《プロローグ1》 鹿からのコンタクト


月巫女として、目に見えぬ存在たちの
言伝を人々に届けるようになったのは
今から遡ること約二年。



はじめは己の内のみにて
天より神意を受け取っていたが
とある日に、神社の御神木より
他者への言伝を授かったのが
わたしが月巫女として携わった
初めてのご神事であった。







それから一年後のある夜
わたしは不思議な夢を見た。
ピンポイントで神社が出てくることは
滅多になかったが、その日は違った。


神社にたくさんの鹿の角があり
角に向かって参拝、手を合わせている夢だった。


目が醒めても強烈すぎて
鮮明に覚えていた。



あの夢は何だったのだろうか?

鹿の角が神社にある所など
存在するのだろうか?



半信半疑で「鹿 神社」と検索
…すると、ある神社がヒットした




福岡県 
志賀海(しかうみ)神社



龍の都と呼ばれ
綿津見三神を祀るこの神社の中に
鹿の角が一万本奉納されている
鹿角堂があるという・・・。
(ぜひ画像検索してみてください)



その昔、神功皇后が対馬で鹿狩りをされ、
その角を奉納したのが起こりと言われているそう


そういえば、この夢を見た年は
やたらと神功皇后に繋がるメッセージや
場所へ足を運んでいた。




なぜこの夢を見たのか?
なぜ鹿なのか?


夢を通じた鹿からのコンタクト。
それが全てのはじまりだった。



つづく


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