関税率表 第84.71項

関税率表第84類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品

84.71 自動データ処理機械及びこれを構成するユニット並びに磁気式又は光学式の読取機、データをデータ媒体に符号化して転記する機械及び符号化したデータを処理する機械(他の項に該当するものを除く。)
8471.30-携帯用の自動データ処理機械(重量が 10 キログラム以下で、少なくとも中央処理装置、キーボード及びディスプレイから成るものに限る。)
-その他の自動データ処理機械
8471.41--少なくとも中央処理装置、入力装置及び出力装置を同一のハウジングに収納しているもの(入力装置と出力装置とが一体となつているかいないかを問わない。)
8471.49--その他のもの(システムの形態で提示するものに限る。)
8471.50-処理装置(第 8471.41 号又は第 8471.49 号のものを除くものとし、記憶装置、入力装置及び出力装置のうち一又は二の装置を同一のハウジングに収納しているかいないかを問わない。)
8471.60-入力装置及び出力装置(同一のハウジングに記憶装置を収納しているかいないかを問わない。)
8471.70-記憶装置
8471.80-その他の装置(自動データ処理機械のユニットに限る。)
8471.90-その他のもの

(Ⅰ)自動データ処理機械及びこれを構成するユニット
データ処理とは、各種の情報を一以上の特定の目的に供するために、あらかじめ定められた論理シークェンスに従って処理することである。
自動データ処理機械は、あらかじめ定められた命令(プログラム)に基づき論理的に関連する操作を行ってデータを作成する機械であり、当該データは、そのまま利用され、又は場合によっては他の別のデータ処理作業用のデータとして順次使用される。
この項には、処理の論理シークェンスをある一つのジョブから別のジョブに変更させることができ、かつ、その処理が自動的に(すなわち、処理中に手動操作を介入せずに)行われるデータ処理機械を含む。これらの大部分は電子的信号を利用するが、他の技術を利用するものもある。
これらの機械には、自蔵型のもの(データ処理に必要な構成要素がすべて同一のハウジング内において結合しているもの)及び異なる数のユニットで構成するシステムの形式のものがある。
この項には、上記の自動データ処理機械のシステムを構成するユニットで単独で提示されるものも含む。
ただし、この項には、また、自動データ処理機械を自蔵し又はこれと連係して作動する機器で特定の機能を有するものを含まない。これらの機器は、当該特定の機能に基づいてその該当する項又はその他のものが該当する項に属する(84 類の総説(E)参照)。
(A)自動データ処理機械
この項の自動データ処理機械は、この類の注5(A)の要件を同時に満たすものでなければならない。すなわち、次の要件である。
(1)処理用プログラム及びその実行に直接必要なデータを記憶すること。
(2)使用者の必要に応じて異なるプログラムを受け入れることができること。
(3)使用者が特定する算術計算を実行すること。
(4)人の介入なしに、処理用プログラム(処理の進行中において論理判断によりその実行の変更を命令するもの)を実行すること。
従って、固定プログラム(例えば、使用者が変更することができないプログラム)のみに基づいて作動する機械は、たとえ使用者が多数の固定プログラムの中からプログラムを選択できるものであっても、この項には属しない。
自動データ処理機械は、記憶能力を有し、またジョブに応じて変更されるプログラムを記憶している。
自動データ処理機械は、符号化したデータを処理するものであり、符号は一定の文字セット(2進コード、ISO 標準 6 ビットコード等)から成る。
データの入力は、磁気テープ等のデータ媒体を使用することにより、又はオリジナルの書類を直接に読み取ること等により、通常は自動的に行われる。なお、キーボードによる手動式の入力装置を有することもあり、また、入力がある種の機器(例えば、測定器)により直接に行われることもある。
入力データは、入力装置により機械によって使用することができる信号に変換され、記憶装置に記憶される。
データ及びプログラムの一部は、磁気ディスク、磁気テープ等を利用した補助記憶装置に一時的に記憶されることがある。しかし、自動データ処理機械は、ある特定のプログラムの実行に際し直接にアクセスが可能で、かつ、処理用プログラム、翻訳プログラム及び現在実行中の処理に直接必要なデータを記憶することができる容量を有する主記憶装置を有するものでなければならない。
自動データ処理機械は、同一のハウジングに、中央処理装置、入力装置(例えば、キーボード及びスキャナー)及び出力装置(例えば、ディスプレー)を収納しているものからなるか、又は相互に接続する異なるユニットからなることがある。後者の場合、少なくとも中央処理装置、入力装置及び出力装置からなる場合は、「システム」を構成する(この類の号注2参照)。相互接続は、有線又は無線の手段により行われる。
完全な自動データ処理システムは、少なくとも次の機器により構成される。
(1)中央処理装置:一般に、主記憶装置、論理演算装置及び制御装置から成るが、これらの装置が別床のユニットになっているものもある。
(2)入力装置:入力データを受け入れて、それを機械が処理することができる信号に変更するもの
(3)出力装置:処理機械から出力される信号を理解可能な形式(プリントした字句、グラフ、ディスプレイ等)に変更し又は更にデータ処理、制御等に使用するために符号化して変換するもの
これらのうちの 2 種類の装置(例えば、入力装置及び出力装置)が結合されて一つのユニットを構成するものもある。
完全な自動データ処理システムは、たとえ一以上の構成ユニットが単独で提示された場合には他の項に属することがあっても(下記(B)単独で提示される構成ユニット参照)、この項に分類される。
これらのシステムには、データ伝送用端末装置としての遠隔入力装置及び遠隔出力装置も含む。
入力装置及び出力装置のほか、このようなシステムには、例えば、中央処理装置の一以上の機能を拡張することにより、当該システムの能力を増大させるように設計されたユニット(下記(B)参照)も含む。このユニットは、入力装置と出力装置(システムの両末端)の間に配置されるが、接続用又は変換用の機器(チャネルアダプター及びシグナルコンバーター)が入力装置の前又は出力装置の後に接続される場合もある。
自動データ処理機械は、多方面の用途(例えば、工業、商業、科学研究、公的機関又は私的企業)に使用される(自動データ処理機械と連係して作動する機械で、特定の機能を有するもの(この類の注5(E)参照)の分類についての 84 類関税率表解説総説(E)参照。)。
(B)単独で提示される構成ユニット
この類の注5(D)及び(E)の規定に従うことを条件として、この項には、データ処理システムを構成する個々のユニットで、単独で提示されるものも含む。これらには、個々のハウジングを持ったユニットの形式をとるものもあり、個々のハウジングを持たないもので機器に挿入(例えば、中央処理装置のメインボード上への挿入)するよう設計されたユニットの形式をとるものもある。当該構成ユニットは、完全なシステムの一部として、上記 (A)若しくは下記において規定するものである。
装置は、次の要件を満たす場合に限り、自動データ処理システムのユニットとして、この項に分類される。
(a)データ処理機能を有すること。
(b)この類の注5(C)に規定する次の要件を満たすこと。
(ⅰ)自動データ処理システムに専ら又は主として使用する種類のものであること。
(ⅱ)中央処理装置に直接又は一以上の他のユニットを介して接続することができること。
(ⅲ)当該システムにおいて使用する形式の符号又は信号によるデータを受け入れ又は送り出すことができること。
(c)この類の注5(D)及び(E)の規定により除外されないこと。
この類の注5(C)の末尾部の規定に基づき、上記(b)(ⅱ)及び(ⅲ)の要件を満たすキーボード、X-Y座標入力装置及びディスク記憶装置は、データ処理システムを構成するユニットとして分類する。
データ処理以外の特定の機能を有するユニットは、当該機能に基づいてその所属を決定する。
この場合において、該当する項がない場合には、その他のものの項に属する(この類の注5(E)参照)。この類の注5(C)で規定された要件を満たさない又はデータ処理機能を有していない装置は、通則1及び必要に応じて通則3(a)を併せて適用し、当該装置の特性に従い分類する。
単独で提示される測定用又は検査用の装置で、適当な装置(例えば、シグナルコンバーター)を付加することにより自動データ処理機械に直接接続され得るものは、自動データ処理システムのユニットとはみなされず、これらはそれぞれ該当する項に属する。
このようなユニットには、中央処理装置、入力装置又は出力装置のほかに、次のようなものを含む。
(1)補助記憶装置(中央処理装置に対する外部記憶装置で、磁気カードの読取装置、磁気又は光ディスク式記憶装置、自動テープロード・ライブラリー、光ディスクドライブライブラリー(光ディスクジュークボックスといわれることがある)等)。このグループには、「財産的価値を有する形式機器」で、自動データ処理機械の内部に取り付けるもの又は外部で使用されるものも含む。これらの装置は、ディスク又はテープ用のドライブの形式のものがある。
(2)中央処理装置の処理能力増強用の補助装置(例えば、浮動小数点演算装置)
(3)制御用又は接続用の機器(例えば、中央処理装置に、入出力機器(例えば、USB ハブ)を接続するものである。)。ただし、有線又は無線回線網(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN))において通信するための制御用又は接続用の機器は、この項から除かれる(85.17)。
(4)シグナルコンバーター(入力用としては、外部信号を処理機械に理解できるようにするものであり、出力用としては、機械が行った処理結果の出力信号を外部で使用できる信号に変換するものである。)
(5)X-Y座標入力装置(自動データ処理機械に位置データを入力する装置)
この装置には、マウス、ライトペン、ジョイスティック、トラックボール及びタッチセンサースクリーンを含む。これらの装置の共通の特性としては、入力はある固定点に対して相対的な位置を示したデータから成る又はそのようなデータと解釈される、ということである。
これらの一般的な使用法は、キーボードのカーソルキーに代わるもの又は補うものとして、表示装置上のカーソルの位置を制御することである。
このカテゴリーには、また、X-Y座標軸入力装置で、曲線又はその他のいかなる幾何学的形状の座標をなぞり、入力することができるグラフィックタブレットを含む。この機器は、一般に、データ入力を可能にするための、表面にセンサーのある長方形のボード、描画のためのポインター又はペン及び拡大器が横木に取り付けられたものからなる。
更に、このカテゴリーには、グラフィックタブレットと類似した機能を持つディジタイザーを含む。しかしながら、前者は、アプリケーションメニュー選択及びスクリーン上の対象物の操作のため並びにオリジナル作品及び描画の作成に使用されるのに対し、後者は、一般に、ハードコピーの形式で既に存在する描画を入力するのに使用される。ディジタイザーの指示装置は、様々な形状であるが、手持ちできるように小型でなくてはならず、ディジタイザーの(動的)感知領域内で動かされなければならない。十字線のカーソルが、最も通常の型である。
(Ⅱ)データ転記用機械(データをデータ媒体に符号化して転記する
ものに限る。)、データ処理機械(符号化したデータを処理するものに限る。)及び磁気式又は光学式の読取機(他の項に該当するものを除く。)
このグループには、広範囲の機械を含み、その多くは電磁式又は電子式の機械であって、通常は相互補完的に使用され、一般に統計作成用又は会計その他の処理用のシステムにおいて使用される。
このグループには、磁気式又は光学式の読取機械、データ転記用機械(データをデータ媒体に符号化して転記するものに限る。)及びデータ処理をし処理結果を解読する機械を含む。
このグループには、他の項に該当しない機械のみを含むものとし、したがって、例えば、次の機械を含まない。
(a)自動データ処理機械及びその構成機器で上記(Ⅰ)に掲げるもの
(b)84.70 項の計算機、会計機及び金銭登録機(このグループの機械がこれらと異なる点は、手動式の入力機構がなく、専ら符号化したデータ(磁気テープ、ディスク、CD-ROM 等)のみを受け入れることである。)
(c)自動タイプライター及びワードプロセッサ(84.72)
(A)磁気式又は光学式の読取機
磁気式又は光学式の読取機は、通常特殊な形状の記号類を読み取り、これを符号化した情報の転記又は処理を行う機械で直接使用できるような電気信号(パルス)に変換するものである。
(1)磁気式読取機:この型式の機械においては、特殊な磁気インキで印字された記号類を磁化したのち、磁気読取ヘッドで電気パルスに変換し、続いてその記憶装置に記憶されたデータと比較して又は数字コード(通常は二進コード)を使用して記号類の認識を行う。
(2)光学式読取機:この機械においては、特殊インキを使用する必要はなく、記号類は一連の光電セルにより直接読み取られ、二進コード法によって変換される。このグループには、また、バーコード読取機も含む。これらの機械は、通常、感光性の半導体デバイス(例えば、レーザーダイオード)を使用しており、自動データ処理機械か他の機械(例えば、金銭登録機) と接続して入力ユニットとして使用される。これらは、手持ちで使用するか、テーブルに置くか、又は機械で固定するように設計されている。
上記の各読取機は、単独で提示された場合にのみ、この項に属する。これらは、他の機器(例えば、データ転記用の機械(データをデータ媒体に符号化して転記するものに限る。)及びデータ処理機械(符号化したデータを処理するものに限る。))に結合されてこれらの機器と同時に提示される場合には、当該他の機器の属する項に属する。
(B)データ転記用機械(データをデータ媒体に符号化して転記する
ものに限る。)
このグループには、次の機器を含む。
(1)符号化した情報をある媒体から他の媒体に転記する機械:これらの機械は、符号化した情報をある種のデータ媒体から異種のデータ媒体に又は同種の他のデータ媒体に転記するために使用される。後者の範疇には、新しいテープ又はディスクにマスターテープ、磁気又は光ディスク(例えば、DVD、CD-ROM)のデータの全部又は一部を転記するために使用される複写
機を含む。
(2)集積回路に固定のプログラムを書き込むための機械(プログラマー):この機械は、内部メモリーに内蔵してあるデータをコードの形で集積回路に転写するためのものである。そして、プログラムされる集積回路の種類に適した種々の技法により情報を一以上の集積回路に焼き付ける。
ある種のものは、付加的な特徴(エミュレーター)を有するものがあり、実際に集積回路にプログラムを行う前にプログラムのできる結果を写しだしたり、機能させることができる。
部分品及び附属品
部分品の所属に関する一般的規定(16 部の総説参照)によりその所属を決定する場合を除くほか、この項の機械の部分品及び附属品は、84.73 項に属する。

この項には、次の物品を含まない。
(a)電源用機器(85.04)
(b)変復調装置(モデム):これは自動データ処理機械から得られた情報を、電話回線網を通じて伝送することができるように変調し、次に元のデジタル信号に復調する機器である。(85.17)
 (c)集積回路(85.42)
(d)フライトシミュレーター(例えば、88.05)

号の解説
8471.30
この号には、携帯用の自動データ処理機械で、重量が 10 キログラム以下のものを含む。これらの機械は、フラットスクリーンを有し、外部の電源を必要とすることなく操作することができるもの、ネットワークによる接続を行うためのモデム又はその他の機器を有するものもある。
8471.90
特に、この号は、通常、キーボード、ディスプレイ、光ディスクドライブ、スキャナー、プリンターから成る光ディスクファイリングシステムを含む。これらシステムには、コントローラーとして自動データ処理機械を含むことがあり、光ディスクファイリングシステムは、自動データ処理機械によってアクセスし、コントロールができるように作られており、通常、次の機能がある。
-電子スキャンされたイメージの記録
-ファイリング
-検索
-表示
-普通紙への印刷


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