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大人のピアノ初心者が「本当に独学できる」教本まとめ

「ピアノをマスターして、かっこよくストリートピアノでも弾いてみたい!」

「でもなるべく費用をかけずに勉強したい」

「しかも音楽教室みたいに10年計画と言わず、あっという間に上手くなれたら、なお良いんだけど・・」

大人のピアノ教室に通うのは、費用も始めるハードルも高いですよね。

そこでおすすめなのが、ピアノの独学用教本を使った勉強法です。

参考書や教材さえしっかり選べば、独学でも十分にピアノ演奏を上達させることができるんです!

この記事では、おすすめのピアノ演奏学習本を、実際に上達したひとの口コミ・感想をふまえてご紹介します。

選び方のポイントも紹介するので、記事を読み終えるころには自分にぴったりの1冊が見つかるはずです。

自分に合った1冊を使って、手軽に楽しくピアノを身につけましょう!

そもそも、大人が独学でピアノは身につけられるものなの?

はい、ピアノは確実に大人からでも習得できます。

鍵盤楽器は、コツをつかまないと全く音すら出ないという楽器ではありません。そのため、柔軟な子どものうちに独特な方法を習得しないとにっちもさっちも行かないということはありません。

また、音楽教室に行ったとしても、先生はなにか独創的なカリキュラムを使って指導するわけではなく、市販の教本を買ってきて指導を行います。

大人向けのピアノの先生が果たしてくれるのは主に、

①間違った音を直してくれる
②演奏への感想を言ってくれる
③練習のペースメーカーになってくれる

という3つの役割ですから、自分で練習計画が立てられる大人で、CDやApple Musicで音が間違ってるかくらい聞けばわかる!という方なら、あとは他人から演奏への感想、アドバイスをもらえる機会だけ確保すれば、独学は十分可能なのです。

大人の教本選びのポイント

先生によっては、「バイエル」や「ブルグミュラー」、「ツェルニー」「ハノン」「バーナム」のいずれかの名前を出すかもしれませんが、大人初心者の場合ほとんどこれらの無味乾燥な練習曲を採用する意味はありません。

これらの練習曲は、先生から先生へ、特に強い意味はないが、これといってほかに候補もないので受け継がれてきたという色が強い練習曲集です。

ほとんどの曲は音楽性もなく、盛り上がるポイントもなく、全部やらされると合計200曲くらいになります。多くの大人のピアノ初心者をぽっかり口を開けて待ち受けている、一種の巨大な食虫植物、罠のようなものだといっても過言ではないかもしれません。

(ハノン・ツェルニーについては、独学でも中級に差し掛かったころに、あえて少し触れてみる意義はあります。ただの練習ドリルかと思いきや、意外にきちんと音楽性のある曲も含まれています。)

いくら練習のエッセンスを抜き出した名作だといっても、せっかくあなたに燃え上がっている練習の炎に対してガンガン消火剤をまいてくるような本を、練習にわざわざ取り入れる理由がありません。

それぞれの名作教本で凝縮されている練習要素は、通常のポピュラー曲やジャズ、ゲーム音楽などでも、要所要所に出てきます。それをしっかり解説して、注意を向けさせてくれるような教本であれば、題材は何でも構わないのです。

最初から最後まで独学で行くのは大変な遠回り

アマチュアで独学しているひとが、全ての音に正しく指を置けているはずなのに、全然それっぽく聴こえないのは、ピアニストなら全員知っている、ちょっとしたコツや方法論を聴けていないからです。

ピアノには、曲が自然にイキイキと聴こえるようにするためのリズムや強弱、テンポ、ペダルなどの使い方で、知ってしまえば「なんだ、そういうことだったのか」となるようなコツが沢山隠れています。

また独学の大人ピアノ初心者でありがちなのは、ガチガチの腕と、固まった手と指でピアノをぎこちなく叩いているパターンです。これも自分で聴いていると気付かないかもしれませんが、かなり聴いているひとはリラックスしにくく、不自然に感じる音楽ができあがります。

こういった部分のコツは、一人の先生に対面でついたのでは、むしろうまく教えられないことがあります。それぞれの先生にカバーできる指導の範囲があって、たとえば曲の構成については上手く教えられるけれど、全然身体の使い方についての話は頭に入ってこないような話をする先生もいるからです。ロマン派〜現代のピアノはとても上手でも、全然バッハは弾けないという有名な先生もいます。

オンラインで自分にあったコーチを全国から見つけて、それぞれの先生から指導の肝の部分を吸収することが、1番の上達の早道となるでしょう。

初心者ピアノ攻略計画その1<最初のセットを選ぶ>

いずれも超がつくほど簡単明快で、さらりと読める本ばかりです。
まずは間違いなく目を通して、ピアノの基本的な姿勢・力の入れ方・曲の捉え方などについて、大きな勘違いのあるまま突進してしまわないように対策しましょう。

『ピアノの教科書』

各チャプターごとに、QRコードがついているので、スマホから視聴することができます。

ただ音を読んで弾くだけでなく腕や肘の使い方など、正しい演奏フォームが身につくことで、初級レベルの曲で本格的な演奏への第一歩をスタートすることができます。

最後まで言っても、まだまだ全然序の口の序の口ですが、逆に初日に知っておくべきことは広く網羅されています。


『はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン』

手の置き方から動かし方まで、懇切丁寧に教えてくれるベストセラーですが、刊行がやや古いため、ちょっとレベルの上がり方に無理があるところがあります。できるところだけかいつまんで弾いてみるのでも、問題ありません。


初心者ピアノ攻略計画その2<実力を引き上げる教本を選ぶ>

ポピュラー系統

『超ラク~に弾けちゃう! ピアノ・ソロ 初心者の超定番曲&J-POPスーパーベスト』

音符にカナが丁寧にふってあり、<その1>の教本セットだけではまだ楽譜に馴染めていないというひとにもついていけます。全部で40曲くらいの収録があって2400円というコスパも、極めて高いです。

こちらも、すべての楽譜にカナがふってあります。レベル感はほぼ同じなので、収録曲の好きなほうを選べばよいでしょう。

収録曲
炎(LiSA)
紅蓮華(LiSA)
感電(米津玄師)
Lemon(米津玄師)
打上花火(DAOKO×米津玄師)
白日(King Gnu)
I LOVE... (Official髭男dism)などい

クラシック系統

『ピアノ・ソロ ピアノ初心者のためのクラシック入門35曲』

すべての楽譜にふりがながふってある教本は、おかたいクラシック系では珍しいです。楽譜を読む時間の9割くらいは、このふりがなを自分であてる作業ですので、無駄な時間が省けるのは初心者にとって大変ありがたいことです。

『やさしく弾ける 誰もが知ってる! ピアノで弾きたい定番曲』

クラシックの名曲にもふれながら、ポピュラー〜ジャズ、映画曲まで触れてみたい方は、ぜひこの本を手にとってみましょう。ヤマハから出版されており、絶妙にかんたんに、かつもとの曲の雰囲気を損なわない編曲をしてくれています。習った初年度に「愛の夢」が弾けるなんて、凄い進捗です。

『無理のない指のトレーニングのために大人からはじめるハノンピアノ教本』

ある程度しっかりとクラシックの名曲をいずれは弾いてみたい、という方にとっては、「ハノン」とよばれる指体操の方法で、しっかり指慣らしをするルーティンがいずれは欠かせなくなります。

だったら、少しでも楽しく、ハノンの意味をよく理解して弾こうじゃないかというのが、この魅力的な教本のコンセプトです。一曲一曲ハノンをしっかり取り上げて、無味乾燥な楽曲を魅力的に広げてくれるのは、ほかにない特色です。


ジャズ系統

『はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ』
バッキング(いわゆる伴奏)を収録したCD付きの本で、伴奏に乗せてジャズのメロディを自作して乗せていく練習ができる名著です。この類のものはいくつかありますが、老舗の専門誌「キーボード・マガジン」の編集ということもあり、長年安定して売れている本です。


『はじめてのジャズ・ピアノ・トリオ』の口コミ・感想


『ピアノ基礎トレ365日!』

英会話は、短いフレーズで自分が自由自在に組み合わせて、最終的に長い会話もできるようにしていくもの。ピアノ曲だって、全く同じように、一度短いフレーズで弾いたことのある技術を組み合わせて、最終的に10分間もの大曲が弾けるようになっていくのです。

それを突き詰めて、短いフレーズで効果的な練習だけを抜き出したのが本書。フレーズも、ほとんどが楽しいジャズフレーズから抜粋されています。

『ジャズハノン~ジャズピアノの基礎知識とその練習』

1980年代の古い本ですが、いまだに刊行が続いている歴史的な名著です。

ハノンのもともとの機械的な音を少しずらすだけで、やたらと格好いいフレーズに・・というのがコンセプトの本。練習効果は損なわれず、毎日楽しい指体操を行うことができます。長年のベストセラーなのも納得な名著です。

カリキュラムを組み上げるのが思ったより大変・・と思ったあなたに

アメリカでは、すでに6割くらいのひとが音楽教室でも独学でもなく、オンラインレッスンでピアノを学んでいます。

既製のカリキュラムにおんぶにだっこで上達できるので、独学用教本で学ぶよりもかなり高い確率で挫折無く憧れの曲まで到達します。

一冊ごとに自分で設計するのが楽しいという方にはおすすめしませんが、何万人もの学習者が実際に上達済みのルートをたどったほうが安心できるという完全初心者の方もいることでしょう。

現代では、最寄りの教室に一人だけ所属している先生に教わって、最寄りの教室主催の発表会に2万円払ってよしみで出演して終わり、という学習スタイルはスタンダードでないことを覚えておきましょう。

まるで個人にテーラーメイドで設計してもらえる旅行プランのように、世界中から世界中から自分にぴったりのレッスンをオンラインで選んで、また同じような音楽の嗜好をもったアマチュア同士で集まる発表会や同好会を地元で探してお互いに感想をシェアしあい、自分のブログやSNSを開いて毎日の練習成果や悩みを共有するのがこれからのスタンダードのピアノ練習法です。

ピアノの学習アプリのスタンダードとして、Yousicianがあります。
また、英語の分かるかたなら世界的な動画レッスンのUdemyがおすすめです。

36万人が高く評価している講座が、世界のどこからでも受けられます。

英語の講座は厳しいという方の場合、時間の定めなく受けられるピアノレッスンで日本で1番生徒数が多いのはフォニムです。プロの奏者が自分の練習に日々アドバイスや感想を届けてくれるのが人気となっています。


アプリでの学習がお好みなら、Skooveが1番おすすめ。
オンラインレッスンと違って先生は喋ってくれませんが、マイクであなたのピアノの音を拾って、自動的に演奏があっているか判定してくれます。
ゲーム感覚で上達できるのが魅力です。

無料のYouTube動画でも、とても質が高くて見入ってしまうようなものがたくさんあります。


独学用の本も、対面レッスンより質の良いものがたくさんあります。

ちょっと本が小さいので譜面台に置いて練習できないのが玉にきずですが、周りでも実際に無理なく続けられたというひとの多い名著です。本についているコードから、スマートフォンでお手本動画の視聴ができます。

本当の初心者、初めてピアノに触る方向けで、多少経験があるような方は物足りないかと思いますが、とてもわかりやすい本です。

DVDも、先生の声や姿が載っているものは珍しく独学で始める方にはとてもありがたい名著です。目で見てしっかりピアノが理解できるでしょう。