100km歩いたら足がぶっ壊れた話

こんにちは あるいはこんばんは.
私がTokyo Xtreme Walkという100km歩くイベントに参加した話を書きます
長距離歩いてみたい/100km歩いたら人体はどうなるのか気になる方は是非ご一読ください

申し込み

そもそもこのイベントを知ったのは9月ごろ.100km歩くイベントかぁ,3Aの真っ只中で気晴らし欲しくなってる時期かもなぁ〜〜参加してみるかポチ
みたいなノリで参加申し込みをした.
ちなみに私はB1,B2の時に某部で山手線一周歩いた時割と余裕があったので謎の自信があった.
このTokyo Xtreme Walk(以下TXW)は三部門に分かれており.

  • beginners部門 (34km)

  • challenge部門 (100km,26時間)

  • expert部門 (100km,24時間)

があった.beginners部門は流石に余裕すぎるので却下.とはいえ流石に100km歩いたことはないし全然練習するつもりもなかったので大人しくchallenge部門にした.申し込みのフォームで目標時間を聞かれたけど全然想像もつかなかったので適当に24時間に設定.
100kmは小田原城スタートでお台場がゴールに設定されていた.
ルートは以下の通り.

xtreme walkの行程(100km)

申し込み〜TXW当日

まじで何もしてない.なんとかなるやろと多少舐めもあったが別に途中リタイアしてもいいかという気分でいた.
ところで目標24hって4km/hで休憩なしで歩いても25時間かかるので実は大変なのでは?という気もしていた.

TXW当日

スタートは小田原城公園で11/12(土)の朝8:00頃.リュックに入れたのは
・お金
・モバイルバッテリー
・靴下のスペア
・ヘッドライト

くらい.当然だけど荷物は軽い方がいいので不要なものは持って行かない
.ヘッドライトはもってこいと言われたから持ってきたけど正直使う気はしなかった.予想通り結局使わないことになる.
周りの参加者はスポーツウェアみたいな格好なのに自分だけ街歩きしに来ましたみたいな格好でなんとなく浮いていた.実際歩くだけなので動きやすさはそこまで求められてなく,体温調節が可能かどうかを考えるべきだと今回で学んだ.
また,チェックポイント(CP)が6箇所あり,制限時間が設けられている.それぞれの制限時間は下記表.

xtreme walk 工程表


0km ~ 22km

第一CP(平塚)まで22km. 天候は雲ひとつない晴れで気温は17度くらい.歩く分には気持ちいいが日向だと暑いので日陰を選んで歩く.体力は温存したいし.5km/hくらいで歩いて4時間半くらいで着けばいいかな〜なんて思っていた.途中参加者の愉快なおじさんに捕まって適当に喋りながら歩いていた.よく話を聞くと生活圏がほぼ同じでちょっとびびる.

旧東海道の松並木や吉田茂邸を通り,そんなこんなしてるうちにあっという間に第一CP(22km地点)に到着.到着時刻は12:10.知らんうちに5km/hより早く歩いていた.最初だし足も痛くないのでまあ余裕があった.
CPでは水とみかんとカレーパンが配られた.普通に食費が浮くのでありがたい.途中でエネルギー切れや水分不足が起きるのが怖いので日陰に座ってカレーパンとみかんを摂取.


22km~34km

第一CPを12:24に出発.カレーパンとみかんを食べて次のCP確認してちょっとだらけたら14分経っていた.ただこの休憩時間は他の参加者に比べて短い気がしていて,周りの人は序盤からしっかり足をマッサージしていたりした.私はまだまだ余裕あったし休憩してもやることないなと感じたのでさっさと出発.

第二CP(34km地点,江ノ島)まではひたすら湘南の海岸を右手に東に進むルート.国道1号ではなく,湘南サイクリングロードをひたすら歩く.海岸沿いで南からの日差しを遮るものがなく,一方で北側には砂を止めるために幕みたいなのが設置されており風通しが悪くただただ暑い.Tシャツ一枚になれる服装で来るべきだったと後悔する.湘南の海岸は一般的に良い景色と分類されるだろうがこの時はひたすら歩いても延々と景色が変わらなくつまらないので良い景色とは言い難かった.

この区間は12kmしかないので2時間半くらいでつけばいいな〜と思いつつ直射日光と無風に耐えながらひたすら歩く.結局第二CP(江ノ島)についたのは14:33頃.2時間10分くらいでついたことになるのでここも5km/h
よりは早いペースだった.

第二CPではおにぎりと果物ジュース,和菓子が配られた.暑かったしそこそこお腹も空いていたのでこれらを秒でたいらげてちょっとスマホいじったら程なく出発(14:44).休憩時間は相変わらず短い.

34km~54km

34km地点で若干疲労はあったものの足はまだ痛くなかったので見通しは悪くなかった.何より海岸沿いを歩かなくていいことが嬉しかった.ここからは北に進路を変え,横浜を目指す.

途中,藤沢を過ぎたところで箱根駅伝にも出てくる遊行寺の坂を登る.40km地点あたりにあり,ダラダラと上り坂が続き割と辛かった.このあたりから足に痛みが出始める.あれ?まだ半分も行ってないのに痛み始めたら絶望では・・・?まあ今のところいいペースで来てるし足が痛くなるのなんて想定内や,なんとかなるやろ みたいな感じで適当に歩く.この区間で日没を迎える.通りすぎるバスの行き先で戸塚生活圏なのか東戸塚圏なのかがわかっておもろい〜とか考えてた.日向が消えることへの感謝と横浜の坂に殺意を覚えつつなんとか第三CP(保土ヶ谷)に到着.(18:40)
20kmの区間をちょうど4時間で踏破したので5km/hだったことになる.

第三CPでは飲み物と菓子パンが配られた.菓子パンは食べる気がせずカバンへ.この時で割と足の裏に外傷的な痛みがあり,どこか水膨れができて割れたかな〜みたいな予想をしていた.確認しなかったのはめんどくさかったから(おい).20分くらい休憩して出発しようとすると足が動きにくくなっている.なるほど,休憩で足を止めると足が固まるらしい.ここからは足裏の痛む箇所に体重がなるべくかからないように歩き始める.(19:00)

54km-68km

保土ヶ谷から横浜のキラキラしたエリアに向かって歩く.山手一周した時が50kmちょいだった気がするのでここからは未知の領域となる.日差しもなくなり気候的には快適.横浜に近づくにつれ人も増え,道ゆく人から好奇の目を向けられつつ,カップルで溢れる横浜ベイエリアを汗と湘南の潮風により異臭を放つ要入浴状態の集団が颯爽と歩き抜けていく.

足は痛くペースを守るのが辛くなってきてたものの景色がよく,まだ眠気も来ない時間帯なので死ぬほどきつい思いはせずに無事第四CP(横浜)に到着(21:50).なんとまだ5km/hを守れていた.横浜のCPでは簡単なお菓子とカップ麺が配られたが,お湯を注いで3分待つのは面倒だったのでカップ麺はスルー.そこまで重いもの食べる気もなかったし.とはいえエネルギー不足は洒落にならないので前の菓子パンを胃に押し込み足が固まる前に出発.(22:10)
膝の後ろの筋を伸ばすと痛みを感じ始める.もう歩くのは辛く,この辺で帰りたくなってくる.

68km~79km

この辺からCP間の距離が短くなる(助かる).次のCPは川崎.お〜だいぶ東京が近づいてきたななんて思いつつ重い足を動かし続ける.朝から動き続けた疲労と時間帯の要因が合わさり脳の活動の低下を感じ,景色を楽しむ余裕がなくなり始める.この辺からは音楽を聴き脳に刺激を入れ,テンションを上げることでなんとかペースを保っていた.

無の表情をしつつ歩き続けなんやかんやで第五CPに到着(00:22).いつの間にか日付を超えていたがまだ5km/hを守っていた.これ今考えてもすごいと思う.CPではスープとお菓子が配られた.塩分を補給するのにちょうどいいのでありがたくスープをもらい啜る.足が固まるのがマジで怖かったので座っていたい気持ちを殺してとっとと出発.あと20kmもあるんかい!とは思わず東京に入ったら勝ちやんと思っていた.(00:38)
この辺りから両足の親指の付け根あたりに痺れを感じ始める.辛い.終電がなくなることへの恐怖はあまりなかった.

79km~86km

六郷橋を越えついに東京都大田区へ.一人箱根駅伝もついに最終区か〜と感慨深い気持ちを若干抱えつつ,相変わらず脳がシャットダウンした状態で黙々と北上を続ける.足が動いているだけで実質睡眠時間みたいな状態で次のCPを目指した.CP間の距離たったの7kmじゃん今までに比べたらましでは?と思うかもしれないが7km歩くのに1時間半くらいはかかる.足が痛くてぼーっとした状態で1時間半歩き続けるのはめちゃくちゃ辛い.

とは言いつつも京急蒲田の蒲田要塞や大森海岸など見物ポイントもあり,坂も少ないことに救われなんとか第六CPに到着(02:22). いよいよ深夜に突入したなあ.
第六CPでは味噌汁とお菓子が配られる.味噌汁で体を温め,やはりすぐに出発.足が固まるのが怖かったし休憩して眠気が襲ってくるのも怖かった.
ここまできたらさっさとゴールしてしまえという作戦だった.

86km~100km

いよいよ最終区間.すでにフルマラソン2回分歩いているらしい.
深夜の東京を練り歩く.最終区で14km休憩なしはきついと判断し,適宜休憩を挟んでいく.想定では睡眠不足などで気持ち悪くなったりすると踏んでいたけどそんなことはなく,体調面ではかなり良かった.ちゃんと意識して水分とエネルギーを摂取していたため電池切れを起こすこともなかった.品川や高ゲを抜けたところで少し休憩,その後再び北上し汐留を抜け浜離宮のあたりで再び休憩.結局14kmを三つに分割しお台場を目指した.

座りたいと叫ぶ足に鞭をうち,白みつつある空のもとで築地大橋,黎明大橋,豊洲大橋,有明北橋を踏破し,ついに・・・ゴール!
時刻は朝5時38分
タイムは21時間34分
総歩数はおよそ132,000歩
スマホのヘルスケアの歩数に特異点が発生した・・・
適当に設定した目標の24hは余裕でクリアした.制限時間26hも余裕だった.24時間テレビだったら割と感動もなしにあっさりゴールしてしまう時間.序盤で割といいペースで踏破できたのが気持ちに余裕も生まれてかなり大きかったと思われる.イーブンペースを狙っていったら逆にキツかったかもしれない.

縦軸が非日常的なスケール


finisher賞のTシャツをもらいとりあえずその場に寝ころび30分くらい放心状態となる.ここで初めて靴と靴下を脱いで足の状態を確認.痺れを感じた親指の付け根にクソデカ水脹れができていたが割れてはいなかった.足裏の痛みを感じていた部分には意外にも何もなかった.なんだったんだあれ.

だが本当の地獄はここからだった.なんと自宅へ帰らなくてはいけない.足裏の痛みを庇うように普段とは違う体重のかけ方で歩いていたつけが回ってきており,右足の足首と膝関節,左足の膝関節が曲がらない状態になっていた.文字通り足が棒となった.

帰宅~

余裕があったら歩いて自宅まで帰ってやろうかなんて思っていた自分を嘲笑いつつ,有明テニスの森駅を目指しヨボヨボ歩く.タクシーの誘惑がすごかったが用入浴状態で乗るのは迷惑なので電車利用を余儀なくされる.
地下鉄の登り降りはもちろんエレベータ・エスカレータを利用.東京メトロ様のバリアフリーに激感謝しつつなんとか自宅に帰る.
結局帰ったのは11/13(日)7時ごろ.さっさとシャワーを浴び用入浴状態を解消,泥沼の眠りにつく.

13時ごろ目を覚ます.足首と膝は面白いくらい曲がらないし熱っぽい.あとで測ったら発熱していた(なんで
結局その日は一日中ベッドの上で過ごした.次の日の駒場も休んで次の週に回してもらった.歩けないし.

後日談

熱は次の日には下がっていた.動かない足首と膝もみるみるうちに回復し水曜には普通に歩けるようになっていた.100kmも歩いてボロボロになったのにすぐ元に戻るって人体すげえ.
人が歩いたら丸一日かかる距離を二、三時間で結ぶ電車,やっぱお前偉大だよ.
この記事を読んで100km歩いてみたくなった/走ってみたくなった方は是非ともチャレンジしてみてね
一生に一回くらいやってみてもいいはず


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