今でも紅茶のことが苦手だ

小学校の頃、紅茶を飲む授業があった。土曜日のお楽しみ会か保護者会か道徳の授業の一環か忘れたけど、ともかくお茶会をする機会があった。

家からティーカップを持参することになっていて、私は母が買ってたフェリシモのティーカップで一番可愛いと思う柄のカップを選って持って行った。

母はフェリシモで色々買っていた。なんであれ柄選べないのが毎月届くんだろうな。今もそんな感じなのかは知らん、フェリシモの商品がバズってるのを見るたびに、なんか思い出す。

両親は珈琲をよく飲んでいた。紅茶を飲んでいるのは見たことなかった。子供の頃の嗜好は自分で選んでるようで両親の影響をモロに受けるものだろう。
家で出ない未知のお洒落ドリンク。ウキウキするにはそれだけで充分だろう。

学校についたら、カップの取っ手がもげていた。途中で割れたんだと思う。とんでもないことになったような気持ちになった。けどお茶会は始まるから、取っ手のとれたカップで給仕の列に並んだ。

紅茶を淹れてくれる係の知らない大人にそのカップを渡した。先生じゃなくて保護者だったんだろう、誰かの。

「素敵なカップね」

その大人の顔なんか覚えてないけど、そのセリフはめちゃくちゃ覚えてる。

「取っ手がとれちゃって…その…」って言い訳をしながらカップを渡す。お椀のように持たれたカップに注がれた紅茶を受け取った。

居心地がものすごく悪いお茶会だった。このせいかどうかわからないけど、


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