関税率表 第84.15項

第 84 類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品

84.15 エアコンディショナー(動力駆動式ファン並びに温度及び湿度を変化させる機構を有するものに限るものとし、湿度のみを単独で調節することができないものを含む。)
8415.10-窓、壁、天井又は床に取り付けるように設計したもの(一体構造のもの又はスプリットシステムのものに限る。)
8415.20-自動車に使用する種類のもの(人用のものに限る。)
-その他のもの
8415.81--冷却ユニット及び冷却加熱サイクルの切換え用バルブ(可逆式ヒートポンプ)を自蔵するもの
8415.82--その他のもの(冷却ユニットを自蔵するものに限る。)
8415.83--冷却ユニットを自蔵しないもの
8415.90-部分品

この項には、室内の温度及び湿度を所要の状態に保つための機器を含む。また、これらの機器には空気を清浄にするための機構を有するものもある。
これらの機器は、事務所、家庭、公会堂、船舶、自動車等における空気の温度及び湿度を調整することに使用されるものである。また、空気の温度及び湿度について特定条件を必要とする工業設備(例えば、繊維、紙、タバコ又は食品の工業)においても使用される。
この項には、次の要件を満たす機械のみを含む。
(1)動力駆動式のファン又は送風機を有すること。
(2)空気の温度(加熱機構若しくは冷却機構又は両機構を有する。)及び湿度(加湿機構若しくは乾燥機構又は両機構を有する。)の両方を変化できるよう設計されること。
(3)上記(1)及び(2)の機構を有するものが、ともに提示されること。
これらの機器においては、空気の加湿又は乾燥を行う機構と空気の加熱又は冷却を行う機構とが別々になっているものもある。しかし、ある種の型式のものは、単一のユニットに空気の温度を変化させると同時に空気中の水分を凝縮して湿度をも変化させる機構を内蔵している。これらのエアコンディショナーは、それが設置されている室内の空気又は室外の空気の取入口を有している場合には新鮮な外気と室内の空気との混合気を冷やすと同時に冷却コイルにより水蒸気を凝縮させて除湿を行う。これらは、通常凝縮物を補集するための垂れ受け(drip pans)を備えている。
これらの機器では、単一のユニットの形で全ての必要な機構を包含する、例えば、一体構造の窓又は壁に取り付けるもの(「壁貫通」ユニットと呼ばれる。)がある。または「スプリットシステム」型でユニットを相互に接続して作動するもの、すなわち、室外側に設置された凝縮装置及び室内側に設置された蒸発装置から成るものもある。これらのスプリットシステムはダクトがなく、空調するそれぞれの場所(例えば、部屋)で独立した蒸発器を利用する。
この項のエアコンディショナーは、構造上の観点から、空気を循環させる動力駆動式のファン又は送風機のほかに少なくとも次の中のいずれか一つを自蔵していなければならない。
空気の加熱装置(温水、蒸気若しくは加熱空気を通す配管又は電気抵抗器等により加熱される。)及び空気の加湿装置(通常、水の散布器から成る。)若しくは除湿装置又は冷却水コイル若しくは冷凍機械を構成する蒸発器(空気の温度を変化させると同時に、凝縮により湿度も変化させるもの)
又は空気の湿度を変化させるための独立した装置を有するその他の冷却機構
上記の除湿装置には、吸収材の吸湿性を利用するものもある。
この項に属するのは、特に、可逆式ヒートポンプで、冷却加熱サイクルの切換用バルブを取り付けた単一の装置により、家屋を暖房及び冷房する両機能を果たすように設計されたものである。
冷房サイクルでは、切換えバルブにより、高温高圧の蒸気が室外側コイルに流れ、そこで凝縮中に出された熱が外気に送風される。そして、圧縮された冷媒が室内側コイルに流れ込み、そこで冷媒が気化して熱を吸収し、空気を冷却し、その空気が送風機により家屋の方々に送り込まれる。
暖房サイクルでは、冷却加熱サイクルの切換え用バルブの切換えによって冷媒の流れを逆転し、家屋内に熱が出される。
エアコンディショナーには、外部から加熱源又は冷却源が供給される場合がある。また、これらの機器にはろ過用物質(紡織用繊維材料、グラスウール、スチールウール、銅のウール又はエキスパンデッドメタル等)にしばしば油を染み込ませたものを数層重ねた空気清浄装置が通常取り付けられており、空気はそこを通ることによりちり等が取り除かれる。また、これらの機器には、空気の温度及び湿度を調節するか又は自動制御するための装置を有するものもある。
この項には、空気中の湿度の調節を温度とは独立して行う機構を有していなくても、凝縮により湿度を変化させる装置も含む。このような装置の例としては、上記の一体構造ユニットとスプリットシステムで空調するそれぞれの場所(例えば、部屋)で独立した蒸発器を利用するもの、並びに冷却用蒸発器及び原動機駆動式送風機を結合したものから成る冷蔵室用装置もある。更に、貨物室の外側に取り付けられたハウジング内に納められた圧縮機、凝縮器及び原動機とコンテナの内部に通風機及び蒸発器とから成るユニットで、貨物自動車、トレーラー又はコンテナの気密室内を加熱又は冷却するためのものも含まれる。
ただし、機密室(例えば、貨物自動車、トレーラー又はコンテナ)の内部を0度よりかなり低い一定温度に保つように設計された冷凍ユニットで、室外の温度が非常に低い時に室内の温度をある範囲内で上げるための加熱システムを有するものは、この項には属しない。そのような機器は、腐敗し易い物品を輸送中保冷するという当該機器の本来の機能に対して加熱機能は補助的なものであることから、冷凍機械として 84.18 項に属する。

部 分 品
16 部の注2(b)の規定に従い、この項のスプリットシステム型エアコンディショナーの室内ユニット及び室外ユニットが単独で提示された場合、この項に含まれる。
エアコンディショナーのその他の部分品は、これが自蔵式のユニットに組み込まれるように設計されているかいないかを問わず、16 部の注2(a)の規定に従い、該当する項(84.14、84.18、84.19、84.21、84.79 等)に属するか、16 部の注2(a)が適用されない場合、16 部の注2(b)又は注2(c)の規定に従い、これが本体のエアコンディショナーに専ら又は主として使用することに適していると認められるか認められないかによりそれぞれ該当する項に属する。

この項には、次の物品を含まない。
(a)73.22 項のエアヒーター及び温風分配器で新鮮な又は調節した空気を供給することができるもの
(b)84.18 項の非可逆式ヒートポンプ及びエアコンディショナー用の冷却装置
(c)動力駆動式のファンを自蔵する機器で、空気の温度又は湿度のいずれか一つのみ調節する機能を有するもの(84.79、85.16 等)

号の解説
8415.10
この号に含むのは、窓、壁、天井又は床に取り付けるように設計したエアコンディショナー(一体構造のもの又はスプリットシステムのもの)である。
ここでいう「取り付ける」とは、大きさ、重量、物理的な構造(例えば、キャスター又は握りの有無)、配線等の要素を考慮することにより、所定の位置に事実上常設することとなることを意味する。
一体構造型エアコンディショナーは、単一のユニットの形で全ての必要な機構を包含し、かつ、一体構造のものである。
「スプリットシステム」型エアコンディショナーは、ダクトがなく、かつ、空調するそれぞれの場所(例えば、部屋)で独立した蒸発器を利用する。室内側熱交換器ユニットは、様々な場所(例えば、壁、窓、天井又は床)に取り付けられるものがある。
ただし、この号には、ダクトを利用して、冷却された空気を蒸発器から複数の冷房する場所へ運ぶ、ダクト式の中央方式空調設備を含まない。
8415.20
この号には、人を乗せる運転室又は車室の室温を調整するために、主として乗用自動車(種類を問わない。)に使用することを目的としたもので、他の種類の自動車に備え付けることが可能な装置を含む。
8415.90
この号には、8415.10 号の「スプリットシステム」型エアコンディショナーの室内ユニット及び室外ユニットが別々に提示される場合、そのいずれをも含む。これらのユニットは、電線や銅管で接続され、銅管の中を冷媒が、室内ユニットと室外ユニットとの間で流れるように設計されている。


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