魔女喰い2

魔女喰い(縛り付ける習慣)

俺は久しぶりにジェイソンと再開する約束をした。

11月13日(金曜日)。皮肉なものだ。

俺が付けたあだ名は、彼の登場を縛り付けているかのように感じる。

その間にはハロウィーンが待ち構えているのだから、何があってもおかしくはないだろう。

魔女だ。ジェイソンだ。ヴァンパイアだ。ゾンビだ。とか・・・

西洋のホラーかぶれも甚だしい。

そもそも、ここは日本なのだから、日本の妖怪だとかお化けだとかそういう表現にしておけばよかったのだ。

魔女喰い事件などという名称が、地的感覚を狂わせているとしか思えない。

とは言え、俺の最大の問題は、魔女喰い事件の事をきっぱりと忘れるか?忘れないか?ということに尽きるのだ。

俺は、過去に送られてきた資料を再度見なおしていた。

亡くなった写真と言って、寝ている写真を加工すれば、穏やかに眠ってるように亡くなっているという加工写真は作れるだろう。

そんなイタズラ好きがいないとも限らない。

防犯カメラの画像風に仕上げた、隠しカメラの動画を送ってくることも出来なくはない。

俺はイタズラに付き合わされ、世間にありもしない魔女喰い事件をバラマキ、ネット炎上させていたのだろうか?

下らないイタズラのネットの投稿から、関連性のない文言をあたかも関連性のあるように作り変えて、自分の中でこれが真実だと思い込んでいたのではないだろうか?

他人が思い込んだ出来事を信じることで、ありもしない現実は、あたかも本当の現実であるように思い込んでしまう。

こうして繋がっていく人々の思いは、消化されずに永遠と停滞し続ける。

非現実的な過去は、そのまま作られた過去となり、あたかも現実の過去のように思い込まされる。

過去から繋がる今は、その誤った現実の過去を習慣として、誤った未来を作ろうとしているのかもしれない。

どちらにしても、隠された真実を俺は見つけなければならない。

もう、過去には戻れないのだから。

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