ディベロッパー8
こちらは青空ぷらすさんの「ディベロッパー」リレー小説の続きです♪
ディベロッパー7
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お誘いですよ。(企画へのお誘いとルール)
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目次(過去ログ・参加作品はこちらから)
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ディベロッパーキャラクター説明
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マガジン(全参加作品が収納されてます。)
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ドクター・プロトコルは釈然としなかった。
サンフランシスコのマフィアといえば、カルデローニ・ファミリーというほどに強大だった力が今では微小な灯火と変わってしまったからだ。
「チッ!想定していなかったな。これほど心がヤワな輩とは、失望したよ。マルコ」
ドクター・プロトコルは、新しく蘇生を始めた肉体の前で呟いた。
「まあいい。カルデローニ・ファミリーは直に俺のものになる」
★
マルコの死後、部下であるイワンがカルデローニ・ファミリーの一部を吸収する形となってからは、秘密結社ブラウザーからもD&Tシステムのダン・マッケンジーからも距離を置くようになった。
事実上、消滅に近い状態であったが、イワンに付いて行かなかったカルデローニ・ファミリーの残党は秘密結社ブラウザーの元に集まっていた。
★
「本日は、お越しいただき誠にありがとうございます。あなた達のドンは、今やこの世には居ないとお思いでしょう。しかし、我々の技術がブルーノ・カルデローニを復活させることに成功致しました!では、お越しいただきましょう♪ドン・カルデローニです!」
カルデローニ・ファミリー残党の集まる広場にて、ドン・カルデローニが姿を表したのは、マルコが自殺して数日後の事である。
ドクタープロトコルの演説は大盛況に終わり、次の一手へと舵をとった。
次の標的は、D&TシステムCEOダン・マッケンジー。そしてサンフランシスコ市長アントニー・ジョーンズ。
私は、サンフランシスコを手中に治める。
★
アルフ・テイラーという男は、何を知っている?
リック・ブリッジスはSFPD(San Francisco Police Department)サンフランシスコ市警に対して独自調査を行っていた。
アルフ・テイラーの的を得ない質問を軽くいなしながら、SFPDに捜査を継続させなければならない。
アルフ・テイラーが突然名前を出してきた「ジェームス・バーキンという男は?」にも、
「タレコミを送ってきた人物か?存在するとしてノーだ。どちらもあの件とは無関係だ」
当然、しらを切る事にした。
リンダの夫であるという事実を把握できていないSFPDの詰めの甘さに助けられたと言えるだろう。
そして、SFPDの矛先を、プロバイダーいや秘密結社ブラウザーへ向けさせることに成功したはずだ。
彼等は、「ジョー・アイザキ」を探しだすだろう。
見つけ出した、その時がチャンスだ。
★
D&TシステムCEOダン・マッケンジーは、TV会議でサンフランシスコ市長アントニー・ジョーンズと打ち合わせ中だった。
ダン・マッケンジーは普段よりも少しばかり強気な態度を示していた。
それも、マルコ率いるカルデローニ・ファミリーが未だに自分の手の中にあると考えていたからだ、マルコが亡き後は、有無も言わさずダン・マッケンジーに従うだろうと想定していた。
アントニー・ジョーンズもまた、ダン・マッケンジーの力が増したことを、この時点では疑っても居なかった。
「それでは市長、例の件お願い致します」
ダン・マッケンジーが不敵な笑みを浮かべている時に、社長専用の会議室の電源がプツリと落ちた。
会議室は暗くなり、視界に映るものは何もない状態で、ダン・マッケンジーは舌打ちをした。
「おい!誰だ!電源を切った奴は!早く復旧しろ!」
ダン・マッケンジーの声は会議室に木霊するだけで、助けは得られなかった。
それもそのはずで、今となってはダン・マッケンジーを守る人物は一人も居なかったからだ。
「お久しぶりです。私の事、お分かり頂けますか?」
ダン・マッケンジーは、慌てて座る椅子から飛び出そうとしたが、ディベロッパーがダン・マッケンジーの体を縛るタイミングが一足早く、椅子ごと転倒し、顔を地面に打ち付けた。
「お、おわえわ~」
「何言ってるのか分からねえな」
ディベロッパーはダン・マッケンジーを椅子ごと助け起こし、二丁拳銃を頭に突きつけた。
「俺がこの日をどれだけ待っていたか。お前にはわかるか?」
暗がりに目が慣れたダン・マッケンジーの目の前に、手を震わせて二丁拳銃を頭に突きつけてくる包帯を巻いた男が片眼をギラつかせて睨んでいることがわかる。蛇に睨まれたカエルにでもなったように、ダン・マッケンジーは口を開け閉めするだけで、声が出ていない。
「まあ、もうそんなことはどうでもいいか。俺の妻と子を殺った奴!カルデローニ・ファミリーの居場所を教えろ!」
ダン・マッケンジーは、まだ逃げ出すチャンスがあると睨んだ。精神も安定し、つかの間の驚きは静寂を取り戻していた。頭をフル回転させ、状況の打開策を考えた。
こいつはニュースもまともに見られないのか?
「わっ、わかった。連れて行こう。リムジンだ。安心しろ。俺はお前を背後から襲うようなことはしない。お前が俺の背後にいるのだからな」
ダン・マッケンジーの乾いた笑い声が会議室に響く。
「悪い話でも無いだろう?俺が殺させたんじゃないぞ。あいつらが勝手に殺ったことだ。俺はそんなことを頼んじゃいねえんだよ。なんたって、この会社のCEOだからな。ちょっとした契約のトラブルだったのさ。だからな、敵討ちをやるならば、カルデローニ・ファミリーをぶっ潰すしか無い。あいつらは本当に悪い奴らだ。保証する。俺が手助けしよう。なんでも言ってくれ。二丁拳銃だけじゃない。大砲だって用意してやってもいいぞ。手榴弾か?軍事用の手榴弾だってなんだって与えてやろう。だから、な。俺は見逃してくれないか」
ダン・マッケンジーの命乞いする顔がどうにも気に入らないディベロッパーは、ダン・マッケンジーの腹部へ蹴りを入れた。
ゴホッゴホッと咳き込んでいるダン・マッケンジーをこのまま殺す事も出来る。
カルデローニ・ファミリーが壊滅状態になっていることも知っている。
ただ、どうしても自分の手でカルデローニ・ファミリーの殺し屋を仕留めたかったという思いが、ディベロッパーのやり場のない怒りを増幅していた。
その時、天井からキラリと光る閃光を感じ、ディベロッパーは机の下に隠れた。
光る閃光は、ダン・マッケンジーの額に突き刺さり、ダン・マッケンジーは呆気無く息を引き取った。
★
「任務完了」
天井から微かに声が聞こえた。
この声は、あの時の鉄仮面!!
「くそっ!アイツだけは逃さない!」
ディベロッパーは、鉄仮面プロバイダーを追いかけた。
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続きお願い致します♪(^_-)-☆
クライマックス感が出てきているでしょうか??(^-^;;
続きが楽しみです♪
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