関税率表 第40類総説


第 40 類 ゴム及びその製品

ゴムの定義
 「ゴム」とは、この類の注1に定められている。この用語は、文脈により別に解釈される場合を除くほか、この表において次の物品をいう。
(1)天然ゴム、バラタ、グタペルカ、グアユール、チクルその他これらに類する(すなわち、ゴム様)天然ガム(40.01 項解説参照)。
(2)この類の注4に定める合成ゴム
 注4で要求される試験のために、不飽和の合成物質の試料及び注4(c)に特掲された種類の物質(加硫してない原材料の状態のもの)は硫黄により加硫し、更に伸長性及び復元性の試験を行わなくてはならない(40.02 項解説参照)。したがって、例えば、鉱物油のように注4で許容されていない物質を含む物品の場合、試験は当該物質を含まない試料又は試料から当該物質を除去したものについて、行わなければならない。このような試験をすることのできない加硫したゴム製品の場合は、試験を実施するため、その製品が製造された加硫してない試料を得ることが必要である。ただし、定義によって合成ゴムとして取り扱われているチオプラストについては、この試験を必要としない。
(3)油から製造したファクチス(40.02 項の解説参照)
(4)再生ゴム(40.03 項の解説参照)
 「ゴム」とは、前記の物品を含み、加硫してないものであるか、加硫したものであるか又は硬質のものであるかを問わない。
 「加硫したもの」とは、一般に硫黄その他の加硫剤(例えば、塩化硫黄、ある種の多価金属の酸化物、セレン、テルル、チウラムジスルフィド、チウラムテトラスルフィド、ある種の有機過酸化物及びある種の合成重合体)とともに、加熱若しくは加圧によるか又は高エネルギー照射によって架橋したゴム(合成ゴムを含む。)をいうものとし、主に可塑性の状態から弾性の状態に変化したものである。硫黄による加硫の基準は、注4の目的、すなわち物質が合成ゴムであるかないかを決定する場合に限って考慮することに注意すべきである。物質が合成ゴムであると確認されるなら、これから得た物品は、硫黄により加硫されているか又はその他の加硫剤により加硫されているかにかかわらず、40.07 項から 40.17 項までに該当する加硫したゴムの物品とみなす。
 加硫の目的のために加硫剤の他に通常、ある種の他の物質(例えば、加硫促進剤、加硫助剤、加硫遅延剤、可塑剤、増量剤、充てん剤、補強剤及びこの類の注5(B)に記載した添加剤)が加えられる。このようなものを加えた加硫可能な状態の混合物は配合ゴムとみなされ、提示された形状に応じて 40.05 項又は 40.06 項に属する。
 硬質ゴム(例えば、エボナイト)は、ほとんど柔軟性及び弾力が失われるまで高率の硫黄でゴムを加硫することによって得られる。

類の範囲
 この類には、上記に定めているように原料のもの及び半製品のもの(加硫してあるかないか又は硬質化してあるかないかを問わない。)、ゴムのみから成る物品並びに重要な特性がゴムにある製品を含む。ただし、この類の注2により除外される物品を除く。
 項の一般的配列は次のとおりである。
(a)注5に定めるものを除き、40.01 項及び 40.02 項には、本質的に原料ゴム(一次製品、板、シート及びストリップに限る。)を含む。
(b)40.03 項及び 40.04 項には、再生ゴム(一次製品、板、シート及びストリップに限る。)及びゴムのくず(硬質ゴムのものを除く。)並びにこれらから得た粉及び粒を含む。
(c)40.05 項には、配合ゴム(一次製品、板、シート及びストリップで加硫していないものに限る。)を含む。
(d)40.06 項には、加硫してないゴムのその他の形状のもの及び製品(配合しているかいないかを問わない。)を含む。
(e)40.07 項から 40.16 項までには、加硫したゴムの半製品及び製品(硬質ゴムのものを除く。)を含む。
(f)40.17 項には、硬質ゴム(形状のいかんを問わないものとし、くずを含む。)及び硬質ゴムの製品を含む。 

一次製品(40.01 項から 40.03 項まで及び 40.05 項)
 一次製品とは、この類の注3に定められている。特にプリバルカナイズドラテックスは「一次製品」の定義に該当し、したがって加硫してないものとみなすことに注意する必要がある。40.01項及び 40.02 項には、有機溶剤に加えられたゴム及びゴムの混合物(注5参照)を含まない。注3におけるその他のディスパーション及び溶液とは、40.05 項にのみ適用する。

板、シート及びストリップ(40.01 項、40.02 項、40.03 項、40.05 項及び 40.08 項)
 これらの用語は、この類の注9に定められているが、規則正しい幾何学的形状の塊を含む。板、シート及びストリップは表面加工(プリント、浮出し模様、みぞ付け、リブ付け等をしたもの)し又は単に長方形(正方形を含む。)に切ったものであってもよい(製品としての特性を有するか有しないかを問わない。)が、他の特定の形状に切ったもの及び更に加工したものであってはならない。

セルラーラバー
 セルラーラバーは、塊全体に分散した多くの気孔(開いたもの、閉じたもの又は両方の状態のもの)を有するゴムである。これらのものには、スポンジラバー又はフォームラバー、エキスパンデッドラバー、ミクロポーラスラバー及びミクロセルラーラバーを含む。これらのものには、柔軟性のあるもの及び硬いもの(例えば、エボナイトスポンジ)がある。

注5
 この類の注5は、ゴム又はゴムの混合物(一次製品、板、シート及びストリップ)のうち、配合してないもの(40.01 項及び 40.02 項)と配合したもの(40.05 項)とを区別するための基準を示している。この注は、配合が凝固の前又は後のいずれになされたかによって区別するものではない。ただし、ゴム及びゴムの混合物は、原材料としての重要な特性を保持している場合に限り、40.01 項及び 40.02 項のゴム及びゴムの混合物にある種の物質が存在していてもよい。このような物質には鉱物油、乳化剤又は粘着防止剤、乳化剤の少量(通常5%以下)の分解生成物及び極めて少量(通常2%未満)の特殊目的のための添加剤を含む。

ゴムと紡織用繊維とを結合したもの
 ゴムと紡織用繊維とを結合したものの所属は、11 部の注1(ij)、56 類の注3及び 59 類の注4によって決定され、コンベヤ用又は伝動用のベルト及びベルチングに関しては 40 類の注8及び59 類の注6(b)によって決定される。次の物品がこの類に属する。
(a)フェルトにゴムを染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したもので、紡織用繊維の重量が全重量の 50%以下の物品及びフェルトをゴムの中に完全に埋め込んだ物品
(b)不織布をゴムの中に完全に埋め込んだ物品及び不織布の両面を完全にゴムを塗布し又は被覆した物品で、色彩の変化を考慮することなく、塗布又は被覆していることが肉眼により判別できる物品 
(c)紡織用繊維の織物類(59 類の注1に定められている。)で、ゴムを染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したもののうち一平方メートルの重量が 1,500 グラムを超え、かつ、紡織用繊維の重量が全重量の 50%以下のもの
(d)紡織用繊維の織物類(59 類の注1に定められている。)、フェルト又は不織布とセルラーラバーの板、シート又はストリップとを結合したもので紡織用繊維が単に補強の目的で使われているもの

 この類には、この類の注2に記載した製品を含まない。その他の除外例はこの類の特定の項の解説に示してある。 

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