得られる。これらの乾燥酵母は、特にたんぱく質に富んでおり、動物の
飼料に使用される。これらは、通常、石油たんぱく質又は酵母たんぱく質といわれる。
(B)その他の単細胞微生物(生きていないものに限る。)
これらには、バクテリア及び単細胞藻類のような単細胞微生物を含む(生きていないものに限る。)。これらには、炭化水素又は炭酸ガスを含有する基質中で培養して得られたものも含む。これらの物質は、特にたんぱく質に富んでおり、一般に動物の飼料に使用される。
このグループのある種の物品は、食用又は飼料用に供する食餌補助剤として、例えば、粉末状又はタブレット状のものであっても、また安定剤や抗酸化剤のような少量の賦形剤を含んだものであってもよい。このような物品は、前記成分の添加により、微生物としての性格を変えない限り、この項に属する。
(C)調製したベーキングパウダー
この項に属する「調製したベーキングパウダー」は、化学薬品(例えば、重炭酸ナトリウム、酒石酸、炭酸アンモニウム、りん酸塩)を混合したものから成り、でん粉を加えてあるかないかを問わない。これらは、適当な条件のもとで炭酸ガスを放出するため、パンを焼く場合のパン生地を膨張させるのに用いられる。これらのものは、各種の名称(ベーキングパウダー、アルセーシアンレーバン等)で、通常小売包装(袋入り、缶入り等)で販売される。

この項には、次の物品を含まない。
(a)Self-raising cereal flour:例えば、ベーキングパウダーを加えた穀粉(11.01 又は 11.02)
(b)自己消化酵母(21.06)
(c)培養微生物(酵母を除く。)及びワクチン(30.02)
(d)30.03 項又は 30.04 項の医薬品
(e)酵素(アミラーゼ、ペプシン、レンネット等)(35.07)


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