《プロローグ2》 岐路となった秋分の日


あの鹿の角の夢を見てから
鹿のサインが度々やってくる日々ー


月巫女として
大きな転換点を迎えたのは
秋分の日だった。


それまでの生活や
住まいを卒業する決意をし
志賀海神社のある福岡県へ
住まう準備をしていた。



ちょうどそのタイミングで
秋分の日に巫女として初となる儀式を

海巫女と共に執り行うため
愛媛を訪れていた。



秋分の日を迎える前の晩、
わたしは最後の大禊を迎えたー


「これを終えなければ
明日、儀式を行うことができない」


そんな感覚が来るほど
重要な局面だったのだ。

己の中で深く閉ざした扉を
開けにいく作業は難航した。

それでも海巫女に導かれながら
その局面を乗り越えた翌朝、
タイムラインが切り替わり


「もう福岡ではない」



行き先が福岡から
宮崎に変わったのだった。


こんな経験は初めてだったー

これまでも過去を振り返り
「あの時が岐路だった」
と思うことは多々あるけれど
目の前で線路が切り替わったのだ。




秋分の日当日、魂に触れるその儀式は
とても美しく尊くて
わたしが求めていた世界がそこにあった


あぁ、この世界にいたいんだ
この世界を見たいんだ



自分のハートが示す道が
より明確になったとき
次なる行き先が示された。


宮崎県 都農(つの)へー


つづく

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