リレーゲームブック小説2

リレーゲームブック小説(指を鳴らしてさあ出発だ)

外に出ると既に長蛇の列が続いていた。

皆、それぞれの独自のペイントを施したヘッドセットを身に着けている。

これは、かなりの玄人揃いだなあ。

腕がなるぜ!

ブンブンと腕を振り回して、はるかは列の最後尾に並んだ。

ヘッドセットから列に並ぶ人の個人情報が見れる。

個人情報の漏洩がプライバシー侵害に与える影響が軽減した未来に僕たちはいる。

一昔前の個人情報保護法は、今も有効に機能するが、その守るべき保護する情報は、個人が簡単にコントロールできる状態になっていた。

より多くの隠しごとがあるほど、犯罪者の匂いがプンプン臭っていた。

「うわっ!何だこのポイントの高さは!」

思わず声が漏れる。

「人足遅かったかもね。ここはもう僕らの出番なくクローズするかもね。運良く回ってくるのを願って取り敢えず並んではいるんけどさ」

僕の前のプレイヤーが僕の驚いた声に反応した。

勿論、僕のポイントも彼には見えているんだろう。

ミッションへのナビがプツリと消えた。

長蛇の列に並んでいた多くの人々が「あ~」と項垂れて散り散りに去っていく。

僕の前にいたプレイヤーが「ほらね」と言いながらその場を離れていく。

気が付くと、僕は道の真中に一人きりになっていた。

心なしか空っ風が吹いている。

「何でこんなところまで、あんなポイント高い人が来るんだよ!」

憤慨して地面に踵で蹴りを入れる。

「ここ最近のARミッション需要は、大幅に伸びており、ARミッション供給側の企業や個人投資家が少なくなっているのが問題となっております。それは、組織より個人という需要に重きが向いてきたことの弊害であると最近のNEWSで取り上げられております」

僕のARに登録しているお助けキャラが用もないのに答えた。

「そんなことは僕にだってわかってるんだ!」

#イライラしながら家に帰る

#タダでは帰らないぞ 次のミッションだ!

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